76 / 93
12・ライブ配信_舞音4
緊急ライブ配信① みんな、おまたせ
しおりを挟む
『マオトくん、こんばんは!』
『あれ? いない?』
『マオトどこ?』
『間違って配信押した?』
「ごめん、間違ってない! ちょっといま配信の準備しないで開始ボタン押しちゃって、三脚立ててるとこ。ごめんもうちょっと待って?」
カメラ前に顔を出して、画面の向こうにいるみんなに声を掛けた。
『はーい』
『待ってるよー』
『ちょっと元気になったっぽい?』
準備している間も、画面の中でいろんな言葉がコメント欄に書かれていく。
俺はそれを見ながら机に三脚を立てて、スマホをストッパーにカチッと嵌め込んだ。
「よし、おけ。あ、マイク……音大丈夫?」
『だいじょうぶー』
『いい声で聴こえてる』
「あ、ほんと? よかったー」
設置が済んで、漸くデスクチェアに座った。
画面を見ながら乱れた髪を整えて、向こう側にいるみんなに手を振ってみる。すると画面右下から、ハートのスタンプがたくさん飛んでいくのが目に入った。
「みんな、おまたせ」
『おかえり!』
『会いたかった~』
『マオトの顔が見られてうれしい!』
『元気になった?』
「うん。みんなのおかげ。本当にありがとう」
みんなが喜んでくれている。コメント欄がそんな声でいっぱいになる中、『ユーダイくんの動画見た?』との言葉が目に飛び込んできた。
「雄代くんの動画見たよ! 実は俺、またずっと電源切ってたんだけどさ、今日あの、例の男の子がみんなのコメントに気付いてくれて。……うん、そう。一緒にいたの。それで、スマホで雄代くんの動画見せてくれてね。知りました」
『男の子ナイス!』
『その彼に感謝』
『何歳ですか?』
「ん? 十七かな。高校生」
『年下彼氏か』
「違う違う! もう、すぐそっちに持ってくぅ」
思わず笑いながらツッコミを入れたら、コメント欄が泣き笑いと号泣とwの記号で溢れた。『久しぶりのツッコミきた』『マオトが帰ってきたぁ』『待って今のだけで泣くんだが』なんて言ってて、俺は、どれだけみんなに心配を掛けていたんだろう。
「ほんと、ごめんね心配かけちゃってて。もう大丈夫。みんなが雄代くんのアカウントが開設されたって、教えてくれたおかげだよ。あれがなかったらまだまだ引き籠ったままだった」
『私たちのコメントを発見してくれた年下彼氏くんが神』
「だから彼氏じゃないんだってば~。弟みたいなもんなの、その子は」
『アカウント作ってくれたユーダイくんにも感謝したい』
「そうだね。それは本当に、そう。この配信しようって思ったのもね、みんなにお礼が言いたかったのと、そのことでちょっと語りたかったからなんだ。聞いてくれる?」
『あれ? いない?』
『マオトどこ?』
『間違って配信押した?』
「ごめん、間違ってない! ちょっといま配信の準備しないで開始ボタン押しちゃって、三脚立ててるとこ。ごめんもうちょっと待って?」
カメラ前に顔を出して、画面の向こうにいるみんなに声を掛けた。
『はーい』
『待ってるよー』
『ちょっと元気になったっぽい?』
準備している間も、画面の中でいろんな言葉がコメント欄に書かれていく。
俺はそれを見ながら机に三脚を立てて、スマホをストッパーにカチッと嵌め込んだ。
「よし、おけ。あ、マイク……音大丈夫?」
『だいじょうぶー』
『いい声で聴こえてる』
「あ、ほんと? よかったー」
設置が済んで、漸くデスクチェアに座った。
画面を見ながら乱れた髪を整えて、向こう側にいるみんなに手を振ってみる。すると画面右下から、ハートのスタンプがたくさん飛んでいくのが目に入った。
「みんな、おまたせ」
『おかえり!』
『会いたかった~』
『マオトの顔が見られてうれしい!』
『元気になった?』
「うん。みんなのおかげ。本当にありがとう」
みんなが喜んでくれている。コメント欄がそんな声でいっぱいになる中、『ユーダイくんの動画見た?』との言葉が目に飛び込んできた。
「雄代くんの動画見たよ! 実は俺、またずっと電源切ってたんだけどさ、今日あの、例の男の子がみんなのコメントに気付いてくれて。……うん、そう。一緒にいたの。それで、スマホで雄代くんの動画見せてくれてね。知りました」
『男の子ナイス!』
『その彼に感謝』
『何歳ですか?』
「ん? 十七かな。高校生」
『年下彼氏か』
「違う違う! もう、すぐそっちに持ってくぅ」
思わず笑いながらツッコミを入れたら、コメント欄が泣き笑いと号泣とwの記号で溢れた。『久しぶりのツッコミきた』『マオトが帰ってきたぁ』『待って今のだけで泣くんだが』なんて言ってて、俺は、どれだけみんなに心配を掛けていたんだろう。
「ほんと、ごめんね心配かけちゃってて。もう大丈夫。みんなが雄代くんのアカウントが開設されたって、教えてくれたおかげだよ。あれがなかったらまだまだ引き籠ったままだった」
『私たちのコメントを発見してくれた年下彼氏くんが神』
「だから彼氏じゃないんだってば~。弟みたいなもんなの、その子は」
『アカウント作ってくれたユーダイくんにも感謝したい』
「そうだね。それは本当に、そう。この配信しようって思ったのもね、みんなにお礼が言いたかったのと、そのことでちょっと語りたかったからなんだ。聞いてくれる?」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる