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#♡ 悪女 悪女 悪女 悪女 ♪
信じるものは 〇われる
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アビはとある教団のアジトに連れてこられる。
「クッフッフッフッフ。恐るべし黒魔術師どもだ。しかし、その魔力は素晴らしい。ぜひとも我が市国で仕えてもらおう。」
「いや!放して!」
「お前に拒否権はない!」
「はなして!」
アビは振りほどこうとするが、無駄なあがきだった。教団のアジトに運ばれたアビは、謎の像の前に出される。
そして、そばにやってきた神官らしき人物の高齢の男がアビの前に近づき、アビをあごを掴み持ち上げる。神官の指にアビの頬は挟まれ、アビは神官を鋭くにらむ。
「ふむ、悪くない。大聖女の器になるのだ。第一印象は大事だからな。顔も良くないといけない。」
神官は意味不明な発言をしマナの顔を確認し体も見る。
「健康だな。良だ。」
すると、アビは神官の顔に唾を吹きかけた。
「プッ。」
神官は、頬についた唾をハンカチで拭き取り、しゃべる。
「後はこの器にふさわしい神の子を入れるだけだ。」
儀式の準備にとりかかり、アビは、教団により新たなメンバーのための器にされそうになる。
「さあ、この肉の袋に!神の子を入れるのだ!」
「女神アーリアよ!今こそ天よりこの地をお救いのために、あなたに仕える神の子を、この者に与えたまえぇ!」
などと訳の分からない事を言い儀式が進む。
アビは儀式の最中も暴れだす。
「いやよ!やっと手に入れた体よ!この体で勇者シシスを殺して、人間どもを支配したいんだから!」
しかし、神官は見も向きもせず儀式を続ける。すると。
扉が思いっきり開き、部屋中に響く。神官は儀式の最中で腹を立てている。
「何事だね。儀式の最中だぞ。」
開いた扉から駆け寄ってきたのは、スーツを着た男性。その男性は急ぎで走ってきたのか息切れ気味でしゃべる。
「も、申し訳ありません。それと、なんとか間に合いました。」
男の発言に神官は首をかしげる。
「間に合うとは?」
男は神官に伝える。
「あなたのひ孫娘のアリヤが意識を取り戻し、たった今馬車で送ってまいりました。」
すると、それを聞いた神官は驚きを見せる。
「本当か?!それで?私のアリヤは?」
「こちらです。」
男の後から、一人の少女が入ってくる。
「ただいま、おじいさま。アリヤ、完治にはなりませんが、戻ってまいりました。」
神官は涙を流し声をあげる。
「うおおおお!アリヤ!アリヤーーー!」
感動の再開。神官は意識を取り戻したアリアを抱いて喜ぶ。一方マナは囚われの身で正直喜べる感じではない。アビが、神官とアリヤの二人の様子を見ていると、アリヤが恐ろしいことを言う。
「おじいさま。今、新たな器を用意してくださっているのですよね?」
「うむ、そうだが?」
するとなにかをひらめいたのか神官は邪悪な笑みを浮かべる。
「なるほど。そういうことか。」
「そういう事ですわ。おじいさま。」
神官はなにを企んでいるのであろう。
「おじいさま。この者の体がほしいですわ。」
アリヤはアビの体を指名する。
「ほう、確かに人間には習得できない魔力を持っているが…。」
「我々の教えは、人類をより、神に近づける事。我々は完璧な存在にならねばならないのです。」
「うむ。わかった。黒魔術の忌み嫌われ者だが、我々がその罪を取り込み浄化することが、我々の本来の教えだ。私の私情を持ってきてしまいすまない。」
「いいのです。では、はじめてよろしいのですか?」
「うむ、良いぞ。」
すると、アリヤはマナの前に立つ。アビは信徒に拘束されて動けない。
アリヤは自分の頬に浮かぶ黒いあざを見せる。
「これがなにかおわかりですか?」
アビは訳が分からず様子を見る。
「これはあなたにつけられた呪いです。彼らは全ての人間を自分たちの眷属にしようと、そして、この教団の力を弱めようと神官のひ孫の娘であるわたしを狙ったのです。この強力な呪いのせいでわたしは生と死の境をさまよっていました。しかし、こうして意識を取り戻したのは、神の慈悲。これからも私は神の導くままに生きます。こう話している間にも浸食は始まっています。しかし、これはあくまで人間だから受ける呪いであり、黒魔術師にとっては一部と変わりません。」
アリヤはさらにしゃべる。
「これから、あなたと一つになり、あなた自身になることで、この呪いはなくなるでしょう。」
すると、アリヤは私情を語り終えると急に苦しみだしもがきはじめる。
「うごっ!おふッ!もう呪いが…!」
アビは苦しむアリアを見る。
「へ?」
すると、アリヤは人型を崩しかける。
「…え?…え?」
形を崩してもなお意識を持っているアリヤ。これは神の慈悲だろうか。
「さあ、わたしと一つになりましょう。」
崩れたうねうねと動く影がマナに近づく。アビはこの世と思えない物体を前に青ざめる。
「ぎぃやぁああああああ!」
これがアビの意志による最後の悲鳴だった。そして…。
更衣室には、青色のカラーがメインのお召し物を着ている謎の女性がいた。皮をなめした高級ブーツをはいている女性は、どこかで見たことのあろう、アリヤのヘアバンドを自分の髪に通して髪型を整えていた。そして、修道女がかぶってそうなものをかぶり、鏡の前に立つ。
身だしなみをチェックしているようだ。身振り素振りして身だしなみをチェックすると次は顔を確認する。
鏡に映っているのは、アリヤでもアビでもない。しかし両方の面影を持っているような謎の少女だ。
そして、扉が開き、高級ブーツをはいた謎の女性が、神官とスーツの男性がいる部屋に入ってきた。
「お待たせいたしました。」
「おおお!似合っているぞアリヤ。」
「アリヤ様。新たなご誕生おめでとうございます。」
神官とスーツの男の前にこの教団の聖女の格好をした女性がいる。
神官は満足そうに着物の事を言う。
「さて、着物のサイズは問題なさそうだ。」
スーツの男は次の儀式の準備を持ちかける。
「いよいよ、体にある悪いものを取り出さなくてなりませんね。」
神官はスーツの男の言葉にうなずき答える。
「その通りだ。」
そして、アリヤは次の儀式のためにある場所に向かった。そして、服を脱ぎ全裸になると、信徒に囲まれた中央で床に膝をつき、両手を合わせ神に祈る。
囲んでいる信徒はなにやら聖水と思われる水をアリヤにかける。
しばらく祈っているとアリヤは苦しみだした。
「…ぐっ!…ぅぐっ…!」
そして、アリヤは口から謎の物体を吐き出した。
「おぇぇぇ~…。」
アリヤの手には謎の肉片が零れ落ちる。
それからアリヤは、この肉片を地に返そうと信徒の間で呼ばれる神の涙という小さな滝の泉に流そうとする。しかし、アリヤは手を止める。
神官はアリヤに尋ねる。
「どうした?」
すると、アリヤは常人にはわからない謎の発言をする。
「おじいさま。この者の肉体は罪そのもの。しかし、この者の魂という罪も浄化するのも、さらなる高みのためにもこの罪と生きなければなりません。」
「う…うぅ~ん…わたしは…お前でなければならんのだ…。」
神官はためらうように言う。すると、アリヤは何かの物体を見ているかのような表情で神官に敵意を見せ、にらみつける。
「いくら神官の地位を持っているとしても、教えを背く行為は許しません。」
神官は、アリヤの威圧におされ、発言を控える。
「ぅ…。」
アリヤはその肉片を包むように持ち上げ口元に持っていく。
「さあ、罪よ。見ただけでわかります。あなたは自分の野望のために多くの人の命をゴミのように扱い、殺しています。そして、好きな主のために黒魔術で多くの人々を苦しめてきました。」
アリヤは続けて肉片に語る。
「さあ罪よ、もう一度一つになり、完全になりましょう。今度はより深く、より一つに…。」
アリヤはその肉片を飲み込む。常人にはわからない謎の行為を眺める信徒は涙をこらえながら見ていた。
そして、ついに変化は訪れた…。
「…ッ!…うあ…!」
アリヤの苦しむ姿を見て神官は気にかける。
「アリヤ!」
しかし、アリヤは神官の言葉に耳を貸さず訳の分からない発言をする。
「ああ…!罪が…!わたしとまじわろうとしている…!…くっ…!ああああああ…!」
神官は苦しむアリヤを見て吐き出させようと声をかける。
「アリヤ!はくんだ!そんな汚いものを取り込むには、お前には早すぎたんだ…!」
しかし、アリヤは、声をかける神官を突き飛ばす。
「うるさい!」
神官は突き飛ばされ床に尻もちをつく。
「く!アリヤ…。」
神官は自分の気持ちがなぜ伝わらないのかアリヤを眺めて訴える。
「おじいさま。これは人類が向き合わざるへない罪。これを隠しても、グノーシスは同じ過ちを犯すでしょう。」
神官はアリヤの言葉に胸を打たれる。
「アリヤ…。」
アリヤはさらに苦しみだす。
「……ッ!グア…ッ!痛みが…!罪が…!ドスグロイ何かが…!生物濃縮のように合わさり混ざった強力な罪が…!私の体をまわり…………溶けていくぅ!」
神官は罪を引き受けるアリヤを見て涙を流す。
「アリヤ…。」
そして…儀式が終わり教団の修道女の服に着替えたアリヤは、神官や信徒たちとともに敵対勢力であるタマネギ団に喧嘩を仕掛けることを始める。
アリヤは、信徒たちの前で演説する。
「この者の魂は、わたしと一つになり運命を共にしました。さあ、神の子らよ。これより魔族を討ち滅ぼしましょう!そして、悪しきタマネギ団を滅ぼし、人類再構築を始めるのです!」
信徒たちは喜びの表情で熱心に聞く。
「我らの教えに背く者には、神から受けた肉の袋を返していただき、我々と共存するのです!」
アリヤの演説に信徒たちは歓喜をあげる。
「うおおおおおお!」
アリヤの演説の後、ノルマン教は本気でタマネギ団の一掃と、再構築化を図ろうとしていた。そのころ、アリアは…。
「ン…ンン……はぁ…。」
鏡の前で自分を慰めていた。アリヤは自分を慰めながら独り言をつぶやく。
「ああ…なんて恐ろしい罪…。悪い知識が次から次へと流れてくる…。アリヤとしての意識が…もしくは悪い知識のせいでろくな考えをしなくなったのか…体が…あらゆる情報や精神が混ざっていく…!あああああ…!」
アリヤは罪と向き合い声を上げる。
「ああ…なんていけない事を…。教えでは、やってはいけない行為なのに…。ああ…お師匠様…おじいいさま……わたし……気づかないうちにこんなに悪いことを…ンン…ンン!。わたし、自分を慰めて人を殺すような悪い人みたいです…。」
アリヤは罪を受け入れ、快楽を得る。
「アアッ!わたしの中の罪が……わたしの心を……体を蝕んでいく……!……罪が……!」
アリヤは、アビと完全に融合することにより、以前の自身より遥かに凌駕した自分を実感する。
「これが本当の私……。」
アリヤは自分に酔っていた。
アビを取り込んだアリヤは、世界征服のため、行動を開始する。
「まずは……皇帝を殺しますか……」
アリヤは、帝都に戻る。
「皇帝!覚悟なさい!」
アリヤは剣を抜き、皇帝を殺そうとするが……。
「フン、なんともたやすい攻撃よ、そして帰ってきたな…アビ」
「あなたは…!あなたさまは…!バルバロッサさま…!」
「フフ、アビよ、少し変わったな?だが、わたしはすぐにお前だとわかったぞ?では、さっそく、本当のお前を呼び出さなくてはな?」
バルバロッサは、アリヤに手をかざし、邪悪な稲妻を浴びせる。
「うわぁああああああああ!!」
「そのからだを捨てろ。わたしがまた一からお前を新しく作り直してやる」
「…うが…!……いや………」
「?」
「必要ない…わたしが……おまえを超えるからだーーッ!!」
「なに?!!」
「やあ!!」
アリヤは、衝撃波を放ち、バルバロッサを吹き飛ばす。
「ほう……さすがにしぶといな……まだ生きているか……」
アリヤは、剣を構え、バルバロッサに向かっていく。
「さようなら バルバロッサさま。わたしが次の支配者になるの」
「フッ、ククク…アビよ…今のお前がますますほしくなったぞ…」
「へぇぇ……それじゃあ、わたしを倒さないといけませんね」
「アビよ……わたしとともに来ないか?後の栄達は思うがままだぞ?」
「ふふ♪弱い奴は興味ないの♪死になさい!」
なんとアビはバルバロッサの支配を拒否した!それを見たバルバロッサは興味深そうに見る。
「ほぉおう、あまりにも強くなってしまって、誰が主人か忘れてしまったようだなぁ?」
「黙れ……お前も殺してやる……」
「フン、いいだろう。かかってこい。」
「はあああああ!!!」
アリヤの剣技は格段に上がっており、バルバロッサは劣勢に追い込まれる。しかし、バルバロッサは不敵な笑みを浮かべている。
なんと!これはバルバロッサの罠だったのだ!
