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「では、これで最後の授業を終わりにします。」
そう言ってキースは、いつもの人好きのする笑顔を浮かべた。
今日はキースとの最後の授業の日。今日を最後に、魔法学の教師が変わる。
「ありがとうございました。」
そう言ってカロクは控えめに微笑む。
あの日以来、キースからの身体的接触は劇的に減った。だがそのせいで気まずい雰囲気になるのではと懸念していたカロクだが、拍子抜けするほどキースの態度は変わらなかった。
いつもの物腰柔らかな態度で、カロクを褒めてくれる。
キースも大人だ。そのあたりは割り切っているのかもしれない。
最後の授業も、つつがなく終了した。
「もし何か分からないことがあったり、聞きたいことがあれば遠慮なく私を訪ねてほしい。」
「はい、ありがとうございます。」
カロクの返答ににこりと愛想の良い笑みを浮かべると、キースはそっと手を差し出した。
カロクは逡巡するも、その手を握った。
別れの握手だ。断る方が失礼に当たる。
双子の侍従もそのことを理解しているのか、もの言いたげな視線の割りに口を出してくることはなかった。
「では、ごきげんよう。カロク様。」
そう言ってキースは握った手をゆるく振ってから、離した。
その瞬間、キースはその指先でカロクの掌を撫でたのだが、カロクがそれに気が付くことはなかった。
キースを見送ってから、カロクは自室へと戻る。
双子の侍従を帰してから、ごろりとベッドへ横になった。
「‥?」
その時、目の端できらりと何かが光った。
机の下に、何か落ちているようだ。
カロクはベッドから起き上がり、机へと歩いていく。
しゃがんで見てみると、机の下に小さなガラス玉のようなものが落ちていることに気が付いた。
「‥‥?」
カロクは何の疑問も持たずにひょいとそのガラス玉を拾い上げた。
「‥っ!?」
その瞬間、ドクンと大きく鼓動が跳ねた。
「な、に‥?」
心臓がドクドクと大きく拍動する。
ジワジワと体が熱くなり、疲れてもいないのに息が浅くなっていく。
「これ、ってー‥」
カロクが考えるよりも早く、症状は進行していく。
ジワリと眼裏に涙が滲み、ぐらりと景色が揺れる。体を侵す熱は思考力を奪い、浅く息を吐きだすその唇の奥で、小さな舌が震えた。その熱はさらに温度を上げてぐるぐると体の内をさまよい、行き場のない熱はそのまま未熟な下肢へと落ちた。
コンコン。
その時、部屋にノックが響いた。
ドクン、とひと際大きく鼓動が脈打つ。
「‥カロク様、いらっしゃいますか?」
その声は、先ほど玄関先へと見送ったはずのキースのものだった。
そう言ってキースは、いつもの人好きのする笑顔を浮かべた。
今日はキースとの最後の授業の日。今日を最後に、魔法学の教師が変わる。
「ありがとうございました。」
そう言ってカロクは控えめに微笑む。
あの日以来、キースからの身体的接触は劇的に減った。だがそのせいで気まずい雰囲気になるのではと懸念していたカロクだが、拍子抜けするほどキースの態度は変わらなかった。
いつもの物腰柔らかな態度で、カロクを褒めてくれる。
キースも大人だ。そのあたりは割り切っているのかもしれない。
最後の授業も、つつがなく終了した。
「もし何か分からないことがあったり、聞きたいことがあれば遠慮なく私を訪ねてほしい。」
「はい、ありがとうございます。」
カロクの返答ににこりと愛想の良い笑みを浮かべると、キースはそっと手を差し出した。
カロクは逡巡するも、その手を握った。
別れの握手だ。断る方が失礼に当たる。
双子の侍従もそのことを理解しているのか、もの言いたげな視線の割りに口を出してくることはなかった。
「では、ごきげんよう。カロク様。」
そう言ってキースは握った手をゆるく振ってから、離した。
その瞬間、キースはその指先でカロクの掌を撫でたのだが、カロクがそれに気が付くことはなかった。
キースを見送ってから、カロクは自室へと戻る。
双子の侍従を帰してから、ごろりとベッドへ横になった。
「‥?」
その時、目の端できらりと何かが光った。
机の下に、何か落ちているようだ。
カロクはベッドから起き上がり、机へと歩いていく。
しゃがんで見てみると、机の下に小さなガラス玉のようなものが落ちていることに気が付いた。
「‥‥?」
カロクは何の疑問も持たずにひょいとそのガラス玉を拾い上げた。
「‥っ!?」
その瞬間、ドクンと大きく鼓動が跳ねた。
「な、に‥?」
心臓がドクドクと大きく拍動する。
ジワジワと体が熱くなり、疲れてもいないのに息が浅くなっていく。
「これ、ってー‥」
カロクが考えるよりも早く、症状は進行していく。
ジワリと眼裏に涙が滲み、ぐらりと景色が揺れる。体を侵す熱は思考力を奪い、浅く息を吐きだすその唇の奥で、小さな舌が震えた。その熱はさらに温度を上げてぐるぐると体の内をさまよい、行き場のない熱はそのまま未熟な下肢へと落ちた。
コンコン。
その時、部屋にノックが響いた。
ドクン、とひと際大きく鼓動が脈打つ。
「‥カロク様、いらっしゃいますか?」
その声は、先ほど玄関先へと見送ったはずのキースのものだった。
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