小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
105 / 346
小助くんと夏の出会い

おとまりは子グマたちといっしょ(その2)

しおりを挟む
 日がくれて、小助たちがくらす山おくもすっかりくらくなりました。いつもだったら、小助はすでにふとんの中でぐっすりねむっているころです。

 けれども、今日はいつもとちがいます。小助は、おとまりにやってきた子グマたちといっしょに外へ出てきました。お母さんも、小助たちのようすを見ようと後ろからついていきます。

 小助たちが、こんな夜中に外へ出たのにはわけがあります。それは、夕ごはんをたべているときにお母さんがあることを話しました。

「いつもだったらおねむの時間だけど、今日は夜中に池のほうへ行ってみようかな」
「なになに! なになに!」
「ふふふ、夏の夜中に池のほうへ行けばあるものが見えるよ」

 お母さんのことばを聞いた小助は、大きな池に何があるのか今から楽しみです。子グマたちも、小助といっしょに見たがっているみたいです。

 月の明かりにてらされる中を歩いていると、池のほうに何か光っているものがあつまっているのが見えました。池に近づくと、小さく光るのがいくつもとび回っています。

 小助たちがふしぎそうにそのようすをじっと見ていると、後ろからやってきたお母さんが光っているものがどんなものか教えようとしています。

「みんな、夜中に光っているこれは何かな?」
「う~ん……」

 小助と子グマは、くらい中を光ってとんでいるのがどんなものか分かりません。

「これはホタルという虫だよ」
「ホタル?」
「ホタルはねえ、夜中に池や川のほとりで光りながらとんでいるのよ」

 お母さんが教えてくれたホタルを見ようと、小助たちは池のまわりを行ったりきたりしています。そんな時、小助の耳にあの鳴き声が入ってきました。

「ケロケロッ、ケロケロケロッ」

 その声を聞いたとたん、小助は大きな池の中へドボンと大きなしぶきを上げてとびこみました。お母さんは、月の光でかすかに見える小助のようすをながめています。

「おやおや、どうしたの?」
「カエルちゃん! いっちょに(いっしょに)歌おう!」
「ぼうやがそう言うなら、みんなで歌おうかな」

 小助は大すきなカエルになりきると、元気でかわいい鳴き声を出しながら歌い出しました。その鳴き声につられるように、ハスの上にあつまったカエルたちもいっせいに歌声をひびかせています。

「ケロケロケロッ、ケロケロケロッ」
「ふふふ、小助くんはカエルになりきるのがとても上手だね」

 お母さんや子グマたちは、小助のかわいい鳴き声に耳をすませています。小助とカエルたちの歌声は、この後も夜空に向かって鳴りひびかせています。



 つぎの日の朝、小助の家の中では子どもたちのにぎやかな声が聞こえてきました。

「てへへ、やっちゃった」
「あらあら、みんなおねしょをしちゃったんんだね」

 お母さんが見ているのは、小助たちがてれわらいしているすがたです。

 小助は、この日もおふとんにでっかいおねしょをやってしまいました。子グマたちのほうも、おふとんに見事なおねしょをえがいています。

「どんなゆめを見たのかな?」
「カエルちゃんといっちょ! カエルちゃんといっちょ!」

 どうやら、小助はゆめの中でもカエルといっしょに歌おうと池の中へとびこんでしまったようです。わんぱくで元気いっぱいの小助のおねしょは、水中にとびこんだときの大きな水しぶきとそっくりです。

 ものほしにほされた子どもたちの3まいのおねしょぶとんですが、やっぱりまん中の小助がやってしまったおねしょのでっかさにはかないません。

「小助くんはいつも元気いっぱいなんだね。スイカもいっぱい食べて、あれだけの元気なゆめを見ているんだもの」

 お母さんのやさしいことばに、小助は顔を赤らめながらもいつものえがおを見せています。そんな小助は、子グマたちといっしょにおにわでじゃれ合いながらあそんでいます。

「わっ、わわわわっ!」
「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」

 子グマたちは、おすもうごっこであいかわらず強い小助のすがたにタジタジです。

 森から出てきたお母さんグマも、小助と子グマたちがなかよくあそんでいるようすをやさしそうな顔つきでながめています。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

四尾がつむぐえにし、そこかしこ

月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。 憧れのキラキラ王子さまが転校する。 女子たちの嘆きはひとしお。 彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。 だからとてどうこうする勇気もない。 うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。 家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。 まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。 ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、 三つのお仕事を手伝うことになったユイ。 達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。 もしかしたら、もしかしちゃうかも? そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。 結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。 いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、 はたしてユイは何を求め願うのか。 少女のちょっと不思議な冒険譚。 ここに開幕。

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

夜寝たくなくて朝起きたくない

一郎丸ゆう子
絵本
大人のための絵本です。現代人って夜寝たくなくて朝起きたくない人が多いな、でも、夜は寝ないと困るし、朝は起きないとなんないなんだよね、なんて考えてたら出来たお話です。絵はcanvaで描きました。

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。   (also @ なろう)

生まれることも飛ぶこともできない殻の中の僕たち

はるかず
児童書・童話
生まれることもできない卵の雛たち。 5匹の殻にこもる雛は、卵の中でそれぞれ悩みを抱えていた。 一歩生まれる勇気さえもてない悩み、美しくないかもしれない不安、現実の残酷さに打ちのめされた辛さ、頑張れば頑張るほど生まれることができない空回り、醜いことで傷つけ傷つけられる恐怖。 それぞれがそれぞれの悩みを卵の中で抱えながら、出会っていく。 彼らは世界の美しさを知ることができるのだろうか。

美少女仮面とその愉快な仲間たち(一般作)

ヒロイン小説研究所
児童書・童話
未来からやってきた高校生の白鳥希望は、変身して美少女仮面エスポワールとなり、3人の子ども達と事件を解決していく。未来からきて現代感覚が分からない望みにいたずらっ子の3人組が絡んで、ややコミカルな一面をもった年齢指定のない作品です。

まぼろしのミッドナイトスクール

木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。

【3章】GREATEST BOONS ~幼なじみのほのぼのバディがクリエイトスキルで異世界に偉大なる恩恵をもたらします!~

丹斗大巴
児童書・童話
 幼なじみの2人がグレイテストブーンズ(偉大なる恩恵)を生み出しつつ、異世界の7つの秘密を解き明かしながらほのぼの旅をする物語。  異世界に飛ばされて、小学生の年齢まで退行してしまった幼なじみの銀河と美怜。とつじょ不思議な力に目覚め、Greatest Boons(グレイテストブーンズ:偉大なる恩恵)をもたらす新しい生き物たちBoons(ブーンズ)とアイテムを生みだした! 彼らのおかげでサバイバルもトラブルもなんのその! クリエイト系の2人が旅するほのぼの異世界珍道中。  便利な「しおり」機能を使って読み進めることをお勧めします。さらに「お気に入り登録」して頂くと、最新更新のお知らせが届いて便利です! レーティング指定の描写はありませんが、万が一気になる方は、目次※マークをさけてご覧ください。

処理中です...