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77.クロードの今(3)
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※本日投稿分までR18展開が続きます。
ジェシカの胸には昨日つけたばかりの俺の痕が散りばめられている。
執着の印を見ながら、上から重ねるように強く吸い上げた。
「んっ……ねえ、クロード」
色濃く染まっていく様を満足げに見ていると、頭上から声が掛かった。
顔を上げると、ジェシカがソワソワと、どこか落ち着きない様子をしていた。
「わたくしが下着姿になっても、貴方はちっとも反応してくれなかったけど……本当は動揺してたり、した?」
少し不安気で、それでも期待を隠せない顔。ジェシカのその顔に俺は弱い。
「もしかして、この下着でクロードを落とせたのかしら?」なんて浮足立っているジェシカが可愛くて、同時に、自分に向けられている愛の重さをちっとも分かっていない彼女を憎らしく思う。
「……残念ですが、下着ごときでは落ちません」
「そう……」
ジェシカの表情が翳る。顔を背けようとする彼女の顎を掴んでこちらに向かせると、強い眼差しで言葉を告げた。
「もっと、ずっと前から貴方に惚れている。必ず幸せにすると誓った、あの日から」
目を見開いて驚く様を視界に入れながら、強引に唇を奪った。
「んんっ!」
柔らかな唇に触れて、すぐに口を割り裂いて舌を入れる。突然の行為に動転しているジェシカは、抵抗することなく俺を受け入れた。
くちゅ、くちゅ、とわざと水音を鳴らしながら、舌と舌とを絡ませ合わせる。思い出したように時折、耳裏をこすって刺激すると、ジェシカの体が小刻みに震えた。
「……ぁ……!」
口内の粘膜を愛撫するように、苦しいと感じるくらい執拗に、執拗に刺激を与えていく。
「んっ、は、あ」
飲み込み切れなかった唾液が唇からツ……と垂れてジェシカの口元を汚していた。
それさえも興奮材料でしかなく、俺は動きを止めずに快感を与えていった。
「あ……んうっ……ま、待って……」
どれくらい口付けていただろうか。
荒々しく唇を貪っていると、攻撃の合間をぬってなんとか顔をそらしたジェシカから制止の声が上がる。それを無視して強引に舌を絡め、従順でない彼女を叱るよう、じゅううっと舌を吸い上げると、一際大きく目の前の体が震えた。
「ああっ!」
離れた唇から、切羽詰まったような甘く高い声が飛び出す。ビクンと震えた体は、次の瞬間、脱力したようにだらりと力をなくした。
「は? ジェシカ?」
キスをしているだけでは到底見ないであろう異様な光景に、慌てて彼女の様子を窺う。
ジェシカは自分の身に何が起きたか分かっていないようで、とろんとした顔を晒したままぼんやりとしていた。頬は上気し、エメラルドのような瞳は快感で蕩けきっている。
「もしかして……貴方、キスだけでイきました?」
まさかそんな、と目の前の光景が信じられない自分と、この反応はまさしくそうだと確信する自分がいて、混乱する。
だって、まだ二回目だぞ。
初めてジェシカを抱いて、まだ一日しか経っていない。
それが、口付けだけで達してしまうなんて、そんなこと……
いまだに信じられなかった俺は、我に返ったジェシカが真っ赤な顔でその場から逃亡しようとするのを見て、事実だとようやく理解した。
「何逃げ出そうとしているんですか」
「だ、だだだって。キスだけで、その……!」
「キスだけで盛大にイってしまったことを恥じらっているのですか?」
「!」
元から大きな目をこれでもかと見開いて、ジェシカはわなわなと震えた。
「こ、これだけ辱めを受けている者に対して、そこまで言う⁉ 貴方に思いやりの気持ちはないの⁉」
「愛ゆえの行為だと思っていただければ」
俺がそう言うと、あれだけ騒いでいたジェシカがピタリと止まる。
