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第2章

友という存在

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こんこんと、前日の夜、部屋にノックの音が響いた。どうぞと声をかけると、そこにいたのはレウザンだった。

「どしたの、そっちからなんて珍しいね」

オレの言葉なんて意にも介さず、レウザンは真剣な顔で言う。

「ヴィーが帰ることを望まなかった場合、お前はあちらの世界へと行くのか」
「……そうするつもり。オレの居場所は、彼女だから」
「お前は、俺にとって初めてとも言える友だった。感謝している……それだけ言いたかった」

素直に驚いた。彼がそんなことを言うなんて夢にも思わなかったし、そう思われていることも意外だった……いや、嘘だ。レウザンはオレの友で、オレは彼の友だ。意外でも何でもない。オレは、オレだって、そう思ってた。

「……生きてるうちにレウザンからそんなこと言われるなんて~!!!オレってば感動!」
「茶化すな!……はあ、だがそれがお前か」

一呼吸おいて。

「……連れて、戻ってこい」
「……うん」

レウザンは出ていった。

キミがいることがおかしい世界、なんて変だよね。キミがいない世界の方が、狂ってる。オレ達の学園生活も、キミが全部つなげてくれた。オレを、変えてくれた。本来はオレが変われないんだとしたら、そんな本来、オレはいらない。キミがいてこそ、キミがいたから、この世界はここまで来れたんだ。

「ヴィー……」

もう何度目かわからない呟き。彼女は、何を思って、一人あの情報量を抱えて生きていたんだろう。自分が死ぬかもしれない恐怖と戦いながら、笑って、怒って、オレ達と過ごして。
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