139 / 230
起転[承]乱結Λ
50話 カッシウスの啓示。
しおりを挟む
至聖所を血と臓腑に沈めたベルニク兵は、休む間もなく神殿兵の背後から襲い掛かっている。
挟撃の憂き目に遇うと、さしもの狂兵達も堅守を維持できなくなっていた。
両面から磨り潰す様に殺されていく様は、哀れな屠殺場めいても見えたが数日後に廃人となるよりは幾らかマシな死に方だろう。
「ようやく会えましたね」
煌びやかなトーガに身を包んだ男と、握手を交わすかの様な口調でトールが近付いていく。
死んだ氏族の下に隠れていたところを、面検めをするベルニク兵に発見されたのだ。
「ポンテオさん」
ルキウス・クィンクティを処刑した男の顔貌をトールが忘れるはずもない。
「い、いや――儂は――」
帝国には帝国の、船団国には船団国の正義がある。
故にトールは正邪など意に介さない。
いわんや、好悪のみである。
「殺します」
一言のみを告げてトールが聖剣で男の額を刺し貫くと、刺しどころが良かったのか即死に至らず口を開いて喋り始めた。
「儂は大神官――おにぃちゃん――だよ――あれ――儂のぷりんは?」
「──おや?」
「閣下、ポンテオと大神官は双子だそうです」
トールの背後を守っていたジャンヌが人違いを正した。
ともあれ、大神官ピラト・ペルペルナは床に崩れ落ちて死んだ。
「となると――」
至聖所の祭壇を越えた先は雰囲気の異なる空間となっている。
飾り気のない白い壁面と、台座、そして階段があり、レギオン旗艦の神殿で見た光景と重なった。
「――悪いですけど、またマリに来てもらう必要がありますね」
斬首作戦は、残すところ後一名のみである。
◇
「とりあえず、元気出してね。オジサン」
「オジサンではない」
箱舟として使ったμ艦ブリッジに、奇妙な組み合わせの面々が揃っていた。
「コルネリウスだ」
銀髪の少女クリスを見下ろし、ミネルヴァ・レギオン総督――だったコルネリウス・スカエウォラは胸を張った。
「――それに落ち込んでいる訳でもない」
直ぐにずらかろう、と言うフリッツに急かされて行った先に、コルネリウスが太い腕を組んで数名のソルジャーと共に待っていたのである。
そのままサラを連れて宇宙港へ車両で向かい、μ艦に乗り込んでレギオン旗艦を飛び立ったのだ。
「ホントかしら?」
と、クリスは疑わし気な眼差しでコルネリウスを見上げた。
ミネルヴァ・レギオンの状況に大きな変化があったのは、フリッツが逃げようと言った前日の事である。
「EPR通信が使えねぇってのは痛いよな」
前日の朝――建物を揺るがすほどの咆哮で目覚めた。
レギオン艦隊に砲撃でもされたのかと、クリスとサラは二人で身を寄せ怯えていたのだが、数分で咆哮は止み街が燃えさかる様子も無い。
フリッツに連絡しようとしたところで、誰ともEPR通信ができない事に気付いたのだ。
「どういうカラクリだよ?」
「ECMだ。帝国が持つものより範囲も強度も桁が違う」
コンクラーヴェの執り行われた詩編大聖堂やトールの屋敷の地下室等となるが、コルネリウスの言う通り既存のECMで通信を阻害できる範囲は限られている。
「贈歌によらずμが目覚め待針が戻った。ベルニクの大将の責任だぞ」
「そいつは否定しねぇけど、それがカラクリか?」
「全てを説明する時は無い。ともあれ、俺達がレギオン旗艦と呼ぶデカい貝殻は、本来はλ艦と呼ばれる代物だ」
「λ艦?」
「待針が神殿に戻った事で本来の機能を取り戻した。超広域ECMもその一つだ」
「チッ」
フリッツが舌打ちをする。
「ん、いや、待てよ。なるほどな――μ艦とリンク・モノリスは、EPR通信を持たない蛮族向けのハンデなのかと思ってたけど、実は違うんじゃねぇか?」
「ほう?」
意外そうな表情を浮かべて、コルネリウスが顎を撫でる。
「λ艦に対抗する為にこそ、EPR通信不要のμ艦が存在する――」
と、囁きながらコルネリウスは遠くを見る眼差しとなった。
「過去、同じ事を言う男がいた」
「やっぱ、そうだよな! EPR通信を広範囲で阻害するようなのを相手にするなら、他の通信手段で連携できないと必ず負けちまう」
「カッシウスの啓示だ」
「な、何? ちょっと待て──カッシウスだと? そいつは親父の──」
「待て、フリッツ」
興奮し始めたフリッツを、コルネリウスは穏やかな眼差しで見詰めた。
「積もる話は生き残ってからにすべきだ」
「まあ、そうよね」
腕組みをして二人の会話を眺めていたクリスが口を開いた。
「あなたの不良息子が──」
全周囲モニタには巨大な貝殻──ミネルヴァのレギオン旗艦が映し出されている。
「怖い顔で追っかけて来てる訳だし」
「いや、さっきも説明した通り、追われているというより目的地が同じなんだ」
「どうだか」
ミネルヴァ・レギオンでは政変が起きていたのだ。
コルネリウスは総督の座を追われ、息子のスキピオがレギオンの実権を握っている。
この反乱が、故ルキウスが企図した計画の一部か否かは、スキピオにしか分からない。
「兎も角、まずはお前達を無事にベルニクへ帰す」
自らに言い聞かせるかのようにコルネリウスは呟いた。
「――親のけじめは、その後に付ける」
◇
<< 台座に逃げたポンテオの始末はジャンヌ中佐に任せ、閣下は師団本部へお戻り頂けないでしょうか。 大質量体が迫ってきており──>>
照射モニタに映るケヴィンも必死である。
「レギオン旗艦ですね。ん? そういえば、フリッツ君から連絡が無いな」
<< はい。クリス嬢とも連絡が取れません…… >>
ミネルヴァ・レギオンへ潜入した二人とEPR通信が途絶えて久しい。
「それは困りましたが──でも、ボクが行かないとさらに不味い事になります」
「は、はあ?」
――ボクが行かないと、ポンテオさんを始末してる間にこちらの時が流れ過ぎてしまう……。
抗エントロピー場の影響で、台座の先は刻《とき》の進みが遅いのだ。
だが、ベルツ、そしてミネルヴァでも、トールが行って戻った場合には抗エントロピー場の影響を受けていない。
――銀髪も無くならないし――ボクって何なんだろう?
