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星空の中
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その日からは、目が回るような、別世界が待っていた。優しい使用人に優しいシオン様。まるで御伽噺のお姫様のよう。
「今夜はどこへ参るのですか?」
「まだ秘密。でもきっと気に入るよ。さあ、目を瞑って」
手を取られて、真っ暗な中を進む。もういいよ、と耳元で声がした。
目を開けると、ここは星空だった。比喩ではない。小高い丘。視界を遮るものは何もない。一面の星空。
「わあ……!!!」
「どうかな、僕のお気に入りスポットのひとつなんだけど」
「すごくすごく素敵です!!!なんて綺麗……」
その美しさに感動していると、そっとシオン様が手を取った。思わず見上げる。ポケットから取り出したのは……指輪だった。
「サシャ・カサンドラ。僕はあなたを愛しています。どうか僕と、結婚してください」
「!シオン様……本気、だったのですね」
「ふふっ、疑ってたの?本気だよ。あの時君に守られて、僕は救われた。僕はなんでもそつなくこなせる弟と違って、なんにも出来なかった。勉強も、運動も。僕が長男ではあったけど、家族はみんな次男に夢中。実際に家も、次男に継がせた。君が初めて「僕」を見てくれたんだ。弱虫の、ただの僕を……心底、嬉しかった。君に見合う男になりたくて、僕は騎士になったんだ。それで男として少しは成長出来たら……君を迎えに行こうと思っていた。今なら、言える。あの時、助けられた時言えなかった言葉……僕と、ずっと一緒にいてください」
「今夜はどこへ参るのですか?」
「まだ秘密。でもきっと気に入るよ。さあ、目を瞑って」
手を取られて、真っ暗な中を進む。もういいよ、と耳元で声がした。
目を開けると、ここは星空だった。比喩ではない。小高い丘。視界を遮るものは何もない。一面の星空。
「わあ……!!!」
「どうかな、僕のお気に入りスポットのひとつなんだけど」
「すごくすごく素敵です!!!なんて綺麗……」
その美しさに感動していると、そっとシオン様が手を取った。思わず見上げる。ポケットから取り出したのは……指輪だった。
「サシャ・カサンドラ。僕はあなたを愛しています。どうか僕と、結婚してください」
「!シオン様……本気、だったのですね」
「ふふっ、疑ってたの?本気だよ。あの時君に守られて、僕は救われた。僕はなんでもそつなくこなせる弟と違って、なんにも出来なかった。勉強も、運動も。僕が長男ではあったけど、家族はみんな次男に夢中。実際に家も、次男に継がせた。君が初めて「僕」を見てくれたんだ。弱虫の、ただの僕を……心底、嬉しかった。君に見合う男になりたくて、僕は騎士になったんだ。それで男として少しは成長出来たら……君を迎えに行こうと思っていた。今なら、言える。あの時、助けられた時言えなかった言葉……僕と、ずっと一緒にいてください」
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