一行日記 2025年2月

犬束

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2月16日(日)

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・マルグリット・デュラス『アウトサイド』読了。

 アウトサイド、「自分の部屋から抜け出すこと」、外部で、街中で起こっていることの(新聞)記事を書くこと。

 冒頭の文章では、交差点で許可なく花を売る不法移民の青年が、二人の男に乱暴されて連行される(だろう)までの様子が描かれ、その映像を見るようで、青年の貧しい身なり、蹴散らされる美しい花々、通りをやって来た婦人たちが、花を拾い青年に代金を支払う、次々と、地面の花の総てを。

「そのあと、ムッシューたちにはアルジェリア青年を交番に連行する暇ができた。」

 文盲の中年の女工や、「ならず者」、修道女などにインタビューし、ジャンヌ・モローやメリナ・メルクーリなどの女優とかバレリーナ、歌手のポートレートを描き、サルトルやバタイユなどとの短い対話、それから、ごくプライベートな内容、ベトナムで過ごした子供時代のこと、亡くした息子、最後は「強制収容所からもどった夫」について書いた文章。
 苛烈、取り繕わない、剥き出しで、しかも美しい文章。

・朝ごはんは、キムチとイワシつみれ入りのおうどん。

・そんなこんなでのんびりしてたら、時間が押して、気がつくともう午後4時まで20分! ちょっとでも洗濯物を干して、風に当てよう。

 で、オムライスのおむすびを食べて、一休み🍙

・それにしてもアレですわ。
 時間があっという間に過ぎてて、充実もしていないのに。こんなん、イヤイヤ。

・ヴィスコンティの『シナリオ 失われた時を求めて』(ちくま文庫)を入手。
 映画で観たかった。確か、話者のマルセルはアラン・ドロン、シャルリュス男爵はマーロン・ブランドかローレンス・オリヴィエ、その恋人のモレルはヘルムート・バーガー、ゲルマント侯爵夫人がシルヴァーナ・マンガーノで、アルベルチーヌは新人女優かシャーロット・ランプリング、スワンの妻のオデットはブリジット・バルドー(自ら出演を希望)、ナポリ女王はグレタ・ガルボってキャスティングも決まってた(ヴィスコンティの腹案)のに、残念。

 シナリオはフランス語で、原作の台詞が生かされていたとか(あの場面だと、思い出せるんかな? 忘れてるどころか、そもそも頭に入ってない懸念が…)。

 びっくりなのは、プロデューサーがニコール・ステファーヌ。映画『恐るべき子供たち』のエリザベートよ。

 準備は整っていたものの、資金調達が出来ず、撮影は延期。ヴィスコンティは『ルードヴィヒ』の制作に着手し、プルーストは幻となったのでした。
 ほんと残念ーーー。

・読みたい本はたくさん。

 だけど、自分の小説も進めなくては!
 出来は難ありでも、挫けないのさ!!


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