小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
5 / 346
小助くんと森のなかまたち

木のぼりのれんしゅう

しおりを挟む
 森の中でクマやオオカミといっしょに遊んでからというもの、小助は森へ行くのがいつも楽しみになってきました。

 こわいもの知らずの小助は、今日も森であそぼうとよちよち歩きで進んでいきます。小助は2本足で歩こうとがんばりますが、とちゅうでおしりをついたりしてなかなかうまく歩けません。

 それでも、小助はなかないですぐに立つと少しずつ森のほうへ近づいています。お母さんは、自分の足で歩こうとする小助のようすを後ろから見まもっています。

「こないだまで4本足で歩いていたのが、いつの間にか2本足で歩けるようになるとは」

 森の中へ入っても、小助は歩いているとちゅうでなんども前にころんだりします。それでも、小助は大すきな森の中でぼうけんしようとゆっくり前へすすんでいきます。

 そこへ声をかけてきたのは、リスの兄弟です。小助はすぐにふり向くと、リスの兄弟がいる大きな木を見上げています。

「ねえねえ、ねえねえ」

 人間の赤ちゃんのよび声に、リスたちはすぐ下にいる小助のすがたを見ようとします。小助は自分の思いをつたえようと大きな木にしがみつきました。

 そこから上へのぼろうとする小助ですが、手足を動かしてもなかなかのぼることができません。地面へ後ろからおちた小助は、その場でなき出してしまいました。

 そんな小助をはげまそうと、リスの兄弟が大きな木をかけおりてきました。

「ぼうや、木のぼりができないの?」
「う、うん……」

 リスたちは、小助が木のぼりをしたがっていることを知っています。すると、近くの木へやってきたサルがそのようすを見るとすぐにとびおりました。

 サルは、小助のそばへやってくるとはらがけ1まいのかわいい赤ちゃんのすがたをジロジロと見ています。

「これが人間の赤ちゃんか、はじめて見る顔だなあ」

 小助は、自分の顔をじっと見ているサルのしぐさにキャッキャッとわらっています。赤ちゃんのわらい声に、サルのほうもつられてわらい出しました。

「そうそう、お前の名前は?」
「小助! 小助! 小助!」
「そうかそうか、お前は小助という名前なんだな」

 小助は、大きな声で自分の名前をなんどもしゃべっています。これだけ言えば、リスもサルも小助の名前をすぐにおぼえられそうです。

「小助、もしかしてあの木にのぼりたいのかな?」
「うん!」

 サルのことばにうなずいた小助は、よちよち歩きで大きな木のそばへやってきました。これから行うのは、サルが教える木のぼりのしかたです。

「どうやって木をのぼるのか、よく見てごらん」

 まずは、サルが自分で太いえだのところまでのぼっていきます。いつも木のぼりをしているとあって、こんなことぐらい手なれたものです。

「小助ものぼってごらん」

 小助は大きな木にしがみつくと、サルのいるところまでのぼろうと手足をうごかしていきます。

「よいしょ、よいしょ……。わっ!」

 小助はサルのようにうまくのぼりたいところですが、なかなかうまくいきません。けれども、そんなことにめげることなく木のぼりをつづけます。

「小助、あともうちょっとだ! がんばれ!」
「がんばって! がんばって!」

 サルとリスからのはげましをうけながら、小助は手足をつかいながらうまくのぼろうとしています。

 そして、小助はついに太いえだのところまで自分の力でのぼることができました。大きな木から見まもっていたサルとリスの兄弟もよろこんでいます。

「よくがんばったね」
「これからもっと高いところまでのぼれるようにがんばろうな」
「うん!」

 小助は、もっと高い木にのぼれるようになりたいという気もちでいっぱいです。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

四尾がつむぐえにし、そこかしこ

月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。 憧れのキラキラ王子さまが転校する。 女子たちの嘆きはひとしお。 彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。 だからとてどうこうする勇気もない。 うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。 家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。 まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。 ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、 三つのお仕事を手伝うことになったユイ。 達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。 もしかしたら、もしかしちゃうかも? そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。 結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。 いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、 はたしてユイは何を求め願うのか。 少女のちょっと不思議な冒険譚。 ここに開幕。

夜寝たくなくて朝起きたくない

一郎丸ゆう子
絵本
大人のための絵本です。現代人って夜寝たくなくて朝起きたくない人が多いな、でも、夜は寝ないと困るし、朝は起きないとなんないなんだよね、なんて考えてたら出来たお話です。絵はcanvaで描きました。

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。   (also @ なろう)

まぼろしのミッドナイトスクール

木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。

美少女仮面とその愉快な仲間たち(一般作)

ヒロイン小説研究所
児童書・童話
未来からやってきた高校生の白鳥希望は、変身して美少女仮面エスポワールとなり、3人の子ども達と事件を解決していく。未来からきて現代感覚が分からない望みにいたずらっ子の3人組が絡んで、ややコミカルな一面をもった年齢指定のない作品です。

「いっすん坊」てなんなんだ

こいちろう
児童書・童話
 ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。  自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・           

こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1〜

おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
 お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。  とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。  最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。    先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?    推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕! ※じれじれ? ※ヒーローは第2話から登場。 ※5万字前後で完結予定。 ※1日1話更新。 ※noichigoさんに転載。 ※ブザービートからはじまる恋

処理中です...