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第十九章 心に封じられた記憶の闇
前言撤回しよう【アレン視点】
鐘の音が聞こえてきた。この場合祝福の鐘になるのだろうが、きっと、人によっては意味が違う鐘の音になっているんだろうな。
ソフィア嬢と別れ、個室でテーブルを挟んで向かい合わせに座って、ずっとルイス子爵と話していた。
ルイス子爵には邪魔されないようにと引き止めて話題を色々と振っていたが、鐘の音が鳴ってしまったのでもう引き止めるのは無理だろう。
「鐘の音が鳴ったようだ」
「左様ですね」
……ルイス子爵は我が子の結婚式には興味は無いのだろうな。溺愛していたならば俺の引き止めを上手く交わして様子を見に行くはずだ。
俺が王族の人間だから強く言えないのもあるだろうが、それにしては……焦・り・が見えなかった。
挙動不審になってもおかしくなかったのだが、ルイス子爵が我が子を道具として見ていないというのは本当なのかもしれないな。
アイリス嬢の婚約者も一緒に話をしていたのだが、着替える為、途中で退場した。
会場に向かおうと立ち上がればノックの音がしたので返事をすれば、慌てた様子で入ってきたのは俺の護衛騎士の一人、オリヴァーだった。
護衛騎士は二人共連れてきたのだが、キースは俺の背後にオリヴァーは個室の外にて待機してもらっていた。
オリヴァーは俺に耳打ちをした。その内容を聞いた俺は、口角が上がった。とある物も受け取る。
個室の外にて待機してもらった理由は、無事にソフィア嬢が証拠と破壊したという報告をいつでも受け取るためだ。
ただ、破壊はしてなかったようだが、証拠が見つかったそうだ。
会場に向かう前に軽く問いただしても良いだろう。
「ルイス子爵、最近魔術士の子供の誘拐事件が多いんだ……以前、実験に加担してたと記憶にあるのだが、何か知らないか?」
「さぁ。存じ上げません」
「……そうか。では、これはどう説明する」
そう言って、俺はオリヴァーから受け取った書類と宝石を見せる。
ルイス子爵はピクリと眉間に皺を寄せた。
「これは、何なのでしょう?」
「この宝石には魔力が凝縮してある。そして、この書類には宝石の作り方が書いてあるんだ。知ってるだろう? ルイス子爵邸の倉庫にあったらしい。勝手だが、調べさせてもらったよ。皇帝からは許可を貰ってるからね」
「そんな馬鹿な!!?」
ルイス子爵は勢いよく立ち上がって捲し立てた。
「倉庫は二十結界を張ってある。結界を破るのは至難の業だ。それに確かに皇帝からの申請で了承したからこそ、移動してある。屋敷には倉庫は……」
冷静さを失っていたルイス子爵はそこで何かに気付いたのか、俺を動揺した目で見てきた。
俺はニコッと笑って「捕らえろ」と一言、護衛騎士に告げる。
ルイス子爵が捕えられるのを見ながら、肩をすくめる。
ルイス子爵邸の倉庫は調べてはいない。鎌をかけてみれば、こんなにもあっさりとボロが出るとは思わなかった。
どんな仕組みか知らないが、倉庫内の空間と協会に配置してある倉庫内の空間をそのまま移動したのだろう。
結界を張っていた理由は倉庫を隠す為と魔法石の魔力を外に漏らさない為、か。
よっぽど焦ってたのかもしれないな。人体実験は禁止になった。見つかれば死刑は免れないからな。
ルイス子爵は、自分のことしか頭に無いのか。まぁ、法に裁かれればいいさ。後は皇帝が下すだろう。
さて、会場では、騎士団が乗り込んでる頃か。俺ももうそろそろ行かないと。
「クソっ。もう少しで……あの薄汚れた娘さえ、手に入れていれば、私は爵位が上がっていたんだ」
「薄汚れた?」
「今は公爵となっているが、前までは貧しかったのだろう。汚れた娘が公爵だなんて腹ただしい。だから、私が娘の魔力を不老不死に変えようと思ったのだ。喜ばしいことではないか。クロエ殿で我慢しようとしたのだがね」
両手を後ろで縛られたルイス子爵は自分は何も間違えてないのだと。正しいことをしているのだと、嘲笑う。
「貧民出身な娘が貴族の養子だなどと、図々しいにも程がある。細菌持ちで汚らしいんだ、さぞや性格も我儘で気品が無いのだろうな」
前言撤回しよう。皇帝に任せるまでも無い。
元々皇帝からは何かあれば判断を全て任せると言われていたから、丁度いい機会だ。
「そうか。ルイス殿は人体実験を魔術士の子供を使っていたそうだな……、人体実験がお好きのようだから、細菌の毒素を中和する実験台になってもらおうか。激痛と幻覚が酷いだろうが……最近とある魔導具が開発されてね、虫の息ならば痛みや傷が治るという優れものだ。だから、ルイス殿が死にかかったらすぐにその魔導具を使う」
ただし、その魔導具も使えば副作用があるけど……と、心の中で付け足す。
その副作用で医療にも使えないとして禁止になった道具。たまに悪人の拷問で使われてる。死の恐怖を何回も味わい、かなりの激痛が走るのに決して死なない。
最も、その魔導具は健康な人に使うと無害な為、必ずしも痛みを与えてから使わなくてはいけないけど。
俺のその言葉にさっきまでの威勢はどこにやったのやら、顔面蒼白になった。その意味を一瞬にして理解したようだ。副作用のことは知らないだろうが、噂なら聞いた事があるんだろう。
法なんて生ぬるい。人の命を軽く見ているものには生き地獄を、
