悪役令嬢の乗っ取り

nekomaru

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異世界の勇者と魔王

再会その2

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モーリスの野望が打ち砕かれ、なんだかんだあってそれから、しばらくした日。
あきれるほど平和な日を送るココロランド。そこにはある王様が国を支配しており、国民たちはいつも通り平和な日々を過ごすはずだった…。

ココロランドの玉間にてデビット王と側近の男がなにやら怪しい話をしていた。
「おい、スカルゴ」
「はい陛下」
「あのピンク頭を最近見かけんぞ」
「そうでげすねぇ、行方を暗ましてから数年、奴は陛下が多少の悪さをしても、一度も姿を見せていません」
「誘拐か?」
「さあ?」
「国外に行ったか?」
「ふぅん…」
「凄腕の殺し屋にやられたか?」
「どうでしょう?」
「クックックックック!」
「キッヒッヒッヒッヒ!」
二人の男は悪だくみする。
「ぶぅわぁああああっはっはっはっはっはっは!」
「あーーーーーーっはっはっはっはっはっは!」
彼の名はデビット。このココロランドを支配する王様。見た目は、勇者を召喚しようとするメジャーな老いた王様だが、性格はいじわるである。そして片方の男は、ひげを稲妻のような形にしているおじさんだ。
デビット王は口角をつりあげ目標を言う。
「スカルゴ、わしの長年の目標を今こそ実行すべき時が来たぞ」
「奴に邪魔されてから適うはずだった陛下の悲願…ひっく…」
「これよりココロランドは世界征服を始めるぞ!」
「ヒャッハー!世界征服だぁー!」

ココロランドのとある広場にて
片目に眼帯をつけている茶色い軍服を来た女将校が民たちの前で宣伝していた。
「親愛なるココロランドの民の諸君!我らの人民思いの陛下が、ココロランドの発展と未来のため、世界の枢軸になるため!動きなさった!ココロランドは戦争の準備のため!資金を確保せねばならない!よって!増税をはじめる!」
するとココロランドの民たちが不安になる。
「ええぇええ!増税だってぇ!?」
「そんな金!用意できない!」
「ふざけんな!やりたきゃ勝手にテメエらだけでやってろ!」
すると一発の発砲。静まり返る民衆。
「異論を唱えるものは抵抗の意思があるとして反逆者とみなす!その者は国家の保護する人権がないと思え!他に質問はあるか!」
すると料理人が恐る恐る手を上げる。眼帯を付けた女将校は料理人をにらむ。
「なんだ?」
「あのぉ~。人民と国民の違いってなんです?」
「……以上だ!親愛なる民と労働者たちは持ち場に戻れ!」

それからしてココロランドは兵器の備蓄と兵士の増強に励んでいた。
そのまた翌日、なにやらココロランドで赤い鉢巻をした人たちが城の前でデモを起こしていた!
「戦争ー!ハンターイ!」
「ハンターイ!」
そのデモを見た大王は舌打ちをして嫌悪な態度をとる。
「チッ!愚かな大衆どもめ!」
すると横にいたスカルゴがデビット王の考えをうかがう。
「陛下、いかがなさいますか?」
「ふん、ちょっと嫌がらせすれば逃げていくだろう。ベンダ!」
すると二人の近くで様子を見ていた眼帯の女将校が返事をする!
「はい閣下!」
「城の前でデモをやっている愚か者にちょいと脅しをかけろ」
「具体的には?」
「うん?!?なんでもいい!対空砲なり砲弾なり、銃弾なりなんでも使え!」
「はい!ただちに!」

一発の銃声!デモ隊は困惑する。
「撃ってきたぞ!」
「どうする?やめるか?!」
「臆病者!逃げてどうする!抗え!」
「こんなところ…子どもには見せられないなぁ…」

