5 / 10
5
しおりを挟む「いいえ、誤解です! 突き落とされたのではなく、私を助けてくれたのです。……そのせいでクリスチアーヌ様が頭を強く打ってしまって」
オリヴィア様はうるっと涙目になった。
誤解を解こうとしてくれてるのは有難いけど、それ逆効果よ。
「クリスチアーヌ!! オリヴィアをここまで追い詰めるとは……、許さんぞ!!」
追い詰めてないんだけどなぁ……。
「ち、違います。殿下、信じてください」
「いいんだ。オリヴィア……クリスチアーヌに脅されたのだろう?」
この王子様は、どこまでも私を悪者にしたいようね。
まぁ、無理もない……。
二年間、私の試作品(洋菓子)の数々を食べていたせいでぷっくりとした体型を手に入れちゃったものね。
だって「美味しい」なんて言われたら嬉しくなって大量に作っちゃうじゃない。
会う度に気合いを込めた洋菓子を持って行ったのよ。
ついでに生徒会の皆様にも配ったことはあるけど。
泣いて喜ばれたのよね……。前世の記憶を思い出す前は破滅的な料理だったから、無理もないか。
ゲームのシナリオだとヒロインに一目惚れするんだけど、ふくよかになった体型のサミュエル様にオリヴィア様は「痩せた方がいいですよ」なんて、地雷を踏むような言葉を投げつけたのだ。
一目惚れした相手に言われたのが相当ショックらしく、それから何かと理由をつけて私を責めるようになった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
18
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる