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「カウントダウン0」
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私達7人は、魔力の吸い取りを実行する班に振り分けられた。レフラルはこの案の失敗を意味する緊急信号役。私たち以外に学園長、父、フィリの父、他数人の魔術師が在籍。今代の王は、魔力量がそれほど多くない。安全な場所で待機となった。他の魔術師は結界を張る。
もう一度全員で、手順を確認する。レフラルが魔法陣を発動、フィリを中心に、私達は円状となる。あとはただ、己の魔力量を信じるだけ。
「パパ……ありがとう」
パパは何も言わずに私の頭を撫でた。
指定された場所、学園前にたどり着けば、禍々しいオーラが学校全体を取り巻いていた。
「これが、魔力……」
誰とも知れない一言に、みんな息を吞む。あの魔力量測りで見た美しいものとは、全てが違っていた。混沌としていて、どこが中心かわからない。どこか悲し気に見えるのは、あれが友のものだとわかっているからか。
指定位置に着いて、顔を見合わせて。
「……行きます、3、2、1」
レフラルの言葉とともに、眩しい光が私達を包み込む。それと同時に。なんだ、この胸やけするような、胃の底から湧き上がるような気持ち悪さはーー純粋な魔力が毒だということを改めて理解する。でも、これなら、行けるーー!体に力が、みなぎってくる。これがシエンの魔力。そのままの状態が数秒続いて。ふっと、力が抜ける。目を開ければ、そこにはいつもの学園があった。
「~~っ!!!」
ルディーのもとへ駆け寄ろうとした、その時。
「カウントダウン0 ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR」
地鳴りのような、この世界全体が揺らされているような、何処かで聞いたサイレンのような。
時間が、停止したような感覚に陥って。
真横から、複数の手に引っ張られるような感覚を覚えて。
ルディーの顔が、困惑に変わって。
強烈な力で、引っ張られる。
ルディーが手を伸ばし、
私が手を伸ばし、
触れ合わず。
「ーー日記!!!羽村美穂音!!!」
私が覚えていられたのは、そこまで。
もう一度全員で、手順を確認する。レフラルが魔法陣を発動、フィリを中心に、私達は円状となる。あとはただ、己の魔力量を信じるだけ。
「パパ……ありがとう」
パパは何も言わずに私の頭を撫でた。
指定された場所、学園前にたどり着けば、禍々しいオーラが学校全体を取り巻いていた。
「これが、魔力……」
誰とも知れない一言に、みんな息を吞む。あの魔力量測りで見た美しいものとは、全てが違っていた。混沌としていて、どこが中心かわからない。どこか悲し気に見えるのは、あれが友のものだとわかっているからか。
指定位置に着いて、顔を見合わせて。
「……行きます、3、2、1」
レフラルの言葉とともに、眩しい光が私達を包み込む。それと同時に。なんだ、この胸やけするような、胃の底から湧き上がるような気持ち悪さはーー純粋な魔力が毒だということを改めて理解する。でも、これなら、行けるーー!体に力が、みなぎってくる。これがシエンの魔力。そのままの状態が数秒続いて。ふっと、力が抜ける。目を開ければ、そこにはいつもの学園があった。
「~~っ!!!」
ルディーのもとへ駆け寄ろうとした、その時。
「カウントダウン0 ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR」
地鳴りのような、この世界全体が揺らされているような、何処かで聞いたサイレンのような。
時間が、停止したような感覚に陥って。
真横から、複数の手に引っ張られるような感覚を覚えて。
ルディーの顔が、困惑に変わって。
強烈な力で、引っ張られる。
ルディーが手を伸ばし、
私が手を伸ばし、
触れ合わず。
「ーー日記!!!羽村美穂音!!!」
私が覚えていられたのは、そこまで。
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