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第五話「愛に歳の差なんて関係ない」
しおりを挟む俺たちは洞窟の奥へと進みついには、光が射し込む場所までやってきた。
その光の先は木々が生い茂り、先程までの湿った香りではない、太陽の香りがするような気がした。
空を見上げると朱色に染まった綺麗が広がっていた
「もう……夕方か……」
そう、呟くと宝石(ジュエリー)ちゃんは
「綺麗だねー」
と、言った。
あ、これって、君の方が綺麗だよとか言わないといけないやつ?でも、今の俺にはそんなこと言う自信ねぇし……
「そうだね…」
そうとだけ言って俺たちはその場を去った。
家に帰ると、夕食が並べられていた。どれも見たことのないものばかりだ。
かろうじて好き嫌いがない方なので、残すことなく美味しく頂いた。
夕食を食べ終わり、少しゆっくりしていると、自分の椅子でゆっくりしていたおばあちゃんが俺を呼び掛けた。
側によると
「わしの孫は可愛いかい?」
と、聞かれた。思わず心が読み取られたのかと一瞬冷や汗を書いたが、そんないやらしい質問のはずはないと思い、
「可愛いですね。」
そう答えた。すると
「わしも、こんなに可愛い頃があったのぉ…」
と、ぶつぶつ言い出した。
まぁ、おばあちゃんあるあるなので、適当に聞き流していたが、1つだけ気になることを耳にした。
「わしは20上の夫に出会い大切にされた。」
20の年の差だと…凄い歳の差だな……
「最初はお父が急に連れてきて、不安だったけんど…今思えば、これでよかったと思う」
同じ許嫁なんだ……
「最初はお父の言うことがわからんかったけんど、今は本当にその通りやと思う……
愛に歳の差なんて関係ない。と」
愛に歳の差なんて関係ないのか……
「だから、お主も気になさんな。」
そう言われて俺の思いは変わった。
俺はいつも自分の年齢ばかし気にしていた。小中高と、後輩の女の子に告白した時、毎度断られた。そして、その後はチャットをブロックされたり、あからさまに嫌な顔をされた。それはきっと、歳が離れていることにより、気持ちが悪いと思われてフラれてしまうのだろうと思っていた。しかし、この言葉を聞いた瞬間、涙がこぼれ落ちた。今まで心に纏わりついていた鱗が取れるように。
自分のことを気持ちが悪いと思わない人が少しでも多くいてくれると思うと、自然と、先程までの葛藤が馬鹿らしく思えた。
愛に歳の差なんて関係ない。この言葉を胸にこれから、この島で強く生きようとそう決心したのだった。
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