ましてや……ソフィア嬢を軽く見た罪は死よりも重いことを残りの人生で身をもって味わえば良い。
ルイス子爵が連れられていくのを見送った俺は、気持ちを切り替えて会場に急いだ。
ソフィア嬢と別れ、個室でテーブルを挟んで向かい合わせに座って、ずっとルイス子爵と話していた。
ルイス子爵には邪魔されないようにと引き止めて話題を色々と振っていたが、鐘の音が鳴ってしまったのでもう引き止めるのは無理だろう。
「鐘の音が鳴ったようだ」
「左様ですね」
……ルイス子爵は我が子の結婚式には興味は無いのだろうな。溺愛していたならば俺の引き止めを上手く交わして様子を見に行くはずだ。
俺が王族の人間だから強く言えないのもあるだろうが、それにしては……焦・り・が見えなかった。
挙動不審になってもおかしくなかったのだが、ルイス子爵が我が子を道具として見ていないというのは本当なのかもしれないな。
アイリス嬢の婚約者も一緒に話をしていたのだが、着替える為、途中で退場した。
会場に向かおうと立ち上がればノックの音がしたので返事をすれば、慌てた様子で入ってきたのは俺の護衛騎士の一人、オリヴァーだった。
護衛騎士は二人共連れてきたのだが、キースは俺の背後にオリヴァーは個室の外にて待機してもらっていた。
オリヴァーは俺に耳打ちをした。その内容を聞いた俺は、口角が上がった。とある物も受け取る。
個室の外にて待機してもらった理由は、無事にソフィア嬢が証拠と破壊したという報告をいつでも受け取るためだ。
ただ、破壊はしてなかったようだが、証拠が見つかったそうだ。
会場に向かう前に軽く問いただしても良いだろう。
「ルイス子爵、最近魔術士の子供の誘拐事件が多いんだ……以前、実験に加担してたと記憶にあるのだが、何か知らないか?」
「さぁ。存じ上げません」
「……そうか。では、これはどう説明する」
そう言って、俺はオリヴァーから受け取った書類と宝石を見せる。
ルイス子爵はピクリと眉間に皺を寄せた。
「これは、何なのでしょう?」
「この宝石には魔力が凝縮してある。そして、この書類には宝石の作り方が書いてあるんだ。知ってるだろう? ルイス子爵邸の倉庫にあったらしい。勝手だが、調べさせてもらったよ。皇帝からは許可を貰ってるからね」
「そんな馬鹿な!!?」
ルイス子爵は勢いよく立ち上がって捲し立てた。
「倉庫は二十結界を張ってある。結界を破るのは至難の業だ。それに確かに皇帝からの申請で了承したからこそ、移動してある。屋敷には倉庫は……」
冷静さを失っていたルイス子爵はそこで何かに気付いたのか、俺を動揺した目で見てきた。
俺はニコッと笑って「捕らえろ」と一言、護衛騎士に告げる。
ルイス子爵が捕えられるのを見ながら、肩をすくめる。
ルイス子爵邸の倉庫は調べてはいない。鎌をかけてみれば、こんなにもあっさりとボロが出るとは思わなかった。
どんな仕組みか知らないが、倉庫内の空間と協会に配置してある倉庫内の空間をそのまま移動したのだろう。
結界を張っていた理由は倉庫を隠す為と魔法石の魔力を外に漏らさない為、か。
よっぽど焦ってたのかもしれないな。人体実験は禁止になった。見つかれば死刑は免れないからな。
ルイス子爵は、自分のことしか頭に無いのか。まぁ、法に裁かれればいいさ。後は皇帝が下すだろう。
さて、会場では、騎士団が乗り込んでる頃か。俺ももうそろそろ行かないと。
「クソっ。もう少しで……あの薄汚れた娘さえ、手に入れていれば、私は爵位が上がっていたんだ」
「薄汚れた?」
「今は公爵となっているが、前までは貧しかったのだろう。汚れた娘が公爵だなんて腹ただしい。だから、私が娘の魔力を不老不死に変えようと思ったのだ。喜ばしいことではないか。クロエ殿で我慢しようとしたのだがね」
両手を後ろで縛られたルイス子爵は自分は何も間違えてないのだと。正しいことをしているのだと、嘲笑う。
「貧民出身な娘が貴族の養子だなどと、図々しいにも程がある。細菌持ちで汚らしいんだ、さぞや性格も我儘で気品が無いのだろうな」
前言撤回しよう。皇帝に任せるまでも無い。
元々皇帝からは何かあれば判断を全て任せると言われていたから、丁度いい機会だ。
「そうか。ルイス殿は人体実験を魔術士の子供を使っていたそうだな……、人体実験がお好きのようだから、細菌の毒素を中和する実験台になってもらおうか。激痛と幻覚が酷いだろうが……最近とある魔導具が開発されてね、虫の息ならば痛みや傷が治るという優れものだ。だから、ルイス殿が死にかかったらすぐにその魔導具を使う」
ただし、その魔導具も使えば副作用があるけど……と、心の中で付け足す。
その副作用で医療にも使えないとして禁止になった道具。たまに悪人の拷問で使われてる。死の恐怖を何回も味わい、かなりの激痛が走るのに決して死なない。
最も、その魔導具は健康な人に使うと無害な為、必ずしも痛みを与えてから使わなくてはいけないけど。
俺のその言葉にさっきまでの威勢はどこにやったのやら、顔面蒼白になった。その意味を一瞬にして理解したようだ。副作用のことは知らないだろうが、噂なら聞いた事があるんだろう。
法なんて生ぬるい。人の命を軽く見ているものには生き地獄を、
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