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遊びで飛び級
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ザクザクと、会話もそこそこに、私たちは茂みをかき分けて森を進む。
「あ、地図によればこの辺にあるはずよ」
「そうか、じゃあ、しばらくこの辺一帯を探そう」
しゃがみこんで、丹念に草を1本1本見ていく。目的の薬草は一見雑草にしか見えないため注意が必要だ。その上そっくりの毒草まである。私のせいでリーシェンの完璧な成績に傷をつけさせる訳にはいかない。魔法が上手くいかずにこうなった以上、全力で採ってやる。
「それにしても、まさかアンタが飛び級してたなんてな」
「あら、言っていなかったかしら。家の近くに森があってね、遊び場だったのよ」
そのおかげだと笑えば、リーシェンも笑みを漏らした。
「フィリに比べて、アンタが野性的なのはそのせいか」
「どういう意味かしら……?」
「そのままの意味だ」
口ではそんな言葉を吐くが、心はもうウッキウキである。あのリーシェンと私が軽口叩きあってるよ!!!ねえ、すごくない!?
「それにしたって、遊びで飛び級か」
空気が一変した。不味い。地雷だったか。弾んでいた心が一気に消沈する。しかし彼の前で運が良かったなんて言ってしまえば、それこそ終わりだ。何も言えずにいると、リーシェンがあ、と声を漏らす。
「あ、地図によればこの辺にあるはずよ」
「そうか、じゃあ、しばらくこの辺一帯を探そう」
しゃがみこんで、丹念に草を1本1本見ていく。目的の薬草は一見雑草にしか見えないため注意が必要だ。その上そっくりの毒草まである。私のせいでリーシェンの完璧な成績に傷をつけさせる訳にはいかない。魔法が上手くいかずにこうなった以上、全力で採ってやる。
「それにしても、まさかアンタが飛び級してたなんてな」
「あら、言っていなかったかしら。家の近くに森があってね、遊び場だったのよ」
そのおかげだと笑えば、リーシェンも笑みを漏らした。
「フィリに比べて、アンタが野性的なのはそのせいか」
「どういう意味かしら……?」
「そのままの意味だ」
口ではそんな言葉を吐くが、心はもうウッキウキである。あのリーシェンと私が軽口叩きあってるよ!!!ねえ、すごくない!?
「それにしたって、遊びで飛び級か」
空気が一変した。不味い。地雷だったか。弾んでいた心が一気に消沈する。しかし彼の前で運が良かったなんて言ってしまえば、それこそ終わりだ。何も言えずにいると、リーシェンがあ、と声を漏らす。
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