11 / 25
3章 僕の骨休めな日々
11.もふもふする骨、だと? と、その青年は言った。
しおりを挟む
僕は骨が好きだ。
いつも骨のことばかり考えている。
骨には大きく分けて内骨格と外骨格がある。
骨は体を支える役割や臓器を守る働きがあり、生命が地上を動くことができるのも骨のおかげだ。
よく目を凝らせば、骨はいたるところにある。
そう、世界は骨に満ちている――
フードを深くかぶった2人組に、ちょっと変わったブロブという組み合わせは怪しいが、ここは人外魔境の街。騒ぎさえ起こさなければ、怪しさなど気にするものはない。
「ここが、この辺で一番大きな街かぁ」
ここは地球の街ではない。鱗を持つ者、蹄を持つ者、翼を持つ者、巨大な者、小さな者、地球では考えられない造形の人々が、日常を営んでいる。僕はそのような不思議な人々の骨格を妄想して楽しむ。
もちろん、街の至るところに骨人はいた。彼らは荷物を運んだり、ゴミを拾ったり、人々の生活を支えていた。
「やっぱり骨が気になるのね」
「ああ、うん」
「でも、少し浮かない顔ね」
そうなのだ。本来ならば、骨がいるだけで、眼福ものである。
しかし、リサの言う通り、僕は何かひっかかっていた。黙々と作業する彼らに違和感のようなものが、あったのだ。
「なんか残念なんだ。よく分からないけれど、そう思うんだ」
もやもやした気分を抱えながらも、僕らは街を歩いていく。
鮮やかな布に飾られた露店の並ぶ通りを歩いていると、地面に奇妙な物がちらほら落ちているのに気がついた。
「猫か何かかと思ったけれど、なんだこれ?」
道の片隅に、見慣れない毛玉が捨ててあったのだ。獣の死骸ではなさそうだ。僕はひとつ靴の先でひっくり返してみた。裏もまた毛だるまだった。土にまみれた汚れたそれは、空気の抜けてふにゃふにゃになったボールのようだ。
「これはモクフモの殻ね。ほら、あそこで売っているわ」
リサがそう説明する。店で買ったその料理を食べて、残った残骸が道端に捨てられているらしい。
「これが殻だって?」
どうみても毛玉である。単なるもふもふの毛玉にしか見えない。
「……おいしいのかな」
この土地の食べ物は見た目の色が非常に独特だが、味は極めて普通なので食べれないことはない。
「おいしいらしいわよ」
リサは食事を必要としないので、伝聞調になってしまうが、話によると、モクフモはゆでて殻を剥いて食べるものらしい。
僕も露店で売っているのを一つだけ買い食べてみる。
「おお、これはうまい!」
丸く膨らんだこの生き物の殻は、ミカンの皮のように簡単に剥ける。殻に詰まった紫身の肉は見た目には不気味だが、引き締まっており、噛めば噛むほどに味が染みだしてくる。
僕はあっという間に完食した。
殻だけになったモクフモを見て僕は思う。
「皮のようだけれど、これは殻なんだよね……」
殻は外骨格に分類される、骨の一種であることには変わりはない。僕にとっての一番はカルシウムでできた真っ白な内骨格であるが、この外骨格も骨と思えば、もしかすると?