「うわあああああ!」
「クックックック。」
「…ああ……」
「さあどうする?わたしのシモベになるか?」
「…こ…ここは……?」
「ん?」
「お師匠様?どうして私はここに?」
「アビなのか?」
なんという事か、バルバロッサの攻撃でアビの精神が覚醒したのだ
「おまえがもう一人の女に支配されていてな、わたしの手間をかけさせたのだ」
するとアビは詫びるようにバルバロッサに頭を下げる
「も…もうしわけありません……!お師匠様に歯向かってしまって……!」
「フッフッフッフッフいいんだ。さあ、こっちに来い、アビ」
バルバロッサは両手を広げる。
「はい!お師匠様!」
アビはバルバロッサに飛びつく。
「ふふ…ん?」
しかしバルバロッサは妙な違和感を感じた。
腹部に冷たい感触。視線を降ろすと、下見た笑みでこちらを見つめるアビの姿が。
「フッフッフッフ……私はあなたの愛弟子を取り込んだのよ?あなたを騙すのは簡単よ」
「くっ!人間め……よりずる賢くなったのか…!うれしいぞ…!」
バルバロッサは喜ぶ。
アリヤの口から言葉が発せられる。
「あなたの知っている愛弟子の言葉で お別れしてあげる
さようなら、マスター♪」
「フフ……人間の女よ、今のお前なら、この世界を支配するのもたやすいだろう…しかし…いずれは蘇って…次こそは…」
バルバロッサは姿を保てず消える。
そして一人立つアリヤは勝利を実感した。
「フフ……フフフフ………アッハッハッハッハッハ!!」
アリアの笑い声が響き渡る。
「アハハハハはぁ……」
アリアは自分のカラダとなった己の両手を見る。
「フフフフフフ」
アリアは歓喜の声を上げる。
「やった……ついにやった……!わたしは勝ったんだ……!」
アリヤは、喜びを噛み締める。
「……でもまだまだ足りない……。この世界を支配し、神になるためには……」
すると、アリヤのおじが現れる。
「アリヤー無事かー!」
アリヤは、アリヤのおじを見て考える。
(この男を最大限に利用するか…)
アリヤのおじは、アリヤを抱く。アリヤは、アリヤらしく振舞う。
「よくやった!アリヤ!」
「フフ…苦しいですよ…おじいさま」
「ああ…すまない」
アリヤのおじは、アリヤから離れると、アリヤは、おじの腕を掴み、自分の胸に押し当てた。
「……おい?」
「フフ……もっと……ぎゅっと抱きしめてください……」
「ああ……」
アリヤのおじはアリヤを抱き寄せる。
「フフ……」
「アリヤ…これからも、わたしのアリヤでいてくれ……」
アリヤのおじのこの発言は、アリヤへの愛でもあり、裏を返せば、アリヤの言いなりになりうる危険性もあった。
「もちろんです、おじいさま。これからもずっと…一緒ですよ…?」
アリヤはおじに見えないように下見た笑みを浮かべていた…。
「クッフッフッフッフ。恐るべし黒魔術師どもだ。しかし、その魔力は素晴らしい。ぜひとも我が市国で仕えてもらおう。」
「いや!放して!」
「お前に拒否権はない!」
「はなして!」
アビは振りほどこうとするが、無駄なあがきだった。教団のアジトに運ばれたアビは、謎の像の前に出される。
そして、そばにやってきた神官らしき人物の高齢の男がアビの前に近づき、アビをあごを掴み持ち上げる。神官の指にアビの頬は挟まれ、アビは神官を鋭くにらむ。
「ふむ、悪くない。大聖女の器になるのだ。第一印象は大事だからな。顔も良くないといけない。」
神官は意味不明な発言をしマナの顔を確認し体も見る。
「健康だな。良だ。」
すると、アビは神官の顔に唾を吹きかけた。
「プッ。」
神官は、頬についた唾をハンカチで拭き取り、しゃべる。
「後はこの器にふさわしい神の子を入れるだけだ。」
儀式の準備にとりかかり、アビは、教団により新たなメンバーのための器にされそうになる。
「さあ、この肉の袋に!神の子を入れるのだ!」
「女神アーリアよ!今こそ天よりこの地をお救いのために、あなたに仕える神の子を、この者に与えたまえぇ!」
などと訳の分からない事を言い儀式が進む。
アビは儀式の最中も暴れだす。
「いやよ!やっと手に入れた体よ!この体で勇者シシスを殺して、人間どもを支配したいんだから!」
しかし、神官は見も向きもせず儀式を続ける。すると。
扉が思いっきり開き、部屋中に響く。神官は儀式の最中で腹を立てている。
「何事だね。儀式の最中だぞ。」
開いた扉から駆け寄ってきたのは、スーツを着た男性。その男性は急ぎで走ってきたのか息切れ気味でしゃべる。
「も、申し訳ありません。それと、なんとか間に合いました。」
男の発言に神官は首をかしげる。
「間に合うとは?」
男は神官に伝える。
「あなたのひ孫娘のアリヤが意識を取り戻し、たった今馬車で送ってまいりました。」
すると、それを聞いた神官は驚きを見せる。
「本当か?!それで?私のアリヤは?」
「こちらです。」
男の後から、一人の少女が入ってくる。
「ただいま、おじいさま。アリヤ、完治にはなりませんが、戻ってまいりました。」
神官は涙を流し声をあげる。
「うおおおお!アリヤ!アリヤーーー!」
感動の再開。神官は意識を取り戻したアリアを抱いて喜ぶ。一方マナは囚われの身で正直喜べる感じではない。アビが、神官とアリヤの二人の様子を見ていると、アリヤが恐ろしいことを言う。
「おじいさま。今、新たな器を用意してくださっているのですよね?」
「うむ、そうだが?」
するとなにかをひらめいたのか神官は邪悪な笑みを浮かべる。
「なるほど。そういうことか。」
「そういう事ですわ。おじいさま。」
神官はなにを企んでいるのであろう。
「おじいさま。この者の体がほしいですわ。」
アリヤはアビの体を指名する。
「ほう、確かに人間には習得できない魔力を持っているが…。」
「我々の教えは、人類をより、神に近づける事。我々は完璧な存在にならねばならないのです。」
「うむ。わかった。黒魔術の忌み嫌われ者だが、我々がその罪を取り込み浄化することが、我々の本来の教えだ。私の私情を持ってきてしまいすまない。」
「いいのです。では、はじめてよろしいのですか?」
「うむ、良いぞ。」
すると、アリヤはマナの前に立つ。アビは信徒に拘束されて動けない。
アリヤは自分の頬に浮かぶ黒いあざを見せる。
「これがなにかおわかりですか?」
アビは訳が分からず様子を見る。
「これはあなたにつけられた呪いです。彼らは全ての人間を自分たちの眷属にしようと、そして、この教団の力を弱めようと神官のひ孫の娘であるわたしを狙ったのです。この強力な呪いのせいでわたしは生と死の境をさまよっていました。しかし、こうして意識を取り戻したのは、神の慈悲。これからも私は神の導くままに生きます。こう話している間にも浸食は始まっています。しかし、これはあくまで人間だから受ける呪いであり、黒魔術師にとっては一部と変わりません。」
アリヤはさらにしゃべる。
「これから、あなたと一つになり、あなた自身になることで、この呪いはなくなるでしょう。」
すると、アリヤは私情を語り終えると急に苦しみだしもがきはじめる。
「うごっ!おふッ!もう呪いが…!」
アビは苦しむアリアを見る。
「へ?」
すると、アリヤは人型を崩しかける。
「…え?…え?」
形を崩してもなお意識を持っているアリヤ。これは神の慈悲だろうか。
「さあ、わたしと一つになりましょう。」
崩れたうねうねと動く影がマナに近づく。アビはこの世と思えない物体を前に青ざめる。
「ぎぃやぁああああああ!」
これがアビの意志による最後の悲鳴だった。そして…。
更衣室には、青色のカラーがメインのお召し物を着ている謎の女性がいた。皮をなめした高級ブーツをはいている女性は、どこかで見たことのあろう、アリヤのヘアバンドを自分の髪に通して髪型を整えていた。そして、修道女がかぶってそうなものをかぶり、鏡の前に立つ。
身だしなみをチェックしているようだ。身振り素振りして身だしなみをチェックすると次は顔を確認する。
鏡に映っているのは、アリヤでもアビでもない。しかし両方の面影を持っているような謎の少女だ。
そして、扉が開き、高級ブーツをはいた謎の女性が、神官とスーツの男性がいる部屋に入ってきた。
「お待たせいたしました。」
「おおお!似合っているぞアリヤ。」
「アリヤ様。新たなご誕生おめでとうございます。」
神官とスーツの男の前にこの教団の聖女の格好をした女性がいる。
神官は満足そうに着物の事を言う。
「さて、着物のサイズは問題なさそうだ。」
スーツの男は次の儀式の準備を持ちかける。
「いよいよ、体にある悪いものを取り出さなくてなりませんね。」
神官はスーツの男の言葉にうなずき答える。
「その通りだ。」
そして、アリヤは次の儀式のためにある場所に向かった。そして、服を脱ぎ全裸になると、信徒に囲まれた中央で床に膝をつき、両手を合わせ神に祈る。
囲んでいる信徒はなにやら聖水と思われる水をアリヤにかける。
しばらく祈っているとアリヤは苦しみだした。
「…ぐっ!…ぅぐっ…!」
そして、アリヤは口から謎の物体を吐き出した。
「おぇぇぇ~…。」
アリヤの手には謎の肉片が零れ落ちる。
それからアリヤは、この肉片を地に返そうと信徒の間で呼ばれる神の涙という小さな滝の泉に流そうとする。しかし、アリヤは手を止める。
神官はアリヤに尋ねる。
「どうした?」
すると、アリヤは常人にはわからない謎の発言をする。
「おじいさま。この者の肉体は罪そのもの。しかし、この者の魂という罪も浄化するのも、さらなる高みのためにもこの罪と生きなければなりません。」
「う…うぅ~ん…わたしは…お前でなければならんのだ…。」
神官はためらうように言う。すると、アリヤは何かの物体を見ているかのような表情で神官に敵意を見せ、にらみつける。
「いくら神官の地位を持っているとしても、教えを背く行為は許しません。」
神官は、アリヤの威圧におされ、発言を控える。
「ぅ…。」
アリヤはその肉片を包むように持ち上げ口元に持っていく。
「さあ、罪よ。見ただけでわかります。あなたは自分の野望のために多くの人の命をゴミのように扱い、殺しています。そして、好きな主のために黒魔術で多くの人々を苦しめてきました。」
アリヤは続けて肉片に語る。
「さあ罪よ、もう一度一つになり、完全になりましょう。今度はより深く、より一つに…。」
アリヤはその肉片を飲み込む。常人にはわからない謎の行為を眺める信徒は涙をこらえながら見ていた。
そして、ついに変化は訪れた…。
「…ッ!…うあ…!」
アリヤの苦しむ姿を見て神官は気にかける。
「アリヤ!」
しかし、アリヤは神官の言葉に耳を貸さず訳の分からない発言をする。
「ああ…!罪が…!わたしとまじわろうとしている…!…くっ…!ああああああ…!」
神官は苦しむアリヤを見て吐き出させようと声をかける。
「アリヤ!はくんだ!そんな汚いものを取り込むには、お前には早すぎたんだ…!」
しかし、アリヤは、声をかける神官を突き飛ばす。
「うるさい!」
神官は突き飛ばされ床に尻もちをつく。
「く!アリヤ…。」
神官は自分の気持ちがなぜ伝わらないのかアリヤを眺めて訴える。
「おじいさま。これは人類が向き合わざるへない罪。これを隠しても、グノーシスは同じ過ちを犯すでしょう。」
神官はアリヤの言葉に胸を打たれる。
「アリヤ…。」
アリヤはさらに苦しみだす。
「……ッ!グア…ッ!痛みが…!罪が…!ドスグロイ何かが…!生物濃縮のように合わさり混ざった強力な罪が…!私の体をまわり…………溶けていくぅ!」
神官は罪を引き受けるアリヤを見て涙を流す。
「アリヤ…。」
そして…儀式が終わり教団の修道女の服に着替えたアリヤは、神官や信徒たちとともに敵対勢力であるタマネギ団に喧嘩を仕掛けることを始める。
アリヤは、信徒たちの前で演説する。
「この者の魂は、わたしと一つになり運命を共にしました。さあ、神の子らよ。これより魔族を討ち滅ぼしましょう!そして、悪しきタマネギ団を滅ぼし、人類再構築を始めるのです!」
信徒たちは喜びの表情で熱心に聞く。
「我らの教えに背く者には、神から受けた肉の袋を返していただき、我々と共存するのです!」
アリヤの演説に信徒たちは歓喜をあげる。
「うおおおおおお!」
アリヤの演説の後、ノルマン教は本気でタマネギ団の一掃と、再構築化を図ろうとしていた。そのころ、アリアは…。
「ン…ンン……はぁ…。」
鏡の前で自分を慰めていた。アリヤは自分を慰めながら独り言をつぶやく。
「ああ…なんて恐ろしい罪…。悪い知識が次から次へと流れてくる…。アリヤとしての意識が…もしくは悪い知識のせいでろくな考えをしなくなったのか…体が…あらゆる情報や精神が混ざっていく…!あああああ…!」
アリヤは罪と向き合い声を上げる。
「ああ…なんていけない事を…。教えでは、やってはいけない行為なのに…。ああ…お師匠様…おじいいさま……わたし……気づかないうちにこんなに悪いことを…ンン…ンン!。わたし、自分を慰めて人を殺すような悪い人みたいです…。」
アリヤは罪を受け入れ、快楽を得る。
「アアッ!わたしの中の罪が……わたしの心を……体を蝕んでいく……!……罪が……!」
アリヤは、アビと完全に融合することにより、以前の自身より遥かに凌駕した自分を実感する。
「これが本当の私……。」
アリヤは自分に酔っていた。
アビを取り込んだアリヤは、世界征服のため、行動を開始する。
「まずは……皇帝を殺しますか……」
アリヤは、帝都に戻る。
「皇帝!覚悟なさい!」
アリヤは剣を抜き、皇帝を殺そうとするが……。
「フン、なんともたやすい攻撃よ、そして帰ってきたな…アビ」
「あなたは…!あなたさまは…!バルバロッサさま…!」
「フフ、アビよ、少し変わったな?だが、わたしはすぐにお前だとわかったぞ?では、さっそく、本当のお前を呼び出さなくてはな?」
バルバロッサは、アリヤに手をかざし、邪悪な稲妻を浴びせる。
「うわぁああああああああ!!」
「そのからだを捨てろ。わたしがまた一からお前を新しく作り直してやる」
「…うが…!……いや………」
「?」
「必要ない…わたしが……おまえを超えるからだーーッ!!」
「なに?!!」
「やあ!!」
アリヤは、衝撃波を放ち、バルバロッサを吹き飛ばす。
「ほう……さすがにしぶといな……まだ生きているか……」
アリヤは、剣を構え、バルバロッサに向かっていく。
「さようなら バルバロッサさま。わたしが次の支配者になるの」
「フッ、ククク…アビよ…今のお前がますますほしくなったぞ…」
「へぇぇ……それじゃあ、わたしを倒さないといけませんね」
「アビよ……わたしとともに来ないか?後の栄達は思うがままだぞ?」
「ふふ♪弱い奴は興味ないの♪死になさい!」
なんとアビはバルバロッサの支配を拒否した!それを見たバルバロッサは興味深そうに見る。
「ほぉおう、あまりにも強くなってしまって、誰が主人か忘れてしまったようだなぁ?」
「黙れ……お前も殺してやる……」
「フン、いいだろう。かかってこい。」
「はあああああ!!!」
アリヤの剣技は格段に上がっており、バルバロッサは劣勢に追い込まれる。しかし、バルバロッサは不敵な笑みを浮かべている。
なんと!これはバルバロッサの罠だったのだ!
「うわあああああ!」
「クックックック。」
「…ああ……」
「さあどうする?わたしのシモベになるか?」
「…こ…ここは……?」
「ん?」
「お師匠様?どうして私はここに?」
「アビなのか?」
なんという事か、バルバロッサの攻撃でアビの精神が覚醒したのだ
「おまえがもう一人の女に支配されていてな、わたしの手間をかけさせたのだ」
するとアビは詫びるようにバルバロッサに頭を下げる
「も…もうしわけありません……!お師匠様に歯向かってしまって……!」
「フッフッフッフッフいいんだ。さあ、こっちに来い、アビ」
バルバロッサは両手を広げる。
「はい!お師匠様!」
アビはバルバロッサに飛びつく。
「ふふ…ん?」
しかしバルバロッサは妙な違和感を感じた。
腹部に冷たい感触。視線を降ろすと、下見た笑みでこちらを見つめるアビの姿が。
「フッフッフッフ……私はあなたの愛弟子を取り込んだのよ?あなたを騙すのは簡単よ」
「くっ!人間め……よりずる賢くなったのか…!うれしいぞ…!」
バルバロッサは喜ぶ。
アリヤの口から言葉が発せられる。
「あなたの知っている愛弟子の言葉で お別れしてあげる
さようなら、マスター♪」
「フフ……人間の女よ、今のお前なら、この世界を支配するのもたやすいだろう…しかし…いずれは蘇って…次こそは…」
バルバロッサは姿を保てず消える。
そして一人立つアリヤは勝利を実感した。
「フフ……フフフフ………アッハッハッハッハッハ!!」
アリアの笑い声が響き渡る。
「アハハハハはぁ……」
アリアは自分のカラダとなった己の両手を見る。
「フフフフフフ」
アリアは歓喜の声を上げる。
「やった……ついにやった……!わたしは勝ったんだ……!」
アリヤは、喜びを噛み締める。
「……でもまだまだ足りない……。この世界を支配し、神になるためには……」
すると、アリヤのおじが現れる。
「アリヤー無事かー!」
アリヤは、アリヤのおじを見て考える。
(この男を最大限に利用するか…)
アリヤのおじは、アリヤを抱く。アリヤは、アリヤらしく振舞う。
「よくやった!アリヤ!」
「フフ…苦しいですよ…おじいさま」
「ああ…すまない」
アリヤのおじは、アリヤから離れると、アリヤは、おじの腕を掴み、自分の胸に押し当てた。
「……おい?」
「フフ……もっと……ぎゅっと抱きしめてください……」
「ああ……」
アリヤのおじはアリヤを抱き寄せる。
「フフ……」
「アリヤ…これからも、わたしのアリヤでいてくれ……」
アリヤのおじのこの発言は、アリヤへの愛でもあり、裏を返せば、アリヤの言いなりになりうる危険性もあった。
「もちろんです、おじいさま。これからもずっと…一緒ですよ…?」
アリヤはおじに見えないように下見た笑みを浮かべていた…。
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