2 / 4
『服は何故音楽を必要とするのか?』菊池成孔
しおりを挟む
サブタイトルは、
「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに
召喚された音楽たちについての考察
タイトルだけで、菊池成孔の飛び抜けたセンスを、イヤというほど思い知らされる。
流される音楽を含めて、ファッション・ショーを批評する内容です。難しい批評だとか、知識だとかは菊池成孔に任せればいい、読者はただ、彼によって描写されるショーの光景にうっとり酔えばいいだけ。
お気に入りの場面を引用しましょう。例えば、71頁からの『メンズの昏惑は払われ/そして火星の英国紳士バーバリー』では、
『「スペース・エレガンス」「魔術的リラックス」「火星の英国紳士」といったコピーが次々に湧いてきそうな、非常に奇妙で非常に美しいその服』
とか、あるいは、142頁からの『「架空タイアップ」の流行/そしてアレキサンダー・マックィーンの発狂した中世』では、
『時代考証性と世俗性をまったく欠いた、妄想と空想のバロック風衣装が延々と続き、(中略)ショー冒頭の「床に置かれたシャンデリアが狂ったように発光し、やがて上空に昇る」という演出』
などなど。
もう、引用文だけ並べたい。下手な紹介文など、書けば書くほど邪魔になるから。
実のところ、菊池成孔(共著)の『東京大学のアルバート・アイラー』と『M/D』も読みはしたものの、ほぼ頭に残っていない粗雑な鳥頭。そんな鳥頭だっても、ここにぎっしりの美や素敵には、ノックアウトされてしまいました。
「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに
召喚された音楽たちについての考察
タイトルだけで、菊池成孔の飛び抜けたセンスを、イヤというほど思い知らされる。
流される音楽を含めて、ファッション・ショーを批評する内容です。難しい批評だとか、知識だとかは菊池成孔に任せればいい、読者はただ、彼によって描写されるショーの光景にうっとり酔えばいいだけ。
お気に入りの場面を引用しましょう。例えば、71頁からの『メンズの昏惑は払われ/そして火星の英国紳士バーバリー』では、
『「スペース・エレガンス」「魔術的リラックス」「火星の英国紳士」といったコピーが次々に湧いてきそうな、非常に奇妙で非常に美しいその服』
とか、あるいは、142頁からの『「架空タイアップ」の流行/そしてアレキサンダー・マックィーンの発狂した中世』では、
『時代考証性と世俗性をまったく欠いた、妄想と空想のバロック風衣装が延々と続き、(中略)ショー冒頭の「床に置かれたシャンデリアが狂ったように発光し、やがて上空に昇る」という演出』
などなど。
もう、引用文だけ並べたい。下手な紹介文など、書けば書くほど邪魔になるから。
実のところ、菊池成孔(共著)の『東京大学のアルバート・アイラー』と『M/D』も読みはしたものの、ほぼ頭に残っていない粗雑な鳥頭。そんな鳥頭だっても、ここにぎっしりの美や素敵には、ノックアウトされてしまいました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる