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7・雄代くんとの同居生活
抜けない棘
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数日後スタジオに行くと、先に来ていた雄代くんが俺を見つけて、駆け寄ってきた。
「舞音!」
「雄代くん、え……なんでそんな顔してるの?」
瞳を揺らして、今にも泣きだしそうな顔で俺を見る。眉間に皺が寄っている。眉は下がって、手は俺の両腕を握ったまま離れない。
ていうか、雄代くんに名前呼び捨てにされたの、初めてだな。
「え、あー……元気?」
「うん、元気だよ?」
「だい……じょうぶ?」
「なにが? 俺は大丈夫だよ?」
本当は、大丈夫じゃない。あの日の配信からまだ、胸に突き刺さった棘が抜けずにいる。
だけど雄代くんには俺のプライベートなんて知る由もないし、心の状態なんて関係ない。話して迷惑にもなりたくないから、俺は敢えて笑顔を繕った。
「どうしたの? ほんとに」
「いや……そう最近、ずっとフリー開放なかったから、会えなくて寂しかったなぁと思って」
「あは、なにそれぇ」
会えなくて寂しかったなんて、雄代くんも、そんなふうに思ってくれてたんだ。
ちょっと嬉しくなって緩む口元を隠すように、俯きながら彼の肩を押す。荷物置き場の棚にリュックを置いてジャージに着替え、ストレッチをしていたら、俺はふと彼のことを思い出した。
「そういえば、翔哉くんと連絡とってる?」
「なんで?」
「んー、寂しく思ってないかな、と思って。会ったりしてる?」
「いやしてないけど」
「そっか……」
翔哉くんも、雄代くんに会えなくて寂しく思ってるんじゃないかな。あんなに慕ってたから、話とかしたかったりするかもしれない。……でも俺が気にすることでもないのかな。学校が楽しいなら良いに越したことはないけど、長く会えないとやっぱりどうしてるのか気になっちゃう。
「舞音が直接聞いてみたらいいんじゃない? 連絡先交換してるでしょ」
「そうなんだけど……タイミングとか、いろいろ考えちゃって。あと俺が急に連絡して迷惑じゃないかな? とか。そうするとなかなかできなくて、ニガテなんだよね……」
「わかるよ。正直俺もそういうの苦手だし」
雄代くんも一緒か、と思ったらちょっとホッとした。
「でも、してみよっかな、メッセージ」
「うん。今、送ってみたら?」
一人だとドキドキしちゃうけど、雄代くんが見守ってくれるならと、俺は勇気を出して翔哉くんにメッセージを送ってみた。
「舞音!」
「雄代くん、え……なんでそんな顔してるの?」
瞳を揺らして、今にも泣きだしそうな顔で俺を見る。眉間に皺が寄っている。眉は下がって、手は俺の両腕を握ったまま離れない。
ていうか、雄代くんに名前呼び捨てにされたの、初めてだな。
「え、あー……元気?」
「うん、元気だよ?」
「だい……じょうぶ?」
「なにが? 俺は大丈夫だよ?」
本当は、大丈夫じゃない。あの日の配信からまだ、胸に突き刺さった棘が抜けずにいる。
だけど雄代くんには俺のプライベートなんて知る由もないし、心の状態なんて関係ない。話して迷惑にもなりたくないから、俺は敢えて笑顔を繕った。
「どうしたの? ほんとに」
「いや……そう最近、ずっとフリー開放なかったから、会えなくて寂しかったなぁと思って」
「あは、なにそれぇ」
会えなくて寂しかったなんて、雄代くんも、そんなふうに思ってくれてたんだ。
ちょっと嬉しくなって緩む口元を隠すように、俯きながら彼の肩を押す。荷物置き場の棚にリュックを置いてジャージに着替え、ストレッチをしていたら、俺はふと彼のことを思い出した。
「そういえば、翔哉くんと連絡とってる?」
「なんで?」
「んー、寂しく思ってないかな、と思って。会ったりしてる?」
「いやしてないけど」
「そっか……」
翔哉くんも、雄代くんに会えなくて寂しく思ってるんじゃないかな。あんなに慕ってたから、話とかしたかったりするかもしれない。……でも俺が気にすることでもないのかな。学校が楽しいなら良いに越したことはないけど、長く会えないとやっぱりどうしてるのか気になっちゃう。
「舞音が直接聞いてみたらいいんじゃない? 連絡先交換してるでしょ」
「そうなんだけど……タイミングとか、いろいろ考えちゃって。あと俺が急に連絡して迷惑じゃないかな? とか。そうするとなかなかできなくて、ニガテなんだよね……」
「わかるよ。正直俺もそういうの苦手だし」
雄代くんも一緒か、と思ったらちょっとホッとした。
「でも、してみよっかな、メッセージ」
「うん。今、送ってみたら?」
一人だとドキドキしちゃうけど、雄代くんが見守ってくれるならと、俺は勇気を出して翔哉くんにメッセージを送ってみた。
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