しばらくすると再び声を上げるデモ隊。
「おいベンダ!空撃ちなんかするな!」
「そうでゲス!デモ隊のリーダーを狙うでゲス!」
「わ、わかりました。狙撃班!デモ隊のリーダーを狙え!」
すると城を守衛している茶色いタイツをはいた男たちと同じ格好をした狙撃銃を持った男たちが持ち場に移動する。
狙撃犯が狙っているのはレーニンそっくりな頭をした男性だ。
「ベンダ隊長」
と狙撃銃でデモ隊のリーダーを狙っている男の兵士が言う。
「なんだ?」
「デモ隊のリーダーですが…ココロランドの住民とは何か違います」
するとデビット王が反応して双眼鏡で見る。
「なにぃ?」
しばらくデモ隊のリーダーを見るデビット王。すると。
「ホントだぁ!知らん奴がいるぞぉ!」
するとエスカルゴが皮肉を言う。
「一人の人間が覚えられる程度の住民の数なんですね…この国…でいかがいたします?」
「ふん!マスゴミまでいるぞ。おそらく他国の陰謀だぁ」
ベンダ隊長は大王に聞く。
「あの男を撃ちますか?」
「待て、他国が絡んでおるんだ。どうせやるならいいパフォーマンスを見せなければな…クフフフ!」
「はぁ…」
スカルゴはデビット王に聞く。
「そのパフォーマンスとは?」
「ワシの飼っているペットのエサにしてやる!」
「それはぁ!見ものですなぁ!」
スカルゴは興奮する!
「な…!ペットのエサですか!なんと残酷な!」
ベンダ隊長は驚く。
「うん?ワシに異論があるのか?」
「い、いえ…素晴らしい判断だと思います…」
「フフフフフ!そうじゃろ?」
するとスカルゴが声をあげる!
「あぁああ!」
「なんぞい!脅かすな!」
「陛下!あそこには青い鉢巻したデモ隊が!」
青い鉢巻をしたデモ隊が叫んでいる。
「民主化をー!オレたちに自由をー!」
デビット王は新たに確認したデモ隊にもしびれを切らす。
「ええぇええい!外国勢力めぇ…!ワシの邪魔をしおって!この国はスパイだらけゾイ!」
スカルゴはベンダ隊長に怒鳴る。
「ベンダ隊長!」
「は、はい…」
「この国の警備はどうなっているんでゲスかー!」
「そ、それは…」
デビット王はベンダ隊長を鋭くにらむ。
「ベンダ隊長…何か言い分はあるか?」
「そのぉ…さくじつ…陛下が費用を抑えるため…沿岸警備隊の活動を昼だけに制限すると…」
「人のせいにするのか?」
「ひぃ!ごもっともでございます!わたくしの油断がココロランドの治安を悪化させたに存じます!」
「うむ、後でペナルティを与えるぞい。だがもし、今回の件を片づけたら、チャラにしてやる」
「ハハ!ありがたき幸せ!ただちに!」
「よし、スカルゴ、ゴルフでもやるか」
「はい陛下」
大王はベンダ隊長に指示する。
「後は任せたぞぉ」
「ハハ!」
ベンダ隊長は敬礼の後、ただちに行動に映った。
「お前たち!陛下に逆らう反逆者ども叩き抑えろ!」
すると城の門が開門したくさんのタイツを着ている警棒を持った男たちが民衆たちに襲い掛かる!
「うわぁああああ!」
「きゃぁああああ!」

翌日…ココロランドの街にたくさんの茶色いタイツをはいた兵士が四輪車に乗ってやってきた。
民たちは色物の物を没収される。
「ああ…ぼく…青が好きだったのにぃ…」
少年の耳元で大王があざ笑うように言う。
「残念でしたー。これからは黒を好きになりましょうねー!」
スカルゴは大王に思いついた事を言う。
「陛下、ついでにピンクも処分しましょう!」
「そうだなぁ!ピンクは不吉な色だからなぁ!ベンダ隊長!」
「はい陛下!」
「処分する色にピンクも追加だ」
「はい!ただちに!」
ベンダ隊長は部下の兵士に指示する!
「お前たち!ピンクも処分の対象になった!民家をくまなく捜査しろ!そして親愛なる市民たちよ!市民を守る兵士たちのため、可能な限り協力するのだ!」
「えぇええ!」
少女が思わず声をだした。するとベンダ隊長が言う。
「そこの少女、黒はいいぞぉ?カッコいいからなぁ!」
「えええ…黒嫌い…怖い…」
スカルゴはベンダ隊長の言葉に加勢する。
「右派ハハハ!そうですよベンダ隊長!ほら!そこの可愛いお嬢ちゃん、よかったら今夜一緒にどう?」
「いやー!」
「ドワハハハハハハハハ!」
するとデビット王がスカルゴの頭をハリセンで叩く。
「イテ!」
「こら、スカルゴ、余計なことをするな!ワシらは紳士的な組織だからなぁ?」
「アハ?アハハハ」
「ぶぅわぁああああああっはっはっはっは!」
デビット王はベンダ隊長に笑顔を見せる。
「ぶぁあああっはっはっはっは!」
「アハ…アハハハハ…ハハハハハ!」

軍備を進めるココロランド。デビット王は城から広大に隊列を組む茶色いタイツを来た兵士たちを眺める。
「素晴らしい光景だ…」
スカルゴは大王にミサイルの状況を報告する。
「陛下、我々が撃ったミサイルですが、隣の大和共和国をこえてユミル合衆国の支配している海に落ちました」
「フフフフ!いいぞいいぞ!その調子だぁ!」
順調な軍事パフォーマンスを楽しむデビット王。軍事パフォーマンスは今、デビットキングの姿を写した大きな旗を行進と共にデビットキングの前に披露される。
「スカルゴ!よい眺めだと思わんか!」
「すばらしい眺めですねぇ陛下!」
すると急報に来た伝達兵に楽しみを邪魔されて機嫌を悪くするスカルゴ。
「なんですかぁ?!今いいところなんですよ!なに?新たに急な来訪の予定者ですと?それは誰なんです?」
二人のやり取りを気にせず軍事パフォーマンスを眺めるデビット王。すると、スカルゴが大きな声を上げる!
「ぎぃえぇえええええ!?」
しかしデビット王には軍事パレードの音楽で耳に入らない。するとスカルゴが、デビットキングの肩を揺さぶる。
「陛下!陛下!」
「んん…なんぞい…今いいところだぞ?」
デビット王はスカルゴに見物を邪魔されて機嫌を悪くする。しかし、スカルゴは絶望と焦りの表情で言う。
「奴が…奴が、このココロランドに向かっております!」
「奴?奴って誰だ?」
「レイチェルです!」
「ほぉあ?!奴が?!何を言っておるんだ?!奴は偉い人間でもなければ貴族でもないだろ!?奴は飼い主の手も噛みつく狂犬ぞい!」
「そ、それがですね…なにやら彼女は…連合王国の王家の血も引いておられる隠れ貴族らしく…それはもう…王家の血を断とうとする暗殺者の魔の手を防ぐための貴族の常用手段で…」
「なんぞ?その、なろう系みたいな成り上がりみたいな展開はぁ?!?」
「なにやら、奴も後日行われる陛下誕生記念会にやってこられると」
「どうりで奴を最近見かけんわけだ。さぞうまい料理を食ったに違いない!ケッ!ワシは元食用に毒を盛る暗殺者の料理人のゲテモノ料理を食っておるんぞ」
「そ、それもそうですが、このココロランドが世界の重要な役目を与えられる機会に奴が来ることが恐ろしいものかと…」
「奴は何を企んでおるんだ…?」
「わかりません…しかし…これは国家存亡の危機です!」
デビット王は右手であごを挟み真剣な表情になる。
「まずいぞ…六歳のガキの時も手に負えられないというのに…」
「どどどど、どうしましょうか!?!」
「うむ、全兵力を使って向かい打つべきか…奴に向かってミサイルを撃つのもいいかもしれん…!」
「大国の偉い人までいるんですよ!そんな事をすれば最悪世界から完全に孤立してしまいます!」
「ふむ、奴が考えてやった行動だと思うか?」
「わかりません…」
「…」
「…」
二人は沈黙の時間を過ごす。そしてデビット王は答えを出した。
「ふん、ワシは奴をよく知っておる。奴はそこまで賢くない」
「そ…そうですよね…。アハ!そのとおりです!何を焦っていたのやら!」
「これで奴もわしらの仲間だ。もうココロランドのゴミどもに肩入れなどしないだろう…。よし、念のために兵士の数を増やせ、あと大量破壊兵器も用意しろ」
「ハハッ!」

それからして、予定通りデビット王の誕生記念会を開催した。
スカルゴはお越しいただいた方に挨拶する。
「みなさん…このココロランドの平和記念、また国家元首誕生記念会へ、はるばる遠いところからお越しくださりありがとうございます。皆さんとの交流が、この記念会が世界平和への一歩になればとわたくしたち、ココロランドの一同は願っております。次は、ココロランドの王、デビット・キングさまよりご挨拶がございます」
デビット王は手極度な緊張のせいか慣れない手つきで紙を開き台本を読む。
「ごほん、えぇえ……本日を持ちまして…いや…ごほん…はるばる遠いところからお越しくださったみなさん…このココロランドにお越しいただきありがとうございます」
デビット王は、今自分がどの文を読めばいいのかわからず、困惑する。しかし、この記念会を無駄にしたくない思いと、神の慈悲か、運が良かったのかなんとか無事に終える。
それからの交流にてデビット王は世界の石油王国や合衆国、連合王国、軍事王国、連邦、人民共和国などその世界で強大な力を持っている国々の偉い方との交流を図る。
警戒心の強い国は外交官のみが来訪するが、デビット王との関係がある国はもっとよくて大統領や国家主席、首相、王子まで来られる。
デビット王は、長年の計画していた国際社会のロケットスタートをきる。

そんなデビット王は、ある女性に目を奪われる。
ピンク色のきれいな髪と透き通るような美しい緑色の瞳をもつその女性はデビット王の目を釘付けにする。
「ごほん…」
デビット王は白いスーツと首に黄色の斑点のある青いリボンを整え、その女性に近づいた。
あろうことかこの男は、その女性に興味を持つ。不死とはいえ、白いひげを生やす男が二十代前半くらいの女性に恋心を抱いているのだ。どう考えても歳の差はありすぎる。
「こほん…こほん…」
デビット王は女性に話しかけるのは初めてだろうか?ベンダには普通に話しかけられるが耐性のない彼は、なにから話せばいいかと考え、小さな咳をしてその女性に自身の存在を教える。
「?」
振り返る女性は遠くから見た時より美しく見え、デビット王は目を大きく見開く。
「ほぉぁぁぁ……」
デビット王はこちらに振り返る女性を見て心奪われる。

おぉ…こんなにも美しい女性が…ワシのものになるとすれば……

デビット王は想像する。彼女を自分のものにした時の王国生活を。ココロランドの民の前で自慢の女をわが物気取りで見せびらかし、高級車の後ろ席で二人で仲良く座っている自分の姿を。
「これは陛下?!」
女性は自分より偉大な存在に緊張しているようだ。
「まあ、まあ。そうかたくなるでない。そなたはどこの者ぞ?」
「わたくし…ゲルダー王国、フランク地方の領地をおさめる領主の娘、レイチェル・ゲルダー・ロゼールと申します。陛下の寛大なるお心に、この平和記念会に招待していただき誠に感謝しております」
「ほうほう、あの辺りは、たしか…領地の権利問題が複雑だったのでは?」
「はい、確かに問題はありましたが、このゲルダー・ロゼールに影響をもたらしていただいた各国の愛する一族たちがお互いの平和のため、ゲルダー・ロゼールに中立を約束された保護領として肩書だけですが、国家としての形を残しております」
「ほほう。たしか…その四つの国同士が戦争状態になると必ずどちらの立場にも参戦してはいけないというものだったかな?」
「はい、おっしゃるとおりです」

その領主の娘がワシのものになれば…間違いなく、ワシの家系に力が入るぞ…。なんといっても、あの四つの大きな両国の王家の血を引く娘…こいつを手に入れさえすれば…

デビット王はかつて、不老不死を求め、ココロランドの民の血を集めようとしたり、多くの自国の貴族を生贄にしようと動いた。しかし、そこにレイチェルという少女が彼の計画を妨害したのだ。
不完全な形で不死を手に入れたデビット王だが、あくまで歳が進まないだけで立派な白髭が今も残っている。彼は幾多者刺客を送るが止めることができず、やがては不死をいいことに少女に挑むが手も足もでずコテンパンにされた。そしてデビット王は暴走ができず、ココロランドは平和な日々が続いたのだ。
しかし、不死と聞いて興味を持たない貴族などいないだろう。それを含め、あらゆる手段で相手が自分を求めるような関係を築く手段をデビット王は計画していた。
まるでそれは、五十代の男に恋をする二十代の女子を描いたような展開を脳裏に描いたもの。