「ケヴィン少将、いや戻ったら中将になってもらいますが――」
どこまで己を買い被ってくれるのだと、もはやケヴィンは怖くなり始めている。
「その為にも、しっかりと後方を守って下さいね」
「それは無論ですが──」
「レギオン旗艦の到着予定時刻は?」
「六時間後には十光秒付近となります」
その距離まで近付けば、FAT通信でもリアルタイムな意思の疎通が可能となる。
スキピオ・スカエウォラも何らかの意思表示を示すと見込まれていた。
「聖骸布艦隊は首船から五光秒付近まで退避させ、立体円筒陣にて相対距離を保ってもらいます」
「逃げられるように、でしょうか?」
「ケヴィンさんも追いかけないと駄目ですよ。彼等だけではポータルを通れませんから」
「閣下ッ!!」
ケヴィンの怒りを感じ取ったトールは真剣な表情を浮かべた。
「そうしない為にも、待針の森へはボクも行くほかないのです」
「――承知しました」
「では、ジャンヌ中佐、マリ。あ――あとはブリジットさん」
台座の傍には、呼び寄せたマリ達が既に控えている。
「行きましょう!」
挟撃の憂き目に遇うと、さしもの狂兵達も堅守を維持できなくなっていた。
両面から磨り潰す様に殺されていく様は、哀れな屠殺場めいても見えたが数日後に廃人となるよりは幾らかマシな死に方だろう。
「ようやく会えましたね」
煌びやかなトーガに身を包んだ男と、握手を交わすかの様な口調でトールが近付いていく。
死んだ氏族の下に隠れていたところを、面検めをするベルニク兵に発見されたのだ。
「ポンテオさん」
ルキウス・クィンクティを処刑した男の顔貌をトールが忘れるはずもない。
「い、いや――儂は――」
帝国には帝国の、船団国には船団国の正義がある。
故にトールは正邪など意に介さない。
いわんや、好悪のみである。
「殺します」
一言のみを告げてトールが聖剣で男の額を刺し貫くと、刺しどころが良かったのか即死に至らず口を開いて喋り始めた。
「儂は大神官――おにぃちゃん――だよ――あれ――儂のぷりんは?」
「──おや?」
「閣下、ポンテオと大神官は双子だそうです」
トールの背後を守っていたジャンヌが人違いを正した。
ともあれ、大神官ピラト・ペルペルナは床に崩れ落ちて死んだ。
「となると――」
至聖所の祭壇を越えた先は雰囲気の異なる空間となっている。
飾り気のない白い壁面と、台座、そして階段があり、レギオン旗艦の神殿で見た光景と重なった。
「――悪いですけど、またマリに来てもらう必要がありますね」
斬首作戦は、残すところ後一名のみである。
◇
「とりあえず、元気出してね。オジサン」
「オジサンではない」
箱舟として使ったμ艦ブリッジに、奇妙な組み合わせの面々が揃っていた。
「コルネリウスだ」
銀髪の少女クリスを見下ろし、ミネルヴァ・レギオン総督――だったコルネリウス・スカエウォラは胸を張った。
「――それに落ち込んでいる訳でもない」
直ぐにずらかろう、と言うフリッツに急かされて行った先に、コルネリウスが太い腕を組んで数名のソルジャーと共に待っていたのである。
そのままサラを連れて宇宙港へ車両で向かい、μ艦に乗り込んでレギオン旗艦を飛び立ったのだ。
「ホントかしら?」
と、クリスは疑わし気な眼差しでコルネリウスを見上げた。
ミネルヴァ・レギオンの状況に大きな変化があったのは、フリッツが逃げようと言った前日の事である。
「EPR通信が使えねぇってのは痛いよな」
前日の朝――建物を揺るがすほどの咆哮で目覚めた。
レギオン艦隊に砲撃でもされたのかと、クリスとサラは二人で身を寄せ怯えていたのだが、数分で咆哮は止み街が燃えさかる様子も無い。
フリッツに連絡しようとしたところで、誰ともEPR通信ができない事に気付いたのだ。
「どういうカラクリだよ?」
「ECMだ。帝国が持つものより範囲も強度も桁が違う」
コンクラーヴェの執り行われた詩編大聖堂やトールの屋敷の地下室等となるが、コルネリウスの言う通り既存のECMで通信を阻害できる範囲は限られている。
「贈歌によらずμが目覚め待針が戻った。ベルニクの大将の責任だぞ」
