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第十二章 動き始めた……○○フラグ
思い出してしまった、自分の犯した罪を
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薄暗い室内で所々の燭台に火が灯されていて、床には巨大な魔法陣が描かれていた。
照らされた箇所に本棚らしいものがある。
ここはどこなのだろう……。
周りを見渡すと黒いフードを被った二人組の男女。
「ママ……、パパ……?」
不安げに声を上げたのは魔法陣の真ん中に座ってる幼い少女。
その声には聞き覚えがあった。だってその声はソフィア(私)の声にそっくりだったのだから。
これは夢……? 私は、この夢をどこかで経験したことがある。
なんとなく、そう思った。
これから起こる出来事に不安を感じた。
この先は見ない方が良いと全身で訴えられる。
だけど、時間は待ってくれないようで魔法陣が光だした。
突如、息苦しさと全身が燃えるように熱くなっていく。
イヤだイヤだイヤだ!!!! 怖い怖い!!
いきなり開始された儀式のようなものに恐怖した。
前々から聞いていたが、それが痛みを伴うとは聞いていなかった。
両親から聞いたのは「ソフィア、あなたの中の悪い物(闇属性)を追い払う(封印)の。何も心配いらないよ」
ただそれだけだった。
もしかしたら両親も痛みが伴うとは思わなかったのかもしれない。
当時の記憶のように鮮明に思い出される光景は、気分が良いものでは無い。
ダメ……、落ち着いて!!
幼い自分自身に言い聞かせた。
だって、この先に何が待ち受けているのか……、わかってしまったから。
だけど、その訴えは幼い自分自身には届くはずもなく……。
困惑してしまった幼い自分自身は無意識に闇系の魔法を発動してしまった。
ーーそれは、一瞬の出来事だったんだ。
血で床や壁を汚し、両親は血塗れになりながらも息はしていた。虫の息だったけど。
最後の力を振り絞り、闇属性を封印した。
ーーそして、死に絶えてしまった。
私は、その時の血の海が原因でトラウマとなったが、自分の両親を殺したことが認めたくなくて自らその時の出来事の記憶を封印した。
そう、殺されたのではなく、私が殺したんだ。
ゲームの設定では何者かに殺されたと書かれてあった。その何者かが私なんだ。
あえて曖昧でハッキリしない書き方だったのは、伏線として使うためだったのかもしれない。
ホント、有り得ないよね。こんな重い罪が隠されていただなんて……。
血を見るなり気絶してーー……気がついたらデメトリアス家の屋敷にいた。その時に前世の記憶を思い出す。
私はーー……、人殺し、かぁ。
徐々に視界がぼやけ、真っ暗になった。
目を開けるとベッドで寝ていた。
「ああ、良かった。気が付いたのですね」
心配そうに顔を覗き込むアイリス。いつもなら申し訳ないと思うのにそんな感情はなかった。
ぽっかりと穴が空いたみたいに何も思わないし、感じなかった。
私、どうしたんだろうーー……?
何か変だ。
「……うん。私、どうしたの?」
いつもは「ありがとう、心配かけてごめんね」の一言が言えるのに今はそれが言えない。
「クロエ様という方がソフィア様を連れてきてくださいました。同じ女・性・なのに、たくましいですよね」
「女性?」
ああ、そうか。クロエ様は男性にも女性にも成れるんだっけ。
「そっか。ねえ、アイリス、私疲れてるからもう休みたいの」
「かしこまりました」
アイリスは明らかに様子がおかしい私を心配そうに見るが、何も出来そうにないと思ったのか、一礼してから部屋から出ていく。
一人になって、静かになった部屋。
ポロッと一粒の涙が溢れた。
涙を拭いても次から次へと涙が溢れてしまう。
夢だと思いたい。全てが悪い夢なんだって。
そう思いたいのに、やけにあの光景がリアルで夢では無いんだと思わせられる。
嫌だ。嫌だよ。認めたくない!!
こんなの違う!! 私は人殺しじゃないっ!!
人殺しという単語がやけに引っかかる。
以前にも誰かに言われたような……。直後、ズキンッと頭が痛くなる。
まだ思い出さないといけない何かがあるのだと、直感で思った。
その感情と同時に不安と絶望が渦巻き、私の中の黒いものが大きくなっていくのがわかった。
「ダメ! お願い、出てこないで!!」
その黒いものは『闇属性』だ。それが膨れ上がって出ていこうとしている。
私の不安と絶望に反応してしまったんだ。記憶を思い出した今、きっと封印は解けていったんだ。
自ら封印した記憶が封印解除の役目となっている。それはきっと無意識にやってしまったことだ。
周りの人達はみんな優しいから、残酷なことは言わないようにしてくれていたんだ。
わかっているのに、こんな形で真実を知りたくなかったーー……。
闇属性が出てこないように必死に抑えこんだ。今まで、いつでも闇属性の封印が解かれても良いように修行していたおかげだ。
……人を殺し、平然と貴族として暮らして……笑っている。
自分の神経を疑うわ。前にもイアン様を殺そうとしちゃったし。
ーー悪役令嬢そのものね。
私は幸せになんてなっちゃいけない最低な悪女よ。
死亡フラグを回避なんてしちゃいけなかったのかな……。
ーー……これからどうすればいいんだろう。
この時の私は、なぜ突然記憶が蘇り、封印が解けたのか。
クロエ様が言っていた隠しキャラの存在のことも……、
自分の過去のことで頭がいっぱいで考える余裕がなかったーー……。
照らされた箇所に本棚らしいものがある。
ここはどこなのだろう……。
周りを見渡すと黒いフードを被った二人組の男女。
「ママ……、パパ……?」
不安げに声を上げたのは魔法陣の真ん中に座ってる幼い少女。
その声には聞き覚えがあった。だってその声はソフィア(私)の声にそっくりだったのだから。
これは夢……? 私は、この夢をどこかで経験したことがある。
なんとなく、そう思った。
これから起こる出来事に不安を感じた。
この先は見ない方が良いと全身で訴えられる。
だけど、時間は待ってくれないようで魔法陣が光だした。
突如、息苦しさと全身が燃えるように熱くなっていく。
イヤだイヤだイヤだ!!!! 怖い怖い!!
いきなり開始された儀式のようなものに恐怖した。
前々から聞いていたが、それが痛みを伴うとは聞いていなかった。
両親から聞いたのは「ソフィア、あなたの中の悪い物(闇属性)を追い払う(封印)の。何も心配いらないよ」
ただそれだけだった。
もしかしたら両親も痛みが伴うとは思わなかったのかもしれない。
当時の記憶のように鮮明に思い出される光景は、気分が良いものでは無い。
ダメ……、落ち着いて!!
幼い自分自身に言い聞かせた。
だって、この先に何が待ち受けているのか……、わかってしまったから。
だけど、その訴えは幼い自分自身には届くはずもなく……。
困惑してしまった幼い自分自身は無意識に闇系の魔法を発動してしまった。
ーーそれは、一瞬の出来事だったんだ。
血で床や壁を汚し、両親は血塗れになりながらも息はしていた。虫の息だったけど。
最後の力を振り絞り、闇属性を封印した。
ーーそして、死に絶えてしまった。
私は、その時の血の海が原因でトラウマとなったが、自分の両親を殺したことが認めたくなくて自らその時の出来事の記憶を封印した。
そう、殺されたのではなく、私が殺したんだ。
ゲームの設定では何者かに殺されたと書かれてあった。その何者かが私なんだ。
あえて曖昧でハッキリしない書き方だったのは、伏線として使うためだったのかもしれない。
ホント、有り得ないよね。こんな重い罪が隠されていただなんて……。
血を見るなり気絶してーー……気がついたらデメトリアス家の屋敷にいた。その時に前世の記憶を思い出す。
私はーー……、人殺し、かぁ。
徐々に視界がぼやけ、真っ暗になった。
目を開けるとベッドで寝ていた。
「ああ、良かった。気が付いたのですね」
心配そうに顔を覗き込むアイリス。いつもなら申し訳ないと思うのにそんな感情はなかった。
ぽっかりと穴が空いたみたいに何も思わないし、感じなかった。
私、どうしたんだろうーー……?
何か変だ。
「……うん。私、どうしたの?」
いつもは「ありがとう、心配かけてごめんね」の一言が言えるのに今はそれが言えない。
「クロエ様という方がソフィア様を連れてきてくださいました。同じ女・性・なのに、たくましいですよね」
「女性?」
ああ、そうか。クロエ様は男性にも女性にも成れるんだっけ。
「そっか。ねえ、アイリス、私疲れてるからもう休みたいの」
「かしこまりました」
アイリスは明らかに様子がおかしい私を心配そうに見るが、何も出来そうにないと思ったのか、一礼してから部屋から出ていく。
一人になって、静かになった部屋。
ポロッと一粒の涙が溢れた。
涙を拭いても次から次へと涙が溢れてしまう。
夢だと思いたい。全てが悪い夢なんだって。
そう思いたいのに、やけにあの光景がリアルで夢では無いんだと思わせられる。
嫌だ。嫌だよ。認めたくない!!
こんなの違う!! 私は人殺しじゃないっ!!
人殺しという単語がやけに引っかかる。
以前にも誰かに言われたような……。直後、ズキンッと頭が痛くなる。
まだ思い出さないといけない何かがあるのだと、直感で思った。
その感情と同時に不安と絶望が渦巻き、私の中の黒いものが大きくなっていくのがわかった。
「ダメ! お願い、出てこないで!!」
その黒いものは『闇属性』だ。それが膨れ上がって出ていこうとしている。
私の不安と絶望に反応してしまったんだ。記憶を思い出した今、きっと封印は解けていったんだ。
自ら封印した記憶が封印解除の役目となっている。それはきっと無意識にやってしまったことだ。
周りの人達はみんな優しいから、残酷なことは言わないようにしてくれていたんだ。
わかっているのに、こんな形で真実を知りたくなかったーー……。
闇属性が出てこないように必死に抑えこんだ。今まで、いつでも闇属性の封印が解かれても良いように修行していたおかげだ。
……人を殺し、平然と貴族として暮らして……笑っている。
自分の神経を疑うわ。前にもイアン様を殺そうとしちゃったし。
ーー悪役令嬢そのものね。
私は幸せになんてなっちゃいけない最低な悪女よ。
死亡フラグを回避なんてしちゃいけなかったのかな……。
ーー……これからどうすればいいんだろう。
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