デビット王は欲望を脳裏に浮かべる。しかし、突如としてデビット王の耳につけているマイクから無線が入る。
「陛下!陛下!聞こえますか!」
それは聞きなれた声。エスカルゴの声だ。
「すまない、少し急用のようだ。そのぉ…良ければでいいのだが…待っていただけないか?すぐに終わる」
「どのくらいでしょうか?」
「一分もしない」
「お待ちしております♪」

デビットは彼女に見せないよう今にもキレそうな顔で無線のやり取りを始める。
「なんぞ、今忙しいのだが?」
「陛下!そいつです!そいつが我らの国家的危険人物の奴は!」
「なんぞ?何を言っておる?」
「でぇえぇすかぁらぁああ!今陛下が話しているその女が、あなたの憎き宿敵のレイチェルですよぉおお!」
「は?何を言って…」
「もういいですぅ!知りません!」
切られる無線。スカルゴの雑な対応。しかし、そんなことはどうでもよかった。デビットは困惑していたのだ。
なぜなら、今、自分が目をつけている女性があの憎き敵レイチェルの成長した姿なのだから…。

「ぁ…ぁ…」
デビットはあまりの出来事に言葉がでず、レイチェルを見る。
「終わりましたか?」
レイチェルはデビットをうかがう。
デビットは目の前の出来事について行けず動揺する。

こいつが…レイチェル…こいつが…レイチェル…

デビットは過去を振り返る。どんな願いも適うステッキを独り占めしたときにやられ、軍備増大のため食料を根こそぎ徴収しようとしたら奴に城を破壊され、クーデターが起きて自分の政権が崩壊しそうになった時もクーデター勢力を壊滅させたりと…当時六歳の子とは思えないほどの暴れん坊ぶり。
今その怪物が目の前にいるのだ。見違えるほど美しく。
「陛下?」
レイチェルは陛下の様子を気にかける。
デビットはツバを飲み、素朴な疑問を持ちかける。
「レイチェル…そなた…ココロランドの住民か?」
「はい?」
「いや…ココロランドにいたことはあるか?」
「?え??」
「記憶違いなら、すまないが…前にあったことはあるか?」
「……ぇ」
レイチェルは動揺した。デビットの中途半端で不気味な対応がレイチェルを困惑させる。
デビット王が動揺しているためだが、彼女はそれを知らない。気味の悪いオッサンに嫌悪感を感じるレイチェル。
「ぁ…ぁぁ…すまない…なんでもない。忘れてくれ…」
「……はぁ……」

デビット王は混乱する。

もしやスカルゴの奴…ワシをたぶらかしておるのか?

そんな疑問を胸にとどめるデビット。デビットの背にレイチェルは考える。

なんなの?この気味の悪いオッサンは? 自分とあなたは過去につながりがあるみたいな強調で私を捕まえる気?
                  不愉快 

レイチェルはこの不気味なオヤジに嫌気をさす。しかし、彼の言葉が真実にしろ嘘にしろ頭の片隅から離れない。
よって彼女は、自分のボディとなったレイチェルの脳を確認することにした。
レイチェルは瞳を閉じ、自分のボディとの繋がりを再度図る。

それはココロランドのレイチェルとデビットキングとの衝突。あきれるほど平和なココロランド。三枚舌のスカルゴ。たしかにそれはレイチェルの記憶だった。

こんなところを見落としていたとはね……
もう少し…同化しなくては……

レイチェルの意思は本人のものではないようだ。レイチェルは今度こそ奥深くその体の持ち主の意思と同化を図る。
「……っ…………」
レイチェルは小さくも声にならない甘い声を漏らす。閉じているまぶたの隙間から白い瞳が少し見える。
それから数秒もせず、瞳を開くレイチェル。その瞳は暗黒と邪悪な意思がにじみ出ていた。
獲物を見るような鋭い目つきでデビットの背を見るレイチェル。
レイチェルは邪悪な笑みで確信する。