「そいつは否定しねぇけど、それがカラクリか?」
「全てを説明する時は無い。ともあれ、俺達がレギオン旗艦と呼ぶデカい貝殻は、本来はλ艦と呼ばれる代物だ」
「λ艦?」
「待針が神殿に戻った事で本来の機能を取り戻した。超広域ECMもその一つだ」
「チッ」
フリッツが舌打ちをする。
「ん、いや、待てよ。なるほどな――μ艦とリンク・モノリスは、EPR通信を持たない蛮族向けのハンデなのかと思ってたけど、実は違うんじゃねぇか?」
「ほう?」
意外そうな表情を浮かべて、コルネリウスが顎を撫でる。
「λ艦に対抗する為にこそ、EPR通信不要のμ艦が存在する――」
と、囁きながらコルネリウスは遠くを見る眼差しとなった。
「過去、同じ事を言う男がいた」
「やっぱ、そうだよな! EPR通信を広範囲で阻害するようなのを相手にするなら、他の通信手段で連携できないと必ず負けちまう」
「カッシウスの啓示だ」
「な、何? ちょっと待て──カッシウスだと? そいつは親父の──」
「待て、フリッツ」
興奮し始めたフリッツを、コルネリウスは穏やかな眼差しで見詰めた。
「積もる話は生き残ってからにすべきだ」
「まあ、そうよね」
腕組みをして二人の会話を眺めていたクリスが口を開いた。
「あなたの不良息子が──」
全周囲モニタには巨大な貝殻──ミネルヴァのレギオン旗艦が映し出されている。
「怖い顔で追っかけて来てる訳だし」
「いや、さっきも説明した通り、追われているというより目的地が同じなんだ」
「どうだか」
ミネルヴァ・レギオンでは政変が起きていたのだ。
コルネリウスは総督の座を追われ、息子のスキピオがレギオンの実権を握っている。
この反乱が、故ルキウスが企図した計画の一部か否かは、スキピオにしか分からない。
「兎も角、まずはお前達を無事にベルニクへ帰す」
自らに言い聞かせるかのようにコルネリウスは呟いた。
「――親のけじめは、その後に付ける」
◇
<< 台座に逃げたポンテオの始末はジャンヌ中佐に任せ、閣下は師団本部へお戻り頂けないでしょうか。 大質量体が迫ってきており──>>
照射モニタに映るケヴィンも必死である。
「レギオン旗艦ですね。ん? そういえば、フリッツ君から連絡が無いな」
<< はい。クリス嬢とも連絡が取れません…… >>
ミネルヴァ・レギオンへ潜入した二人とEPR通信が途絶えて久しい。
「それは困りましたが──でも、ボクが行かないとさらに不味い事になります」
「は、はあ?」
――ボクが行かないと、ポンテオさんを始末してる間にこちらの時が流れ過ぎてしまう……。
抗エントロピー場の影響で、台座の先は刻《とき》の進みが遅いのだ。
だが、ベルツ、そしてミネルヴァでも、トールが行って戻った場合には抗エントロピー場の影響を受けていない。
――銀髪も無くならないし――ボクって何なんだろう?
「ケヴィン少将、いや戻ったら中将になってもらいますが――」
どこまで己を買い被ってくれるのだと、もはやケヴィンは怖くなり始めている。
「その為にも、しっかりと後方を守って下さいね」
「それは無論ですが──」
「レギオン旗艦の到着予定時刻は?」
「六時間後には十光秒付近となります」
その距離まで近付けば、FAT通信でもリアルタイムな意思の疎通が可能となる。
スキピオ・スカエウォラも何らかの意思表示を示すと見込まれていた。
「聖骸布艦隊は首船から五光秒付近まで退避させ、立体円筒陣にて相対距離を保ってもらいます」
「逃げられるように、でしょうか?」
「ケヴィンさんも追いかけないと駄目ですよ。彼等だけではポータルを通れませんから」
「閣下ッ!!」
ケヴィンの怒りを感じ取ったトールは真剣な表情を浮かべた。
「そうしない為にも、待針の森へはボクも行くほかないのです」
「――承知しました」
「では、ジャンヌ中佐、マリ。あ――あとはブリジットさん」
台座の傍には、呼び寄せたマリ達が既に控えている。
「行きましょう!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる