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第一章 始まり
第三話 種
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彼にその言葉を伝えた後、彼は一瞬思い詰めた表情を見せたがすぐに私の手を取って祝福をしてくれた。
「それは…おめでとうございますアンナ様 ハルトマン公爵もきっとお喜びでしょう」
この話はハルトマン家にとってはとても名誉ある話だ、帝国としては臣民からの信頼が厚いお父様との関係をより強固にしたいという考えなのだろうが私はなによりもお父様の功績が認められたという事がただただ嬉しかった。
私ももう子供ではないからこの婚約が政略結婚であることは十分に分かっている、事実ロイス様とお会いしたのは私が学院に籍を置いていた中でも数える程しかないし大変失礼な話だが皇太子殿下が私を見初めたという話も聞いたことがない。
お父様は何度も私に確認してきた 「嫌なら断ってもいいんだよ」と。
でも皇太子殿下からの求婚を無下に断ってしまってはお父様の顔に泥を塗ってしまうことになるだろう、貴族の令嬢に産まれてきた以上幼い頃からその覚悟は出来ていたつもりだった。
「皇太子殿下からそのようなお話しを賜わるなんて光栄ですわ、是非お話しを進めて下さい」
我ながら心にも思っていないことをよく口にできたものだ、お父様はそれでも心配そうな顔を見せてはいたが。
「ありがとうナナキ、あなたにはいの一番の伝えたかったのよ もうこの場所に来ることも難しくなるわね」
そう言うがもうずっと来れなくなるだろう、ナナキもそれがわかっていたのかどこか悲しそうな表情をしているのだろう
その表情に心臓がキュッと締め付けられる。
「…一生会えなくなるってことじゃないんですから そんな顔しないで下さい アンナ様は笑顔が一番ですよ」
そんな酷い顔してたのか 表情は変えていないつもりだったがやっぱり幼なじみには敵わないわね。
「ナナキがそんな顔してるから私も真似しただけよ」
なんて強がりを言ってみせる、本当は今にも泣き出してしまいたい けどそれはナナキを困らせることになる。
自由に恋愛が許されたなら……何度こんな甘い考えをが頭をよぎったことだろうか。
「……もう夜ですね 夜道は危険ですし送っていきましょう」
そう言うナナキの言葉に私は無言で頷くしかなかった。
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「ナナキは初めて私と会った時のこと事まだ覚えてる?」
アンナ様を送っている道中、アンナ様が不意に聞いてきた。
「そりゃあまだ覚えてますよ アンナ様は今と変わらずお転婆でしたね」
「なによそれ、当時から私は淑女だったわよ」
「またまた御冗談が上手いですね、まだローザの方が淑女でしたよ」
そう言うとアンナ様はプクッと頬を膨らませて無言の抗議をしている、そういうところは昔からちっとも変わってなくて愛おしいと感じる。
「懐かしいわね、フレアハート家の養子に引き取られてからは会ってないもの」
彼女は僕とアンナ様が11の頃、士爵家のフレアハート家へと引き取られた。
今はなにをしているのだろうか–…幸せに暮らしてるだろうか?
そんな事を心の中で考えていたら不意に彼女が口を開いた。
「…私はね、思ってたことがあるの いつかこの国が種族に囚われない種と種が助けあえる国になったらいいなって」
「アンナ様らしい素晴らしい考えですね」
「次期皇女として…できることは少ないかも知れないけど」
彼女の決意を聞くと共に、僕たちはハルトマン公爵家へと辿り着いた。
「なんだかいつもより速く感じたわね」
そう口を開くアンナ様は少し寂しそうな表情を見せた。 公爵家の扉の前にはメイド達がアンナ様の帰りを待っていたのだろう お出迎えをしていた。
「送ってくれてありがとう、また…ね」
その言葉を後にアンナ様は僕に背を向ける、そのまたは二度とこない……その後ろ姿をただ見つめることしかできなかった。
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「それは…おめでとうございますアンナ様 ハルトマン公爵もきっとお喜びでしょう」
この話はハルトマン家にとってはとても名誉ある話だ、帝国としては臣民からの信頼が厚いお父様との関係をより強固にしたいという考えなのだろうが私はなによりもお父様の功績が認められたという事がただただ嬉しかった。
私ももう子供ではないからこの婚約が政略結婚であることは十分に分かっている、事実ロイス様とお会いしたのは私が学院に籍を置いていた中でも数える程しかないし大変失礼な話だが皇太子殿下が私を見初めたという話も聞いたことがない。
お父様は何度も私に確認してきた 「嫌なら断ってもいいんだよ」と。
でも皇太子殿下からの求婚を無下に断ってしまってはお父様の顔に泥を塗ってしまうことになるだろう、貴族の令嬢に産まれてきた以上幼い頃からその覚悟は出来ていたつもりだった。
「皇太子殿下からそのようなお話しを賜わるなんて光栄ですわ、是非お話しを進めて下さい」
我ながら心にも思っていないことをよく口にできたものだ、お父様はそれでも心配そうな顔を見せてはいたが。
「ありがとうナナキ、あなたにはいの一番の伝えたかったのよ もうこの場所に来ることも難しくなるわね」
そう言うがもうずっと来れなくなるだろう、ナナキもそれがわかっていたのかどこか悲しそうな表情をしているのだろう
その表情に心臓がキュッと締め付けられる。
「…一生会えなくなるってことじゃないんですから そんな顔しないで下さい アンナ様は笑顔が一番ですよ」
そんな酷い顔してたのか 表情は変えていないつもりだったがやっぱり幼なじみには敵わないわね。
「ナナキがそんな顔してるから私も真似しただけよ」
なんて強がりを言ってみせる、本当は今にも泣き出してしまいたい けどそれはナナキを困らせることになる。
自由に恋愛が許されたなら……何度こんな甘い考えをが頭をよぎったことだろうか。
「……もう夜ですね 夜道は危険ですし送っていきましょう」
そう言うナナキの言葉に私は無言で頷くしかなかった。
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「ナナキは初めて私と会った時のこと事まだ覚えてる?」
アンナ様を送っている道中、アンナ様が不意に聞いてきた。
「そりゃあまだ覚えてますよ アンナ様は今と変わらずお転婆でしたね」
「なによそれ、当時から私は淑女だったわよ」
「またまた御冗談が上手いですね、まだローザの方が淑女でしたよ」
そう言うとアンナ様はプクッと頬を膨らませて無言の抗議をしている、そういうところは昔からちっとも変わってなくて愛おしいと感じる。
「懐かしいわね、フレアハート家の養子に引き取られてからは会ってないもの」
彼女は僕とアンナ様が11の頃、士爵家のフレアハート家へと引き取られた。
今はなにをしているのだろうか–…幸せに暮らしてるだろうか?
そんな事を心の中で考えていたら不意に彼女が口を開いた。
「…私はね、思ってたことがあるの いつかこの国が種族に囚われない種と種が助けあえる国になったらいいなって」
「アンナ様らしい素晴らしい考えですね」
「次期皇女として…できることは少ないかも知れないけど」
彼女の決意を聞くと共に、僕たちはハルトマン公爵家へと辿り着いた。
「なんだかいつもより速く感じたわね」
そう口を開くアンナ様は少し寂しそうな表情を見せた。 公爵家の扉の前にはメイド達がアンナ様の帰りを待っていたのだろう お出迎えをしていた。
「送ってくれてありがとう、また…ね」
その言葉を後にアンナ様は僕に背を向ける、そのまたは二度とこない……その後ろ姿をただ見つめることしかできなかった。
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