魔法は思う力と言う。
骨が好きな僕は、この毛玉に魔法をかけた。
僕は侮っていた。
やはり世界は広い。広すぎる。
僕は骨といえば、内骨格ばかりを見ていた。いまさらながら改めて考えてしまった。勝手な常識にとらわれていたのだ、僕は。
いつものように不思議な光が死骸を包み込む。そして、魔法が効果を発し、生まれたのは丸く膨らんだ骨である。
あぁ、魔法はなんて平等なのだろう。分け隔てなく生物の骨格たるものを導き、この世界に生み出すのだ。
「もふもふだぁ、もふもふな骨だぁ」
僕は滑らかな骨をなでまわした。こうして新感覚の骨が新たに仲間となった。
「ツトムは、本当に骨が好きなのね。私もいろいろな骨に出会えて、楽しいわ」
リサも僕の作ったもふもふな骨をなでながら、にっこり笑ったように見えた。
もふもふの骨を新たに加え、抱えて街を散策していた。
時折見かける骨人を眺めながら、歩いていると、酔っぱらってふらついていた男が、一人の少女にぶつかる場面を目撃した。
少女は骨人で、ゴミを拾う仕事をしていた。少女はゴミを拾うために屈んでいたので、男とぶつかった拍子に転倒してしまった。集めていたゴミも辺りに散乱する。
「どうして避けないんだ。ゴミが付いちまったじゃねぇか」
ぶつかった男はそのことを謝りもせず、しかも、少女を罵倒したのだ。
「チッ。酔いが冷めちまった。飲みなおすか」
男は怒鳴るだけ怒鳴って、さっさと去っていった。酔った勢いで今にも暴れだしそうだっただけに、そうならなかったことに、拍子抜けした。
――後でリサに聞いた事だが、意外なことに魔の者たちは体質的に、酒でふらふらになることはあっても、暴力的になる者は少数らしい。
少女に何も無くて良かったと思ったのもつかの間、信じられない言葉が聞こえてきた。
「酔っぱらいくらい避けろよ」
「ゴミもまともに集められないなんて。最近、奴隷の質が落ちてきているわ」
「先月、街長お抱えの術者がひとり引退して、新人が入ったそうよ。その新入りが作ったんじゃないかしら」
「もっとしっかり管理して欲しいな」
誰一人として転んだ少女のことなど心配する様子はなかった。それどころか、少女に非難の目を向けていたのだ。
「あんな小さい娘なのに」
男に非があることは誰が見ても明らかなのだが、少女の味方はいなかったのだ。居た堪れなくなった僕は少女元に駆け寄り、手を取り立ち上がらせる。
「大丈夫だった?」
すると、少女が口をひらいた。
「そのモクフモの殻、捨てる? ゴミ、下さい」
拙い口調の少女の骨人は、僕の抱えるモクフモを指差している。
「あ、これはゴミじゃないんだ。小さいのに、仕事、偉いね」
僕は可愛らしい少女語りかけるが、その言葉に反応はない。目は虚ろで、僕の言葉の意味が理解できていないようだった。
「……ゴミ、あるとき、下さい」
少女は一言、そう言って散らかったゴミを拾い始めた。
「この子は下級奴隷よ。それこそ、消耗品の道具と同じ扱いの弱い者たちよ。仕事ができなければ捨てられる」
捨てられることは、つまり、骨人は単なる骨に戻され、ゴミとして処分されるのだ。
魔の者たちの社会は基本的に弱肉強食だ。強さがモノをいい、弱ければ殺されても仕方がない、そんな場所なのだ。
骨人は力が強いとはいえ、それは人間と比べてというだけ。魔の者の中では最弱と言っても良い部類、その地位は低い。
さらに言えば、術者となる者がいなければ存在できないので、
安い労働力として使われているのだ。
「奴隷に自我は邪魔だから、あの子のような骨人が一般的なの。私のように自我がはっきりしている方が珍しいわ」
多くの場所において、言われた仕事を疑問を持たず全うする奴隷が求められるのである。
「せっかく生きているのに……」
僕が感じていた違和感はこれだ。見慣れた風景だったので、すぐには気が付かなかった。
骨人たちは動いているにも関わらず、生き生きとしていない。彼らは動いてはいるが、まとう雰囲気が気配が、理科準備室に置いてある骨格標本と同じなのだ。標本がただ動いているだけなんて、これでは魅力は半減していたのも納得できる。
ただそこにあるだけのもの。興味がない者にとっては、路肩の石と同じもの。
奴隷という身分に馴染みがなさすぎて、今まで楽観視していた。道具と同等、という言葉を深く理解していなかった。ブラックな就労形態のひとつくらいに思っていた。
疲れることを知らない骨人の少女は、先ほどのことなど無かったかのように、機械的に道に落ちたゴミを拾っては、背中の大籠に入れ続けていた。
「奴隷って、悲しいね」
目の前で虐げられている小さな骨を救うこともできない、ちっぽけな人間なのだと、僕は思い知らされたのだった。
いつも骨のことばかり考えている。
骨には大きく分けて内骨格と外骨格がある。
骨は体を支える役割や臓器を守る働きがあり、生命が地上を動くことができるのも骨のおかげだ。
よく目を凝らせば、骨はいたるところにある。
そう、世界は骨に満ちている――
フードを深くかぶった2人組に、ちょっと変わったブロブという組み合わせは怪しいが、ここは人外魔境の街。騒ぎさえ起こさなければ、怪しさなど気にするものはない。
「ここが、この辺で一番大きな街かぁ」
ここは地球の街ではない。鱗を持つ者、蹄を持つ者、翼を持つ者、巨大な者、小さな者、地球では考えられない造形の人々が、日常を営んでいる。僕はそのような不思議な人々の骨格を妄想して楽しむ。
もちろん、街の至るところに骨人はいた。彼らは荷物を運んだり、ゴミを拾ったり、人々の生活を支えていた。
「やっぱり骨が気になるのね」
「ああ、うん」
「でも、少し浮かない顔ね」
そうなのだ。本来ならば、骨がいるだけで、眼福ものである。
しかし、リサの言う通り、僕は何かひっかかっていた。黙々と作業する彼らに違和感のようなものが、あったのだ。
「なんか残念なんだ。よく分からないけれど、そう思うんだ」
もやもやした気分を抱えながらも、僕らは街を歩いていく。
鮮やかな布に飾られた露店の並ぶ通りを歩いていると、地面に奇妙な物がちらほら落ちているのに気がついた。
「猫か何かかと思ったけれど、なんだこれ?」
道の片隅に、見慣れない毛玉が捨ててあったのだ。獣の死骸ではなさそうだ。僕はひとつ靴の先でひっくり返してみた。裏もまた毛だるまだった。土にまみれた汚れたそれは、空気の抜けてふにゃふにゃになったボールのようだ。
「これはモクフモの殻ね。ほら、あそこで売っているわ」
リサがそう説明する。店で買ったその料理を食べて、残った残骸が道端に捨てられているらしい。
「これが殻だって?」
どうみても毛玉である。単なるもふもふの毛玉にしか見えない。
「……おいしいのかな」
この土地の食べ物は見た目の色が非常に独特だが、味は極めて普通なので食べれないことはない。
「おいしいらしいわよ」
リサは食事を必要としないので、伝聞調になってしまうが、話によると、モクフモはゆでて殻を剥いて食べるものらしい。
僕も露店で売っているのを一つだけ買い食べてみる。
「おお、これはうまい!」
丸く膨らんだこの生き物の殻は、ミカンの皮のように簡単に剥ける。殻に詰まった紫身の肉は見た目には不気味だが、引き締まっており、噛めば噛むほどに味が染みだしてくる。
僕はあっという間に完食した。
殻だけになったモクフモを見て僕は思う。
「皮のようだけれど、これは殻なんだよね……」
殻は外骨格に分類される、骨の一種であることには変わりはない。僕にとっての一番はカルシウムでできた真っ白な内骨格であるが、この外骨格も骨と思えば、もしかすると?
魔法は思う力と言う。
骨が好きな僕は、この毛玉に魔法をかけた。
僕は侮っていた。
やはり世界は広い。広すぎる。
僕は骨といえば、内骨格ばかりを見ていた。いまさらながら改めて考えてしまった。勝手な常識にとらわれていたのだ、僕は。
いつものように不思議な光が死骸を包み込む。そして、魔法が効果を発し、生まれたのは丸く膨らんだ骨である。
あぁ、魔法はなんて平等なのだろう。分け隔てなく生物の骨格たるものを導き、この世界に生み出すのだ。
「もふもふだぁ、もふもふな骨だぁ」
僕は滑らかな骨をなでまわした。こうして新感覚の骨が新たに仲間となった。
「ツトムは、本当に骨が好きなのね。私もいろいろな骨に出会えて、楽しいわ」
リサも僕の作ったもふもふな骨をなでながら、にっこり笑ったように見えた。
もふもふの骨を新たに加え、抱えて街を散策していた。
時折見かける骨人を眺めながら、歩いていると、酔っぱらってふらついていた男が、一人の少女にぶつかる場面を目撃した。
少女は骨人で、ゴミを拾う仕事をしていた。少女はゴミを拾うために屈んでいたので、男とぶつかった拍子に転倒してしまった。集めていたゴミも辺りに散乱する。
「どうして避けないんだ。ゴミが付いちまったじゃねぇか」
ぶつかった男はそのことを謝りもせず、しかも、少女を罵倒したのだ。
「チッ。酔いが冷めちまった。飲みなおすか」
男は怒鳴るだけ怒鳴って、さっさと去っていった。酔った勢いで今にも暴れだしそうだっただけに、そうならなかったことに、拍子抜けした。
――後でリサに聞いた事だが、意外なことに魔の者たちは体質的に、酒でふらふらになることはあっても、暴力的になる者は少数らしい。
少女に何も無くて良かったと思ったのもつかの間、信じられない言葉が聞こえてきた。
「酔っぱらいくらい避けろよ」
「ゴミもまともに集められないなんて。最近、奴隷の質が落ちてきているわ」
「先月、街長お抱えの術者がひとり引退して、新人が入ったそうよ。その新入りが作ったんじゃないかしら」
「もっとしっかり管理して欲しいな」
誰一人として転んだ少女のことなど心配する様子はなかった。それどころか、少女に非難の目を向けていたのだ。
「あんな小さい娘なのに」
男に非があることは誰が見ても明らかなのだが、少女の味方はいなかったのだ。居た堪れなくなった僕は少女元に駆け寄り、手を取り立ち上がらせる。
「大丈夫だった?」
すると、少女が口をひらいた。
「そのモクフモの殻、捨てる? ゴミ、下さい」
拙い口調の少女の骨人は、僕の抱えるモクフモを指差している。
「あ、これはゴミじゃないんだ。小さいのに、仕事、偉いね」
僕は可愛らしい少女語りかけるが、その言葉に反応はない。目は虚ろで、僕の言葉の意味が理解できていないようだった。
「……ゴミ、あるとき、下さい」
少女は一言、そう言って散らかったゴミを拾い始めた。
「この子は下級奴隷よ。それこそ、消耗品の道具と同じ扱いの弱い者たちよ。仕事ができなければ捨てられる」
捨てられることは、つまり、骨人は単なる骨に戻され、ゴミとして処分されるのだ。
魔の者たちの社会は基本的に弱肉強食だ。強さがモノをいい、弱ければ殺されても仕方がない、そんな場所なのだ。
骨人は力が強いとはいえ、それは人間と比べてというだけ。魔の者の中では最弱と言っても良い部類、その地位は低い。
さらに言えば、術者となる者がいなければ存在できないので、
安い労働力として使われているのだ。
「奴隷に自我は邪魔だから、あの子のような骨人が一般的なの。私のように自我がはっきりしている方が珍しいわ」
多くの場所において、言われた仕事を疑問を持たず全うする奴隷が求められるのである。
「せっかく生きているのに……」
僕が感じていた違和感はこれだ。見慣れた風景だったので、すぐには気が付かなかった。
骨人たちは動いているにも関わらず、生き生きとしていない。彼らは動いてはいるが、まとう雰囲気が気配が、理科準備室に置いてある骨格標本と同じなのだ。標本がただ動いているだけなんて、これでは魅力は半減していたのも納得できる。
ただそこにあるだけのもの。興味がない者にとっては、路肩の石と同じもの。
奴隷という身分に馴染みがなさすぎて、今まで楽観視していた。道具と同等、という言葉を深く理解していなかった。ブラックな就労形態のひとつくらいに思っていた。
疲れることを知らない骨人の少女は、先ほどのことなど無かったかのように、機械的に道に落ちたゴミを拾っては、背中の大籠に入れ続けていた。
「奴隷って、悲しいね」
目の前で虐げられている小さな骨を救うこともできない、ちっぽけな人間なのだと、僕は思い知らされたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
真実の愛は水晶の中に
立木
恋愛
学園の卒業を祝うパーティーの最中、レイシア・マレーニ侯爵令嬢は第三王子とピンク髪の女、その取り巻きたちによって断罪されようとしていた。
しかし断罪劇は思わぬ方向へ進んでいく。
※AIイラスト使用
※「なろう」にも重複投稿しています。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる