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実験と探索
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「おーい、そんなにニヤニヤしてどうした?顔すげえことになってるぞ」
「いやー、んふふ……ふふふ。ねえ、帰ったら実験したいからまた森行きましょ!」
「おう、いいぜ!って、俺もつい反応しちまったけど、試験後だぞ?疲れてねえの?」
余裕よ!とでもいう様に腕を組んでみせると、少し呆れた顔をしつつも、内心アンジエも楽しそうにしているのがわかる。
何を隠そう、私は”探検”と”実験”というお嬢様らしからぬ趣味をもっている。実験はアンジエの影響もあるが、一応どちらも記憶が戻る前からのものだ。しかし原作ではヴィーに実験という趣味はあれど、探検はない。
ならばどうして探検という趣味が生まれたのか。それは、私の前世の趣味を引き継いでいるからではないかと思っている。前世の私は田舎住みで、近所には森に山、河、などなど自然がたくさんあり、そこが大好きだった。私はいきなり7歳のヴィーに意識が入り込んだわけではなく、前世の記憶が眠ったまま7歳まで過ごしていただけ。つまり、生まれた時から前世の”私”が無意識下で存在し続けていたのだ。それなら、その影響を記憶が戻る前から受けていても、何らおかしくはないはず。だが、もちろんこれを確かめる術はない。私は探検と実験が好き、それだけだ。
それにこの趣味、なかなか役立つことが多い。飛び級試験を受ける気になったのも、これが理由だ。
薬草学Ⅰは1年生の必修科目で、Ⅱが2年生の必修科目。その追加の試験を受けた理由として、勿論もう知っていることを習うのはつまらない、というのもあるが、正直ちょっとした下心もある。もし受かったら、あのレウザン様と授業が被るかもしれないのだ。ドゥレ・エ・ノワールでは、攻略対象キャラクターが隠しも含め計6人おり、その中で同級生が3人、1つ上が2人、そして年齢不詳が1人いる。つまりその2人と授業が被る可能性が存在するのである。それに気づいたときはこの趣味を持っている自分を褒めたたえた。けれどここだけの話、レウザン様でないもう一人の年上の方は私の中での人気順が圧倒的最下位を通り越して、あんまり好きではないゾーンに入りかけている。このゲームのキャラは多少の優劣はあれど、全員好きなのだが、何故か彼だけは、というよりも彼の個別ルートだけはどうにも好きになれないのだ。
そんなこんなで考えを巡らせていると、屋敷についた。入学、すなわち本編が始まるまであと約1ヵ月。絶対に生き残って、リーフィリを実現させてやる。そう強く心に誓い、馬車を降りた私は、再度未来に向けた一歩を踏み出した。
「いやー、んふふ……ふふふ。ねえ、帰ったら実験したいからまた森行きましょ!」
「おう、いいぜ!って、俺もつい反応しちまったけど、試験後だぞ?疲れてねえの?」
余裕よ!とでもいう様に腕を組んでみせると、少し呆れた顔をしつつも、内心アンジエも楽しそうにしているのがわかる。
何を隠そう、私は”探検”と”実験”というお嬢様らしからぬ趣味をもっている。実験はアンジエの影響もあるが、一応どちらも記憶が戻る前からのものだ。しかし原作ではヴィーに実験という趣味はあれど、探検はない。
ならばどうして探検という趣味が生まれたのか。それは、私の前世の趣味を引き継いでいるからではないかと思っている。前世の私は田舎住みで、近所には森に山、河、などなど自然がたくさんあり、そこが大好きだった。私はいきなり7歳のヴィーに意識が入り込んだわけではなく、前世の記憶が眠ったまま7歳まで過ごしていただけ。つまり、生まれた時から前世の”私”が無意識下で存在し続けていたのだ。それなら、その影響を記憶が戻る前から受けていても、何らおかしくはないはず。だが、もちろんこれを確かめる術はない。私は探検と実験が好き、それだけだ。
それにこの趣味、なかなか役立つことが多い。飛び級試験を受ける気になったのも、これが理由だ。
薬草学Ⅰは1年生の必修科目で、Ⅱが2年生の必修科目。その追加の試験を受けた理由として、勿論もう知っていることを習うのはつまらない、というのもあるが、正直ちょっとした下心もある。もし受かったら、あのレウザン様と授業が被るかもしれないのだ。ドゥレ・エ・ノワールでは、攻略対象キャラクターが隠しも含め計6人おり、その中で同級生が3人、1つ上が2人、そして年齢不詳が1人いる。つまりその2人と授業が被る可能性が存在するのである。それに気づいたときはこの趣味を持っている自分を褒めたたえた。けれどここだけの話、レウザン様でないもう一人の年上の方は私の中での人気順が圧倒的最下位を通り越して、あんまり好きではないゾーンに入りかけている。このゲームのキャラは多少の優劣はあれど、全員好きなのだが、何故か彼だけは、というよりも彼の個別ルートだけはどうにも好きになれないのだ。
そんなこんなで考えを巡らせていると、屋敷についた。入学、すなわち本編が始まるまであと約1ヵ月。絶対に生き残って、リーフィリを実現させてやる。そう強く心に誓い、馬車を降りた私は、再度未来に向けた一歩を踏み出した。
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