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Break Time Story 伝説の食材を求めて
家族のような仲間達と
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へとへとになって帰ってきた一向(イリア以外)は、カフェに着くなり椅子に座りうなだれていた。
なんだかんだで楽しかった旅ではあったが、大変だったのも確かだ。
「みんなお疲れ様、あとちょっと待っててねー」
イリアはそう言って厨房の中に消えていった。
「それにしても、マジで大変だった」
「そうですね、フラウさんとソナタさん本当に危なかったですね…」
フラウの言葉にモニカが苦笑いを浮かべる。
「はは、確かに。走馬灯が見えたような気がしたよ」
「ソナタさん、その冗談面白くないっすよ」
ライノの言葉にアリーシャは元気よく首を縦に振る。
当たりどころが悪ければ間違いなく死んでたが、ソナタ曰く、死ななければ良いとのこと。
死戦を掻い潜りぬけてきた者の言葉であった。
「でも、ライノもアリーシャも強くなってたね」
フラウの言葉に、2人とも照れ臭そうに笑った。
「まぁ、前回は全く役に立てなかったから…」
「そうだよね、モニカちゃんに助けられた時も魔女裁判の時も…」
「あぁ、本当にただのお荷物だった」
そんな2人にモニカは近寄る。
「そんなことないよ、魔女裁判の時2人が一緒に来てくれたから勇気が持てたんだよ」
その言葉に2人は再び照れ臭そうに笑った。
そんな3人を見て、フラウとソナタも笑った。
しばらくして、厨房から何やら良い匂いがしてきた。
「はいー、できたから各自持っていって!」
イリアはそう言ってパントリーに食事を並べていく。
そこには、大きな輪切りにされた竜の茹で卵(?)
が置かれていた。そして、周りには野菜やお肉なども綺麗に添えられてソースもお洒落にかかっていた。
「美味しそうっ!!」
モニカは運びながらも目を輝かせる。
「美味しいに決まってるでしょ!竜の卵は伝説の食材なのよ!」
そんなこんなでみんな席につき料理が並ぶ。
「じゃあ、みんな準備はよいかしら?」
「はいっ!」
みんな一斉に手を合わせる。
「いただきまーす!」
料理を食べ始めた。
「うまいぃっ!なんじゃこりゃぁ!」
とライノ。
語彙力がなくなる。
「これはっ!卵なのにお肉みたいにジューシー!
そしてその味を喧嘩させないようなこの味付け!
一緒に添えられている野菜もまた良い味を…!」
とアリーシャ。
評論家のようだ。
「…。」
美味しすぎて無言になるソナタ。
「イリアさん、美味しすぎるのでお酒下さい」
酒を飲み始めるフラウ。
「頬がとろけますぅ、私もとろけますぅう」
壊れるモニカ。
そんな5人を見て、イリアは笑った。
(なんだかんだ、モニカを弟子にしてよかったかもね)
しみじみと考えていた。
仲間の魔女達はいたが、数百年生きてきてこんなに人と関わったのはマリアとディーン以来だった。
いくらメンタルが強いと言っても、やはり別れは辛いもの…。
どれだけ仲良くしても、100年も経たずに人は死ぬ。
だからこそ強いつながりを作らないようにしていた。
(別れるのは辛いけど、こういうのも悪くないわね)
イリアはそんな事を考えながら、自分の家族を暖かく見守っていたのであった。
なんだかんだで楽しかった旅ではあったが、大変だったのも確かだ。
「みんなお疲れ様、あとちょっと待っててねー」
イリアはそう言って厨房の中に消えていった。
「それにしても、マジで大変だった」
「そうですね、フラウさんとソナタさん本当に危なかったですね…」
フラウの言葉にモニカが苦笑いを浮かべる。
「はは、確かに。走馬灯が見えたような気がしたよ」
「ソナタさん、その冗談面白くないっすよ」
ライノの言葉にアリーシャは元気よく首を縦に振る。
当たりどころが悪ければ間違いなく死んでたが、ソナタ曰く、死ななければ良いとのこと。
死戦を掻い潜りぬけてきた者の言葉であった。
「でも、ライノもアリーシャも強くなってたね」
フラウの言葉に、2人とも照れ臭そうに笑った。
「まぁ、前回は全く役に立てなかったから…」
「そうだよね、モニカちゃんに助けられた時も魔女裁判の時も…」
「あぁ、本当にただのお荷物だった」
そんな2人にモニカは近寄る。
「そんなことないよ、魔女裁判の時2人が一緒に来てくれたから勇気が持てたんだよ」
その言葉に2人は再び照れ臭そうに笑った。
そんな3人を見て、フラウとソナタも笑った。
しばらくして、厨房から何やら良い匂いがしてきた。
「はいー、できたから各自持っていって!」
イリアはそう言ってパントリーに食事を並べていく。
そこには、大きな輪切りにされた竜の茹で卵(?)
が置かれていた。そして、周りには野菜やお肉なども綺麗に添えられてソースもお洒落にかかっていた。
「美味しそうっ!!」
モニカは運びながらも目を輝かせる。
「美味しいに決まってるでしょ!竜の卵は伝説の食材なのよ!」
そんなこんなでみんな席につき料理が並ぶ。
「じゃあ、みんな準備はよいかしら?」
「はいっ!」
みんな一斉に手を合わせる。
「いただきまーす!」
料理を食べ始めた。
「うまいぃっ!なんじゃこりゃぁ!」
とライノ。
語彙力がなくなる。
「これはっ!卵なのにお肉みたいにジューシー!
そしてその味を喧嘩させないようなこの味付け!
一緒に添えられている野菜もまた良い味を…!」
とアリーシャ。
評論家のようだ。
「…。」
美味しすぎて無言になるソナタ。
「イリアさん、美味しすぎるのでお酒下さい」
酒を飲み始めるフラウ。
「頬がとろけますぅ、私もとろけますぅう」
壊れるモニカ。
そんな5人を見て、イリアは笑った。
(なんだかんだ、モニカを弟子にしてよかったかもね)
しみじみと考えていた。
仲間の魔女達はいたが、数百年生きてきてこんなに人と関わったのはマリアとディーン以来だった。
いくらメンタルが強いと言っても、やはり別れは辛いもの…。
どれだけ仲良くしても、100年も経たずに人は死ぬ。
だからこそ強いつながりを作らないようにしていた。
(別れるのは辛いけど、こういうのも悪くないわね)
イリアはそんな事を考えながら、自分の家族を暖かく見守っていたのであった。
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