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後日談
レフラルの恋物語6
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「あの、サラさん」
「ん?」
「よかったら今度の休日、街に出ませんか?」
よし、噛まなかった。ちなみに見に行くと張り切っていたヴィーをなんとか食い止めたことは秘密だ。
いいよと了承され、ひとまず安心する。
「そういえば、今まであんまり気にしたこと無かったけど、レフラルって何気にすごい人とばっかり絡んでるよね」
「?と言うと……?」
「今日の昼、食堂にパン買いに行ったら騒いでる人達がいて。真ん中にアンタいたから。両脇の人って双璧の人でしょ?」
見られてた、のか。いや、聞こえてないならいいんだけど。
「あはは……フィリと幼馴染で」
「私の家はなんの取り柄もないけどいいの?」
「!?サラさんのこと家柄で見たことなんて……」
「ふふっ、知ってる、言ってみただけ」
意地悪そうに笑うサラさんの顔の虜になってしまって。僕は結局言い返せず、今日もまた終わるのだった。
フィリが選んでくれた服を着て、待ち合わせのきっかり15分前に着く。待ち合わせ時刻から5分ほど遅れて、サラさんはやってきた。
「わあ……!!!」
紫のメッシュに大きく穴の空いたダメージジーンズ。ブカブカのコートを肩で羽織って。ノースリーブの腕にタトゥーシールがちらちら見える。メイクも綺麗にしていて、赤色の大胆なアイシャドウがよく似合ってる。道行く人誰もが振り返る、そんな容貌だった。
「すごくお似合いです!!!かっこいい!!!」
「!……ありがと……引かないんだね、こういうの」
「?何がですか?」
「こういう格好。昔友達に引かれたから」
どこか罰が悪そうに話すサラさんに、今度は素直に答えられた。
「とってもお似合いで、逆に僕が隣を歩いていいか心配になります」
「ふはっ、何それ。逆に私はレフラルのためにお洒落してきたんだから。隣にいてくれなきゃ困るよ」
それって、なんて聞き返す前に、サラさんは歩みを進めてしまう。でも、それって、それって。僕のこと、少しは男だって……恋愛対象だって……思ってくれてるのかな。
「ん?」
「よかったら今度の休日、街に出ませんか?」
よし、噛まなかった。ちなみに見に行くと張り切っていたヴィーをなんとか食い止めたことは秘密だ。
いいよと了承され、ひとまず安心する。
「そういえば、今まであんまり気にしたこと無かったけど、レフラルって何気にすごい人とばっかり絡んでるよね」
「?と言うと……?」
「今日の昼、食堂にパン買いに行ったら騒いでる人達がいて。真ん中にアンタいたから。両脇の人って双璧の人でしょ?」
見られてた、のか。いや、聞こえてないならいいんだけど。
「あはは……フィリと幼馴染で」
「私の家はなんの取り柄もないけどいいの?」
「!?サラさんのこと家柄で見たことなんて……」
「ふふっ、知ってる、言ってみただけ」
意地悪そうに笑うサラさんの顔の虜になってしまって。僕は結局言い返せず、今日もまた終わるのだった。
フィリが選んでくれた服を着て、待ち合わせのきっかり15分前に着く。待ち合わせ時刻から5分ほど遅れて、サラさんはやってきた。
「わあ……!!!」
紫のメッシュに大きく穴の空いたダメージジーンズ。ブカブカのコートを肩で羽織って。ノースリーブの腕にタトゥーシールがちらちら見える。メイクも綺麗にしていて、赤色の大胆なアイシャドウがよく似合ってる。道行く人誰もが振り返る、そんな容貌だった。
「すごくお似合いです!!!かっこいい!!!」
「!……ありがと……引かないんだね、こういうの」
「?何がですか?」
「こういう格好。昔友達に引かれたから」
どこか罰が悪そうに話すサラさんに、今度は素直に答えられた。
「とってもお似合いで、逆に僕が隣を歩いていいか心配になります」
「ふはっ、何それ。逆に私はレフラルのためにお洒落してきたんだから。隣にいてくれなきゃ困るよ」
それって、なんて聞き返す前に、サラさんは歩みを進めてしまう。でも、それって、それって。僕のこと、少しは男だって……恋愛対象だって……思ってくれてるのかな。
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