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最悪な出会い

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午後の授業も終わり、さあもう一度、全力ダッシュ!!!今日の放課後はリーシェンとフィリちゃんが出会うイベントが発生する。教室がそのイベントの発生する図書室から遠いのが難点だ。まあ、と言っても今回のイベント、間に入り込む気はない。だってリーフィリ空間崩したくないし???それに、フィリちゃんとリーシェンしかこのイベントでは絡まないので私に何かマイナスがある訳でもない。
なら何故走るのか。そんなの簡単だ……推し同士のファーストコンタクトなんて見たいに決まってるだろうが!!!ぜえぜえと肩で息をしながら図書室の扉を開ける。
2人の出会い方はこうだ。同じ本を取ろうとして指が触れ合い、フィリちゃんが話しかける。いや、コミュ力高いなフィリちゃん。まあそうでなくては主人公など務まらないか、なんて1人で納得してそっと適当に本棚を覗き込んでいく。2つ3つ探すと……いた。ちょうど、触れ合うところだ。当事者ではないのに、心臓がバクバクする。

「あっ、すみません……!」
「いや、こちらこそすまない……リボンの色からして同級生か。先に借りてもらっていい」

はああああ!こんな奇跡の瞬間拝めるなんてええ!!!お互い将来の伴侶と出会うシーンだよおおお!!!ああ、たまらない。エンドルフィンどぱどぱだ。

「え、でも」
「構わないと言っている」
「……じゃあ、名前を教えて?返す時に知らせるわ」
「リーシェン・カルティータだ。よろしく頼む。アンタは?」
「フィリ・オシェリタよ」
「そうか、じゃあ頼んだ……オシェリタ、さん」
「ふふっ、同級生なんだからフィリでいいわよ」
「だが、アンタは双璧の……」
「いいったらいいのよ!本人がこう言っているんだから、ね?」
「そうか……ならフィリ。ところで、それは後期の範囲だろう。お前も予習か?」
「そんなまさか!ふふっ、なんとなく表紙が素敵だから借りるだけ。私、勉強は全然よ。ここに入れたのもギリギリだし」
「……は?」

ああ、来てしまった……でもこれこそが真の始まりでもあるんだ……

「お前、週に何時間勉強している」
「?急に、どうして?」
「いいから答えろ」
「えっと……課題くらいかしら。でも別に困ってないから平気よ!学校生活を楽しむ方が大事だわ」

絶句しているリーシェン可愛い。でもああ、フィリちゃん……地雷踏み抜いたよ……。

「金輪際、俺に話しかけるな。本を返す時も声掛けは不要だ」
「え?」

そのまま無言で立ち去るリーシェン。驚いて引き止めることも出来ないフィリちゃん。辛い、辛いけども!ここを乗り越えてゆくんだフィリちゃんよ……!
リーシェンは許せないのだ。恵まれた環境にいながら、努力しない者を。第1に勉強。それしか武器がなかったリーシェン。ここら辺は難しいところだと正直思う。どちらを擁護することも出来ない。両極端な2人なのだ。
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