               こいつはザコだ

レイチェルは背を向けるデビットをとめる。
「陛下」
デビットはレイチェルに呼び止められ振り向く。
「…ン?」
「あのぉ…さきほどは、すぐにお答えできなくて申し訳ありません。その…陛下のおっしゃっていたことですが…あったかもしれません。どんな事かは正確には思い出せないのですが…
わたしのような立場でこんなことを言うのは身勝手かもしれません!しかし、陛下のその意志とやさしさ…
どうか…これからも、わたしのことを……ともだちでもかまいません!どうか…」
レイチェルの言葉にデビットは心打たれる。
「レイチェル……」
デビットはレイチェルに近づく。
「ワシは勘違いしておった… お前のことを… レイチェル…ずっとワシはお前に妙な気持ちを抱いていたかもしれん… 宿敵としてか… 戦友としてか… ワシはお前のことが… 」

レイチェルはデビットの状態を見てにやける。

       ありがとうマリア  このバカおとこ あなたの言っていたセリフに反応しているわ 

彼は間違いなく触れてはいけないものを振れてしまった。猛毒の薔薇のトゲを…。

デビットはレイチェルの手を取ろうとする。
           パシッ
デビットの手はレイチェルにはたかれる。
「勘違いしないでいただけます?あなたみたいな ブサイクで弱いマヌケに 興味をもつ女がいると思いますぅ?思い上がりも腹立たしいです」
「…なっ…!」
デビットはレイチェルの言葉に耳を疑う。デビットは思考が停止していた。すると、足先に痛みが走る。
「……っ……いだっ……?!?」
デビットは自分の足に視線をやる。そこには、レイチェルの履いているハイヒールのヒールがデビットの足を踏みつけていたのだ。

ワシが…なめられている…? いや……ここまでする奴か…?  ワシ…どうすればいいんじゃ… 怒ればいいのか? こんなことされるの…はじめてや… 女に

デビットは目の前の出来事を疑う。自分の知っているレイチェル以上に残酷で非道な女が今目の前にいて、それが今のレイチェルだと。

レイチェルは非情なことを言う。
「気持ち悪いのですが ねぇ? 聞こえてます?」
「ぁ…ぁぁ……ぁぁ」
「聞こえないのですが? 耳はついてます?」
「ぅぁ……  ぁぁぁ………」

デビットは思考が完全に停止している。
レイチェルはデビットの胸ポッケとにあるナフキンを取ると、デビットの手をはたいた自分の手を拭く。

「おかえししますわ」
そしてレイチェルは、そのナフキンをデビットの胸に投げつけた。
ナフキンはデビットの胸に当たり落ちる。

「見かけだけの貧乏人」

それが彼女の別れ際の言葉。
彼女はデビットに背を向け立ち去ろうとする。

デビットは胸に泣きそうな気持がこみあがる。

 なんぞ… なんでワシがここまでやられねばならない? ワシが宿敵だからか? ワシにも非があったからか? あったかもしれん… しかし こんな… こんなやり方はおかしいじゃろ?
 やりすぎたことは、あったかもしれん  あやまっても許されないことをしたかもしれん… だがなぁ…
                  大人の対応というものがあるじゃろぉおおおおおおおおお!!!!
デビットは背を向けるレイチェルを止めようとする。
「レイチェル!ちょっとマッ! ?!?!」
後ろから走ってくるデビットを待っていたかと言わんばかりに足を出してデビットをつまづかせるレイチェル。
デビットは姿勢を崩し倒れそうになる。

デビットは壁にあるカーテンを掴むが

デビットがカーテンを掴むとデビットの体重に引っ張られ滑るカーテン。いや、それどころか、この平和記念会の大きなホールの壁が倒れるではないか?!
客人たちに向かって倒れようとする一枚の薄い壁。
「きゃー!」「な、なんだ?!」「壁が倒れるぞー!」「うわぁー!」
逃げる客。薄い壁はテーブルにぶつかるが、木製にしてはプラスチックの衝撃音が響く。
次々と倒れる壁。逃げ惑う客。
「あれは?」
一人の客の男が目を疑う光景を目のあたりにする。
それは晴天の青い空と単純な組み立て式の鉄骨。その素朴な光景が客人たちの目に入る。
各国の強い力を持つ客の男性たちは。
その光景を見たユミル合衆国の大統領
「なんなの これは」
コサック連邦の大統領
「…これはいったい」
杏仁(あんにん)人民共和故国の国家主席
「なんと露骨な」
連合王国の主相
「人命軽視の記念会ですな」
大和共和国の主相
「誠に遺憾であります」

フランク王国の大統領
「デビット王、これはどういうことですかな?話が合わないのですが?」
ブリッツランド共和国の女性主相
「これが人命重視のあなたのやり方ですか?」
パスタニア連邦の国王
「デビット陛下、この大事な機会を、まさかこんな安っぽいもので行ったのですか?」
ポズニャン王国の国王
「これは先を思いやれますなぁ…」
ターフェルシュピッツ・グヤーシュ二重帝国の皇帝
「ココロランドとの関係を再度考え直さねば」

「これはどういうことですか?陛下」
レイチェルは正義の立場で威張るようにデビットに言う。
「おこしくださった方々に、このハリボテのような場所を与えるとは大人としてどうなのですか?」
「なっ?!?」
「くすくすくす…」
鼻で笑うわずかな客人。しかし、笑っているのは記念会に来た貴族の一部。レイチェルの仲間が仕込んだ空気の操作。
人は周りにつられて動く心理を持っている。
それがレイチェルの策略だとデビットはわからない。
鼻で笑う偉い人たち。デビット王は周りの反応に動揺する。
「違うんだ…」
「何が違うのです?」
「くすくすくす…」
「ぅぁ……ぁぁぁ……」
デビットは動揺する。
しかし、鼻で笑う周りを気にかけず黙ってデビットを見つめる国王と大統領たち。

レイチェルはデビットに別れをする。
「それでは楽しんだことですし、帰らせていただきますわぁ。さようなら、貧乏人」
そしてレイチェルはさらにデビットの心に釘を刺した。
「ご機嫌麗しゅう  おっほっほっほっほっほ」
レイチェルは満足そうに去る。

それは束の間だった…。夢の描いた幻想…打ち砕かれた鏡のように、それは粉々になった…。
「ぁ…ぁぁ…あぁあ………」
「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ………!!」
デビット王の声に出ない悲痛な叫び。

「…ふん」
コサック連邦の大統領は立ち去ろうとする。
「大統領…」
黒服の男がうかがう。
「この国との取引は意味がない。時間の無駄だ」

それにつられて何人か帰っていく者たち。
「あ?!あのぉ!」
呼びかけるスカルゴ。
「楽しんだよ。ありがとう」

デビットは膝をついて今にも泣きそうな顔でこぶしを握る。
「ぅぅ…ぅぅ……!」
すると、そんなデビットの前に一人の男性が現れる。
その男はデビットの目でしゃがみ、手をさしだした。
「陛下…顔をお上げください」
デビットは涙であふれる目で顔を上げる。
そこには、大和共和国の大将天皇がデビットに手をさしだしていたのだ。
「いい青空じゃないですか 素晴らしい眺めですよ こんないい記念会なのにあなたが泣いたら台無しじゃないですか」
デビットは耳を疑う。
「ぇぇ…」
「さ、何人か帰ってしまいましたが、楽しみましょう。 」
「ぁ…ぁぁ…」
デビットは大将天皇の手を取り立ち上がる。
残っている大統領や主相たちは二人の様子を見守る。想定外のことで見守るしかなかったのだ。
「なんで…なんでそんなに優しくしてくれるんですか」
すると大将天皇はデビットの疑問にわからず眉を傾けるが、優しい笑顔で答えた。
「陛下が平和のために開いた記念会なのでしょう? 確かに かんばしくないところはありますが、幸いけが人は出ておりません」
しばらく考え大和共和国の天皇は次の言葉をデビットにかける。
「陛下の平和を望む意志がこの記念会を作ったのです。陛下が叶えたいその意志を実現できるかどうかはわかりませんが、
今ここに集まった方は陛下との平和を望んでおられるのです。元気を出し下さい」
その言葉はデビットの心を動かした。
「うわぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
大将天皇の胸で泣くデビット。大将天皇は視線をよそにやれやれと言わんばかりな表情でデビットの背をさする。見苦しい光景かもしれないが、理解してくれる者もいた。
小さな拍手がその空気を包む。

それを遠くで確認するコサックの大統領。
「ふむ…なかなかやるな…」
彼はその現場を背にクールに立ち去る。

その現場を疑う目で見るコミューン連邦の書記長
「ふん、よくできた演技だぁ 仕込んだんだろ?」
彼は暗殺を恐れ極限までの人間不信になっているのだ。
コミューン連邦の書記長はその場を離れる。

連合王国の主相
「さて、楽しもうにも…どうしたものでしょうか?」

平和記念会は物が錯乱し、辺りは散らばっているが この会場を晴天の青空を覗かせ優しい光が包んでいた。

「…」

それからして、デビット王は残ってくれた方々にお礼と感謝の意も込めてココロランドの平和の象徴の金の鳩を用意した。

デビット王
「過去のことは水流せません…しかし、このココロランドは、みなさんのお力と共に、世界の平和のため国際社会との協調を目標にすすんでいくことを努めます」

それからして、無事終わった記念会の後、スカルゴとベンダ隊長が駆けつけてきた。
ベンダ隊長はデビット王に何があったのかと思わんばかりの焦った表情でうかがう。
「陛下!なにがあったのですか!?」
スカルゴはデビットの安否をうかがう。
「陛下!おケガは!?」
しかし、デビットはほほえんだ表情で返事をする。
「うむ、たいしたことはないぞ」
「いえ!しかし!」
ベンダ隊長は不安だ。
スカルゴは聞く。
「陛下!とにかくお聞かせください!」
「ふむ、しょうがないなぁ」
デビット王はうれしそうだ。

記念会で起こったことの話を聞いたベンダ隊長は涙をぬぐいながら言う。
「うぐっ…!くっ…!こんなことが…!わたくしが付いていれば…!」
スカルゴもベンダ隊長と同じように涙をぬぐいながら言う。
「ひぐっ…!そんなことが…!わたしがあのとき陛下についていれば…!」

デビット王は悟ったような顔で空を見上げる。
「ワシは決めたぞい…もう誰も恨んだり 脅したりしないぞ」
デビットの言葉に胸をうたれたスカルゴは思ったことを言う。
「それにしてもレイチェルとか言うアバズレ!陛下に対してなんと無礼な!」
するとベンダ隊長も便乗する。
「わたしのサーベルで串刺しにしてやりたいくらいだ!」

「レイチェル……」
デビットはその名前に反応した。
「ん?陛下?」
スカルゴはうかがう。
「どうかなさいましたか?」
ベンダ隊長も気にしているようだ。
「そうぞ…奴ぞ…わすれんぞぉ……あの時の屈辱を…!」
デビットは歯をかみしめる。
「…へいか?」
スカルゴはデビットの異変を感づく。

「…レイチェル…ワシはお前を一生恨むぞ…覚悟しておけ…クッフッフッフッフッフッフ!」
デビット王は邪悪な笑みを浮かべる。
「あぁああ…」
スカルゴはデビット王の豹変におじけづく。
「あ…あぁあ…」
ベンダ隊長も同様だ。
「ぶぅわぁああああああああっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!」
デビット王は城の高台から大きく笑う。彼の目に宿るそれは、邪悪かつそれは不気味に光っていた。

それを遠くから双眼鏡で眺める青い軍帽を被ったダークミントの軍服を着た軍人。
その横にも軍人と同様に双眼鏡で眺めるコミューン連邦の書記長。
「同志、奴はなぜか下品に笑っております」
「やはりな。ああやって人をだまして背後から襲うんだ。間違いない。オレがそうされたからな」

二人は双眼鏡でデビット王たちを観察しながら会話する。
「プレコフ、奴はいつでもやれるか?」
「はい、すでに何人か刺客をすでに送っております。いつでも同志が指を鳴らせば、奴はすぐにでもあの世に行くことになるでしょう」
「何人だ?」
「へ?」
「何人送った?」
「それは…」
「数えてこい」
コミューン連邦の書記長はプレコフを突き飛ばした。
「ふぅごぉおおおーーーーーッ!?!!!」






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