青年は救国に立ち向かうようです -帝国崩壊の時、種は一つになる-

まう

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第一章 始まり

第六話 事態は動き出したようです

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レーヴェン大陸には四大国家が存在していた。 大陸最大の国土と軍事力を保有している「ベアトリス帝国」、軍事力は大きく劣るが王政を廃止し民主制により国力を伸ばしている「エベレスタ共和国」、大陸の最北端に位置している謎多き国「ブルート国」、そして十五年前ベアトリス帝国との戦争で敗れ大陸から姿を消した「アストレア王国」

その他多くの中小の国や村が存在しているが先に挙げた三大国家がこの大陸の勢力図である。 今は三国が互いを牽制しあう形で見せかけの平和を保っていた。 がその均衡もとある出来事から徐々に崩れ始める。












「…依頼の品はこれで集まったかな」

僕がアンナ様からあの話皇太子との婚約を聞いてから一月が経った。 今僕は冒険者ギルドからの依頼で薬草採取をこなしていた。 昔は駆け出し冒険者が多くやっていた依頼だが今では僕以外受ける者が少ない依頼の一つである。
報酬のルピお金が美味しくないことと冒険者離れが理由だろう、そんなわけで僕は薬草採取に勤しんでいる。
ギルドに顔を出す度に受付の方から薬草採取の依頼を頼まれるので断れない性格の僕は受けてしまうのだ、この性格も直したほうが良いとは思うがやはり困っている人を見てしまうと情が湧くし…ただそれとは別にこういったことで他人の役に立っていると思うとこの依頼も誇らしく感じる。

(……アンナ様)

ふと彼女の名前を心の中で思い出す、ちょうど一月前の話から一週間が過ぎた頃、皇太子とアンナ様の婚約が国を挙げて大々的に発表された。 帝都はもちろん全ての帝国領の臣民が祝福してくれたことだろう。 だけど僕は、本当は一番に喜ばなきゃいけないはずなのに…素直に喜べない自分に嫌気が差す。

(心せまいよなー)

僕は心の中で悪態を吐きながら今日泊まる宿へと歩き始めた。 その宿はギルド直営の宿なので無料で泊まることができる、蓄えがあまりない僕としてはありがたい制度だったしこれを利用しない手はないだろう。

それに…帝都にはあまり戻りたくはなかった。








今晩の宿についた僕はカウンター席に座っている受付の女性に宿泊の手続きをしてもらう、女性から依頼達成をした労いの言葉を貰った後、僕は二階にある部屋へと通された。 部屋へ入った僕はドッと疲れが出たのか入るなりベッドへと倒れる。

「そういや最近手書き新聞読んでないな…」

仰向けになりながらそんなことを思い出す、薬草採取の依頼で帝都を出て以来一週間は手書き新聞を読んでなかった…まあ今はそういうのを読む気にもなれなかったし。 

「まあ明日の朝にはここにも来るだろうし今日の分はいいや」

そんなことを考えてる内に僕の意識が遠くなっていき……












夢を、見た

幼い頃の夢、僕達がまだ三人一緒だった頃…

「わたし、おもうことがあってね」

そう、アンナ様が言ったんだ。

「せかいじゅうのひとたちがみんななかよしになったらいいのにって」

その言葉にローザはすごく感激していたけど、僕はなんていったかな? そんなこと無理だよーとか言った気がする。

「むりなんかじゃないもん、みんながてをあわせればみんながしあわせになれるわ ナナキもローザもてつだって」

幼い頃の、あまりにも壮大で残酷な夢物語…









「…なんだろう」

そんなことを思いながら僕は目が覚める。 夢の内容はイマイチ思い出せないがなんだかすごく懐かしい夢を見た気がする、少しも内容が思い出せないのが少し残念だな。

「もう日も出てるし…朝ご飯できてるかも」

そうなんとなく考えベッドから起き上がる、そして身支度を整えると扉を開け階段を降りていく。

ふと、談話室から大勢の人達が集まっているのが目に止まる。 こんな時間から談話室が賑やかしいのは珍しいなと思って覗いてみる。

近くにいる人に聞いてみようか…

「あの…なにかあったんですか?」

僕は背の高い眼鏡をかけた男性に声をかけた、男性は僕が聞くなり興奮しながら話始めた。

「今朝届いた手書き新聞読んだか?、どえらい事件が起きたみたいだ。  どうやら……」

男性の言葉に相槌を打つ、なんだろうか? 事件って言うからもしかして内紛でも起きたのか?と頭の中で考える。

でも男性の次の言葉に、僕は言葉を失った。






















「皇太子殿下が…お亡くなりになったみたいだ。」








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