不自然なほど分かりやすく固まる彼女からは、いまだに俺が伝える『愛』に慣れていないのが伝わってきた。
ジェシカの胸には昨日つけたばかりの俺の痕が散りばめられている。
執着の印を見ながら、上から重ねるように強く吸い上げた。
「んっ……ねえ、クロード」
色濃く染まっていく様を満足げに見ていると、頭上から声が掛かった。
顔を上げると、ジェシカがソワソワと、どこか落ち着きない様子をしていた。
「わたくしが下着姿になっても、貴方はちっとも反応してくれなかったけど……本当は動揺してたり、した?」
少し不安気で、それでも期待を隠せない顔。ジェシカのその顔に俺は弱い。
「もしかして、この下着でクロードを落とせたのかしら?」なんて浮足立っているジェシカが可愛くて、同時に、自分に向けられている愛の重さをちっとも分かっていない彼女を憎らしく思う。
「……残念ですが、下着ごときでは落ちません」
「そう……」
ジェシカの表情が翳る。顔を背けようとする彼女の顎を掴んでこちらに向かせると、強い眼差しで言葉を告げた。
「もっと、ずっと前から貴方に惚れている。必ず幸せにすると誓った、あの日から」
目を見開いて驚く様を視界に入れながら、強引に唇を奪った。
「んんっ!」
柔らかな唇に触れて、すぐに口を割り裂いて舌を入れる。突然の行為に動転しているジェシカは、抵抗することなく俺を受け入れた。
くちゅ、くちゅ、とわざと水音を鳴らしながら、舌と舌とを絡ませ合わせる。思い出したように時折、耳裏をこすって刺激すると、ジェシカの体が小刻みに震えた。
「……ぁ……!」
口内の粘膜を愛撫するように、苦しいと感じるくらい執拗に、執拗に刺激を与えていく。
「んっ、は、あ」
飲み込み切れなかった唾液が唇からツ……と垂れてジェシカの口元を汚していた。
それさえも興奮材料でしかなく、俺は動きを止めずに快感を与えていった。
「あ……んうっ……ま、待って……」
どれくらい口付けていただろうか。
荒々しく唇を貪っていると、攻撃の合間をぬってなんとか顔をそらしたジェシカから制止の声が上がる。それを無視して強引に舌を絡め、従順でない彼女を叱るよう、じゅううっと舌を吸い上げると、一際大きく目の前の体が震えた。
「ああっ!」
離れた唇から、切羽詰まったような甘く高い声が飛び出す。ビクンと震えた体は、次の瞬間、脱力したようにだらりと力をなくした。
「は? ジェシカ?」
キスをしているだけでは到底見ないであろう異様な光景に、慌てて彼女の様子を窺う。
ジェシカは自分の身に何が起きたか分かっていないようで、とろんとした顔を晒したままぼんやりとしていた。頬は上気し、エメラルドのような瞳は快感で蕩けきっている。
「もしかして……貴方、キスだけでイきました?」
まさかそんな、と目の前の光景が信じられない自分と、この反応はまさしくそうだと確信する自分がいて、混乱する。
だって、まだ二回目だぞ。
初めてジェシカを抱いて、まだ一日しか経っていない。
それが、口付けだけで達してしまうなんて、そんなこと……
いまだに信じられなかった俺は、我に返ったジェシカが真っ赤な顔でその場から逃亡しようとするのを見て、事実だとようやく理解した。
「何逃げ出そうとしているんですか」
「だ、だだだって。キスだけで、その……!」
「キスだけで盛大にイってしまったことを恥じらっているのですか?」
「!」
元から大きな目をこれでもかと見開いて、ジェシカはわなわなと震えた。
「こ、これだけ辱めを受けている者に対して、そこまで言う⁉ 貴方に思いやりの気持ちはないの⁉」
「愛ゆえの行為だと思っていただければ」
俺がそう言うと、あれだけ騒いでいたジェシカがピタリと止まる。
不自然なほど分かりやすく固まる彼女からは、いまだに俺が伝える『愛』に慣れていないのが伝わってきた。
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