22 / 25
4章 僕は骨折り損で儲けもの
22・別に他の魔法が使えなくとも不便や不満はない、と、その青年は言った。
しおりを挟む
魔王軍に入ったとは言うものの、僕は重要な戦には参戦できないでいた。人間が骨人とはいえ部下を持ち、戦に参加する。それをよく思わない者たちは一定数いたのだ。武勲を立てられないような、しかし、危険の多い前線という絶妙な位置に配属されることが多かった。しかし、僕には骨たちがいた。僕が戦えたのは骨たちがいたからだ。
僕は主に骨人を使った戦の拠点設置や死体の後処理といった雑用をしていた。魔王軍の中での地位は、かなり低かったが、最前線の拠点を築いたり、斥候を蹴散らしていたこともあり、人間側での知名度は上がるばかりだった。
そして、今日も僕は前線で拠点をつくる。
骨人たちは皆、土の入った籠や水の入った桶、木材などの資材を運んでいく。子供から年寄りまで、老若男女種族関係なく骨は働いている。
彼らは軍の奴隷だ。食糧や武具といった物資を運ぶ以外に、掘りや柵、拠点を作成したり、壊れた拠点の補修作業をしているのだ。休みなく労働できる彼らは、重宝される。
僕の骨もこの作業に参加している。僕が軍に入ってから、骨を使った作業の半分は僕に回された。
彼らは嫌がらせのつもりだったのかもしれない。だが、僕は名誉だとか出世だとか興味がない。むしろ、死体の後処理などは喜んでで引き受けた。骨が、仲間が、増やせるからだ。
「みんな、今回もお疲れさま」
僕は拠点を作り終えた骨人たちを労う。作業で疲労したであろう骨人たちに骨を磨く魔法を施す。これで土汚れた彼らの骨は美しい輝きを取り戻す。
ついでに他の部隊の骨人たちにも同じ魔法使う。もの言えぬ骨人ではあったが、感謝の意を感じたような気がした。完全に僕の自己満足の行動であったが、自分の手の届く範囲で骨を労りたかった。
「この拠点は大体完成した。君は見張りを、君は周辺の見回りを」
拠点を作った骨人はそのまま周囲を守る兵となる。彼らに休息はないのだ。
僕がこの世界に来た頃は、冒険者と呼ばれる者たちが数人程度の集団で入り込んでいただけであったが、最近ではいくつかの国と共同での進軍も増えてきた。団結した人間は手ごわい。送り込まれる人間たちの連携は目を見張るものがあった。
魔の者はどうしても個が強い。団結の力は人間よりも劣る。そのため戦況は一進一退、ほぼ互角といったところだ。
今回参加した戦は、最悪と言ってもいい状況だった。
「……また骨を投入? 骨を何だと思っているんだ」
ただただ突撃させるだけ。戦略も何もなく、物量で押し切る。骨は無駄に破壊されていく。そんな現実だった。
「おまえ、そこそこな骨を作れるんだろ? オレのところの骨がそろそろ切れそうなんだ。そこら辺の壊れた骨を直して、オレにくれ」
耳は尖り、肌は青白い。典型的な魔の者の特徴を持っている。
魔の者の戦士は露出が高い服を好む。彼も例外ではない。露出が高い、豪華な装飾のなされた緋色の鎧。見ただけで、高価なものだとわかる、いわゆる貴族に属する者がする装備だ。魔の者は実力主義なので、高い身分を自分の実力と勘違いしている者などではない。彼らは正真正銘の強者である。
露出の高い服に抵抗がないのならば、もう一肌脱いで、骨になってほしいものだと僕は思う。
「あとよ、チマチマしてないで、おまえのところの骨も行かせろよ。骨を出し惜しみしても、良いことないぜ」
彼らにとって、骨は敵に突撃し破壊されるだけの単なる道具。変えのきく無尽蔵の道具、それが骨人なのだ。
「……」
骨に対する酷い扱いに、僕はいよいよ耐えきれなくなってきた。
人間と堂々と戦って破壊されたり、仲間を守るためその身を犠牲にするのは、仕方がない。戦いとはそのようなものだからだ。しかし、無為に突撃させ戦わせたり、壊されること前提にした囮など、骨を体の良い消耗品としてしか見ていない扱いは、許されざる行為だ。
魔の者たちも、人間たちも無残に骨を破壊していく。骨を破壊する者は、たとえ魔の者であっても、僕は許さない。死を持って償ってもらうことにする。
まずは多くの骨に突撃命令を出し無駄に破壊した、お前からだ。
僕は生前は神官だった骨に、彼が得意であった魔を滅する魔法をお願いする。敵を攻撃すると見せかければ、数人は暗殺できるに違いない。
「 」
彼は祈りをささげ、天に乞う。
――願いは届き、光が満ちた。これを受けた魔の者はただでは済まないのだ。
「こ、これは、滅魔法術」
突如現れた脅威に、現場は騒然とする。魔法の有効範囲にいた四人が魔法の餌食になって虫の息になっていた。
「どこだ、どこに侵入した」
いくら探しても怪しい者は見当たらない。敵の真っ只中で誰にも気づかれず敵が入り込めるような場所ではないのである。
「おかしい。この魔力は人間のものではない」
あたりに漂う魔力の残滓を鑑定したのだろう、魔力の流れは簡単にはごまかせないのだ。
(そろそろ潮時か)
味方を討ったのが僕と知れるのもすぐだろう。だが、僕は後悔していない。むしろすがすがしい気持ちだ。胸を張って誇れることをしたと、自我自賛してもいいだろう。
「貴様は、貴様が!」
その魔法の出所が、僕の従える骨人であると知れ渡り、魔の者たちは口々に言う。
「裏切るのか!」
「いや、元よりこれが狙いだったのか?」
魔の者たちは、僕を取り囲む。
「裏切るも何も、僕は最初に言った。骨のために戦うって。僕は、骨を道具扱いする君らが、嫌いになった。ただそれだけだ」
僕は決して悪びれることなく、自分の正しさを貫く。
僕は魔王に肩入れする気はない。僕は誰がなんと言おうと骨たちの味方なのだ。
「それを裏切りというなら、僕は喜んで受け入れよう」
しかし、魔の者と敵対するとは言っても、今更、人間の味方になるつもりもなかった。骨を壊す人間も嫌いなのだ。
「やんのか?」
「魔法も碌に使えぬ未熟者。それなのに我らを相手にすると? 笑わせてくれる」
「魔法が使えないなんて、不便じゃないのか?」
彼らは嘲笑する。
「別に他の魔法が使えなくとも、不便や不満はない」
もともと魔法のない場所からやってきたので、魔法が使えなくとも不便であるという意識はまったくない。骨を繰る魔法が使えるだけでも最高なことなので、それ以上のことは望む必要がない。
僕にとっては不要な技術でしかない。ましてや嫉妬したり、劣等感に苛まれるはずもない。
「人間が何か吠えているな。骨の鎧なんて、今時、初心者でも使わないぞ。それに骨の剣なんて使い物になるのか?」
彼の言う通り、僕の主要な武具は骨で作られている。魔物の牙を削ってつくった剣、魔物の骨を加工した防具。骨ではないのはリサの祈りが込められた黒い服くらいだろうか。
骨の白が、その間に覗く黒い革のコントラストで美しく映えている。僕はこれで骨の武具を気に入ってるのだが、金属製のものよりも劣っていると見る者も多く、そんな安物を身につけている僕を蔑んだ目で見ていた。
カルシウムも一応は金属だ。軽金属だけれど。しかし、だからといって、僕の骨を馬鹿にすると後悔することになる。ただの骨ではないのだ。僕の使う骨強化の魔法で、骨の剣は刃こぼれを起こさず切れ味の衰えない剣に、骨の鎧は鋼にも勝る強度を持った鎧になっている。
「じゃあ、君の首で試してあげるよ」
僕は彼の首を切り落とした。彼はそれ以上、言葉を発することはできなくなった。
そもそも敵を目の前にして、無駄口をたたいているとは、随分余裕があるものだと、僕は呆れる。
「今から僕は、僕が愛する者のために戦う」
骨を守ると決心した僕は強い。そこからは、一方的な虐殺だった。
死体が増えるたび、僕の味方は増えていく。多くの魔の者に囲まれていたが、僕は一人ではないのだ。頼もしい骨たちも一緒なのだ。彼らも理不尽な死を強いられないために、自由を勝ち取るために、僕といくのだ。
襲い来る者を一通り倒すと、雑魚は骨人に任せて僕は駆けだした。一番強力な骨の一族を仲間に引き入れようと考えていた。現在の位置からもよく見えるほど巨大で威圧感のある骨が数体、この戦場にはいたのだ。
僕は魔の者をなぎ倒し、進んでいく。自身の骨に強化の魔法をかけ、戦場を駆ける。
敵を屠る中で、骨の武具が傷がついてしまっても、僕はその場で修復できる。他の魔法が全く使えなくとも、骨に身を包む限り僕は十分に戦うことが可能なのだ。
僕の本気に対抗できる者はこの世界に多くはない。おそらく、魔王が僕と張れるくらいであろうか。しかし、その魔王は遠く離れた城にいる。この戦場はもう僕の独壇場、思うがままであった。
僕は主に骨人を使った戦の拠点設置や死体の後処理といった雑用をしていた。魔王軍の中での地位は、かなり低かったが、最前線の拠点を築いたり、斥候を蹴散らしていたこともあり、人間側での知名度は上がるばかりだった。
そして、今日も僕は前線で拠点をつくる。
骨人たちは皆、土の入った籠や水の入った桶、木材などの資材を運んでいく。子供から年寄りまで、老若男女種族関係なく骨は働いている。
彼らは軍の奴隷だ。食糧や武具といった物資を運ぶ以外に、掘りや柵、拠点を作成したり、壊れた拠点の補修作業をしているのだ。休みなく労働できる彼らは、重宝される。
僕の骨もこの作業に参加している。僕が軍に入ってから、骨を使った作業の半分は僕に回された。
彼らは嫌がらせのつもりだったのかもしれない。だが、僕は名誉だとか出世だとか興味がない。むしろ、死体の後処理などは喜んでで引き受けた。骨が、仲間が、増やせるからだ。
「みんな、今回もお疲れさま」
僕は拠点を作り終えた骨人たちを労う。作業で疲労したであろう骨人たちに骨を磨く魔法を施す。これで土汚れた彼らの骨は美しい輝きを取り戻す。
ついでに他の部隊の骨人たちにも同じ魔法使う。もの言えぬ骨人ではあったが、感謝の意を感じたような気がした。完全に僕の自己満足の行動であったが、自分の手の届く範囲で骨を労りたかった。
「この拠点は大体完成した。君は見張りを、君は周辺の見回りを」
拠点を作った骨人はそのまま周囲を守る兵となる。彼らに休息はないのだ。
僕がこの世界に来た頃は、冒険者と呼ばれる者たちが数人程度の集団で入り込んでいただけであったが、最近ではいくつかの国と共同での進軍も増えてきた。団結した人間は手ごわい。送り込まれる人間たちの連携は目を見張るものがあった。
魔の者はどうしても個が強い。団結の力は人間よりも劣る。そのため戦況は一進一退、ほぼ互角といったところだ。
今回参加した戦は、最悪と言ってもいい状況だった。
「……また骨を投入? 骨を何だと思っているんだ」
ただただ突撃させるだけ。戦略も何もなく、物量で押し切る。骨は無駄に破壊されていく。そんな現実だった。
「おまえ、そこそこな骨を作れるんだろ? オレのところの骨がそろそろ切れそうなんだ。そこら辺の壊れた骨を直して、オレにくれ」
耳は尖り、肌は青白い。典型的な魔の者の特徴を持っている。
魔の者の戦士は露出が高い服を好む。彼も例外ではない。露出が高い、豪華な装飾のなされた緋色の鎧。見ただけで、高価なものだとわかる、いわゆる貴族に属する者がする装備だ。魔の者は実力主義なので、高い身分を自分の実力と勘違いしている者などではない。彼らは正真正銘の強者である。
露出の高い服に抵抗がないのならば、もう一肌脱いで、骨になってほしいものだと僕は思う。
「あとよ、チマチマしてないで、おまえのところの骨も行かせろよ。骨を出し惜しみしても、良いことないぜ」
彼らにとって、骨は敵に突撃し破壊されるだけの単なる道具。変えのきく無尽蔵の道具、それが骨人なのだ。
「……」
骨に対する酷い扱いに、僕はいよいよ耐えきれなくなってきた。
人間と堂々と戦って破壊されたり、仲間を守るためその身を犠牲にするのは、仕方がない。戦いとはそのようなものだからだ。しかし、無為に突撃させ戦わせたり、壊されること前提にした囮など、骨を体の良い消耗品としてしか見ていない扱いは、許されざる行為だ。
魔の者たちも、人間たちも無残に骨を破壊していく。骨を破壊する者は、たとえ魔の者であっても、僕は許さない。死を持って償ってもらうことにする。
まずは多くの骨に突撃命令を出し無駄に破壊した、お前からだ。
僕は生前は神官だった骨に、彼が得意であった魔を滅する魔法をお願いする。敵を攻撃すると見せかければ、数人は暗殺できるに違いない。
「 」
彼は祈りをささげ、天に乞う。
――願いは届き、光が満ちた。これを受けた魔の者はただでは済まないのだ。
「こ、これは、滅魔法術」
突如現れた脅威に、現場は騒然とする。魔法の有効範囲にいた四人が魔法の餌食になって虫の息になっていた。
「どこだ、どこに侵入した」
いくら探しても怪しい者は見当たらない。敵の真っ只中で誰にも気づかれず敵が入り込めるような場所ではないのである。
「おかしい。この魔力は人間のものではない」
あたりに漂う魔力の残滓を鑑定したのだろう、魔力の流れは簡単にはごまかせないのだ。
(そろそろ潮時か)
味方を討ったのが僕と知れるのもすぐだろう。だが、僕は後悔していない。むしろすがすがしい気持ちだ。胸を張って誇れることをしたと、自我自賛してもいいだろう。
「貴様は、貴様が!」
その魔法の出所が、僕の従える骨人であると知れ渡り、魔の者たちは口々に言う。
「裏切るのか!」
「いや、元よりこれが狙いだったのか?」
魔の者たちは、僕を取り囲む。
「裏切るも何も、僕は最初に言った。骨のために戦うって。僕は、骨を道具扱いする君らが、嫌いになった。ただそれだけだ」
僕は決して悪びれることなく、自分の正しさを貫く。
僕は魔王に肩入れする気はない。僕は誰がなんと言おうと骨たちの味方なのだ。
「それを裏切りというなら、僕は喜んで受け入れよう」
しかし、魔の者と敵対するとは言っても、今更、人間の味方になるつもりもなかった。骨を壊す人間も嫌いなのだ。
「やんのか?」
「魔法も碌に使えぬ未熟者。それなのに我らを相手にすると? 笑わせてくれる」
「魔法が使えないなんて、不便じゃないのか?」
彼らは嘲笑する。
「別に他の魔法が使えなくとも、不便や不満はない」
もともと魔法のない場所からやってきたので、魔法が使えなくとも不便であるという意識はまったくない。骨を繰る魔法が使えるだけでも最高なことなので、それ以上のことは望む必要がない。
僕にとっては不要な技術でしかない。ましてや嫉妬したり、劣等感に苛まれるはずもない。
「人間が何か吠えているな。骨の鎧なんて、今時、初心者でも使わないぞ。それに骨の剣なんて使い物になるのか?」
彼の言う通り、僕の主要な武具は骨で作られている。魔物の牙を削ってつくった剣、魔物の骨を加工した防具。骨ではないのはリサの祈りが込められた黒い服くらいだろうか。
骨の白が、その間に覗く黒い革のコントラストで美しく映えている。僕はこれで骨の武具を気に入ってるのだが、金属製のものよりも劣っていると見る者も多く、そんな安物を身につけている僕を蔑んだ目で見ていた。
カルシウムも一応は金属だ。軽金属だけれど。しかし、だからといって、僕の骨を馬鹿にすると後悔することになる。ただの骨ではないのだ。僕の使う骨強化の魔法で、骨の剣は刃こぼれを起こさず切れ味の衰えない剣に、骨の鎧は鋼にも勝る強度を持った鎧になっている。
「じゃあ、君の首で試してあげるよ」
僕は彼の首を切り落とした。彼はそれ以上、言葉を発することはできなくなった。
そもそも敵を目の前にして、無駄口をたたいているとは、随分余裕があるものだと、僕は呆れる。
「今から僕は、僕が愛する者のために戦う」
骨を守ると決心した僕は強い。そこからは、一方的な虐殺だった。
死体が増えるたび、僕の味方は増えていく。多くの魔の者に囲まれていたが、僕は一人ではないのだ。頼もしい骨たちも一緒なのだ。彼らも理不尽な死を強いられないために、自由を勝ち取るために、僕といくのだ。
襲い来る者を一通り倒すと、雑魚は骨人に任せて僕は駆けだした。一番強力な骨の一族を仲間に引き入れようと考えていた。現在の位置からもよく見えるほど巨大で威圧感のある骨が数体、この戦場にはいたのだ。
僕は魔の者をなぎ倒し、進んでいく。自身の骨に強化の魔法をかけ、戦場を駆ける。
敵を屠る中で、骨の武具が傷がついてしまっても、僕はその場で修復できる。他の魔法が全く使えなくとも、骨に身を包む限り僕は十分に戦うことが可能なのだ。
僕の本気に対抗できる者はこの世界に多くはない。おそらく、魔王が僕と張れるくらいであろうか。しかし、その魔王は遠く離れた城にいる。この戦場はもう僕の独壇場、思うがままであった。
0
あなたにおすすめの小説
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる