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Break Time Story 伝説の食材を求めて
イリアの気まぐれは突然に
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イリアの提案は相変わらず突然だった。
「竜の卵を取りにいきましょう!」
準備中の店内にイリアの嬉々とした声が響き渡る。
「は?」
もちろん、その場にいた全員がポカンと口を開けた。
「明日から行くから、カフェメンバーはもちろんライノとアリーシャも準備しといてね、明日から長期休暇でしょ?」
勝手に、そしてスピーディーに話をお構いなしに進めていく。
「ちょ、あの、なんの話ですか?」
そんなイリアにソナタはやっとの思いで口を開いた。
「え?だから竜の卵を取りに行くのよ」
「あ、それは聞きました」
ソナタはお手上げと言わんばかりにフラウとモニカに目を向ける。
モニカは「また始まった」と言わんばかりに苦笑いを浮かべ、フラウに至っては未だ目が点になって口をポカンと開けていた。
「各自準備して明日から出掛けるわよっ!」
そう言って、イリアは厨房の中へと戻っていった。
取り残されたメンバーは相変わらず話についていっていなかった。
明日の準備もあると言うことで、本日は午後から1週間ほど定休日という形になった。
ランチタイムが終わったタイミングで、イリアは明日の集合時間だけ伝えて店を出ていった。
「ねぇ、もう3ヶ月くらい働いてるけどイリアさんって毎回あんな感じなの?」
フラウは苦笑いを浮かべつつ、モニカに声をかけた。
モニカも同じような顔をした。
「そうですね、私が弟子入りしてからも割と毎回突然です」
「そうなのね、私未だについていけない」
そう言ってフラウはため息をついた。
「まぁまぁ、なんだか楽しそうだしいいじゃないの」
ソナタはフラウとは違って割と楽観的である。
「もしかしたら結構楽しいお出かけになるかもだしね」
「本当に?なんか前買い出しついていったらとんでもない山まで連れてかれたことあるけど…」
ソナタの言葉に、フラウは1ヶ月前のことを思い出す。
ほぼ断崖絶壁の山を登らされ、挙げ句の果てには食材がなかった。
イリアは基本飛んで移動してたためいいが、フラウは最初から最後まで自分の足と腕だったのだ。
「ま、まぁ、軽い修行だと思えば…」
モニカの言葉にフラウは乾いた笑い方をする。
「はは、軽くないよ、重いって」
確かに、という言葉がみんなの口から溢れた。
「まぁとりあえずだ、考えても仕方ないし明日の準備をしようか」
ソナタの言葉に全員が了承した。
始まればいつかは終わる、そんな考えでみんなは準備をしに各自行動に移した。
しかし、この食材探しがあんなに過酷な事だと知るものは、まだ誰もいないのであった。
翌日、早朝に店の前に集められた魔女のCafeメンバー+ライノ&アリーシャ。
みんなそれぞれそれなりの荷物を抱えてイリアの前に並んでいた。
「あんたたち重そうな荷物ね」
そういうイリアはなにも持っていない。
「イリアさん、1週間食材探しですけどなにも持ってなくていいんですか?」
フラウは気になって聞くと、懐から小さな瓶を取り出した。
「全部この中」
「…。」
便利なものもあるものだ、全員分くれよ。
そう思ったのはフラウ1人では無いはずだ。
「まぁ、兎にも角にも出発しましょう!」
イリアのセリフに一同は頷き、後に続いて歩きだした。
こうして、楽しい(?)食材探しが始まったのであった。
「竜の卵を取りにいきましょう!」
準備中の店内にイリアの嬉々とした声が響き渡る。
「は?」
もちろん、その場にいた全員がポカンと口を開けた。
「明日から行くから、カフェメンバーはもちろんライノとアリーシャも準備しといてね、明日から長期休暇でしょ?」
勝手に、そしてスピーディーに話をお構いなしに進めていく。
「ちょ、あの、なんの話ですか?」
そんなイリアにソナタはやっとの思いで口を開いた。
「え?だから竜の卵を取りに行くのよ」
「あ、それは聞きました」
ソナタはお手上げと言わんばかりにフラウとモニカに目を向ける。
モニカは「また始まった」と言わんばかりに苦笑いを浮かべ、フラウに至っては未だ目が点になって口をポカンと開けていた。
「各自準備して明日から出掛けるわよっ!」
そう言って、イリアは厨房の中へと戻っていった。
取り残されたメンバーは相変わらず話についていっていなかった。
明日の準備もあると言うことで、本日は午後から1週間ほど定休日という形になった。
ランチタイムが終わったタイミングで、イリアは明日の集合時間だけ伝えて店を出ていった。
「ねぇ、もう3ヶ月くらい働いてるけどイリアさんって毎回あんな感じなの?」
フラウは苦笑いを浮かべつつ、モニカに声をかけた。
モニカも同じような顔をした。
「そうですね、私が弟子入りしてからも割と毎回突然です」
「そうなのね、私未だについていけない」
そう言ってフラウはため息をついた。
「まぁまぁ、なんだか楽しそうだしいいじゃないの」
ソナタはフラウとは違って割と楽観的である。
「もしかしたら結構楽しいお出かけになるかもだしね」
「本当に?なんか前買い出しついていったらとんでもない山まで連れてかれたことあるけど…」
ソナタの言葉に、フラウは1ヶ月前のことを思い出す。
ほぼ断崖絶壁の山を登らされ、挙げ句の果てには食材がなかった。
イリアは基本飛んで移動してたためいいが、フラウは最初から最後まで自分の足と腕だったのだ。
「ま、まぁ、軽い修行だと思えば…」
モニカの言葉にフラウは乾いた笑い方をする。
「はは、軽くないよ、重いって」
確かに、という言葉がみんなの口から溢れた。
「まぁとりあえずだ、考えても仕方ないし明日の準備をしようか」
ソナタの言葉に全員が了承した。
始まればいつかは終わる、そんな考えでみんなは準備をしに各自行動に移した。
しかし、この食材探しがあんなに過酷な事だと知るものは、まだ誰もいないのであった。
翌日、早朝に店の前に集められた魔女のCafeメンバー+ライノ&アリーシャ。
みんなそれぞれそれなりの荷物を抱えてイリアの前に並んでいた。
「あんたたち重そうな荷物ね」
そういうイリアはなにも持っていない。
「イリアさん、1週間食材探しですけどなにも持ってなくていいんですか?」
フラウは気になって聞くと、懐から小さな瓶を取り出した。
「全部この中」
「…。」
便利なものもあるものだ、全員分くれよ。
そう思ったのはフラウ1人では無いはずだ。
「まぁ、兎にも角にも出発しましょう!」
イリアのセリフに一同は頷き、後に続いて歩きだした。
こうして、楽しい(?)食材探しが始まったのであった。
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