小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
277 / 347
小助くんと楽しい冬のきせつ

フブキちゃんと雪の家

しおりを挟む
 山おくでは、うすぐらい雲からすさまじい雪がふりつづいています。そんな中でも、小助はワン太とともに大よろこびで森のほうへ向かっています。

 小助は、雪の中をすすむたびにできる足あとを見せようとワン太をよんでいます。

「わ~い! あちあと(足あと)! あちあと!」

 雪の上には、小助とワン太の足あとが雪の上にくっきりとのこっています。小助は、冬のさむい時であってもいつもはだしでかけ回っています。

 自分たちの足あとを見ながら、小助とワン太は雪がふる中でうれしそうにはしゃぎまくっています。

 しかし、この先は雪がふりつづいて前のほうがよく見えません。風のほうもしだいに強くなってきました。

「こちゅけくん(小助くん)、大じょうぶ?」
「大じょうぶ! 大じょうぶ!」

 小助たちは、向かい風が強くふいている中で森のおくのほうへすすもうとしています。そんな時、空中に見おぼえのある女の子があらわれました。

「フブキちゃん! フブキちゃん!」
「小助くんにまた会えてわたしもうれしいわ」

 ようせいの女の子であるフブキに会うことができて、小助とワン太はとてもうれしそうです。小助は、雪の中でフブキといっしょにあそんだときのことを思い出しています。

「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」
「これからわたしの家につれていってあげるからね」

 フブキは、りょう手でキラキラと白くかがやくものを小助たちにふりかけました。すると、小助とワン太はフブキと同じくらいまで小さくなると同時に自分で空をとべるようになりました。

「わあ~っ! とべたよ! とべたよ!」
「小助くんもワン太くんも、とべるようになってうれしいね」
「うん!」

 風と雪がすさまじい中、小助たちはフブキの後ろをついて行くようにとんでいます。しばらくすると、雪におおわれたフブキの家が山のとちゅうにあるのが見えてきました。

「わ~い! 雪の家だ! 雪の家だ!」

 小助は、やねもかべも雪で作られたフブキの家に大よろこびしています。フブキが雪の引き戸をあけると、小助とワン太はそろって家の中へ入りました。

「ぼうやたち、いらっしゃい」
「とうちゃ! かあちゃ!」

 ようせいのお父さんとお母さんは、ひさしぶりに会う小助たちをやさしくむかえています。小助たちのとなりにフブキがやってくると、家の中はみんなのにぎやかなわらい声がひびきわたっています。

 すると、ようせいのお母さんは自分のほうをじっと見ている小助のすがたに気づきました。どうやら、小助はいつものおねだりをするようです。

「ぼうや、どうしたのかな?」
「おっぱい! おっぱい!」
「ふふふ、しょうがないわね。こっちへおいで」

 こうして、小助はようせいのお母さんにだかれながらおっぱいをのみはじめました。ようせいのお母さんは、小助のかわいい顔を見ながらやさしい声をかけています。

「いっぱいのんで、早く大きくなるといいね」

 小助はおっぱいをのみおえると、こんどはようせいのお父さんにだっこされながらかわいいえがおを見せています。そんなようせいのおとうさんが、りょう手で小助を目の前までだき上げたその時のことです。

「ジョパジョパジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」
「わわっ!」

 ようせいのお父さんは、小助からのおしっここうげきで自分の顔にめいちゅうされてしまいました。そんなようすに、小助はかわいい顔でうれしそうにわらっています。

「わ~い! おちっこ(おしっこ)! おちっこ!」
「はっはっは! おっぱいのんで元気なおしっこをするとは大したものじゃ」

 おしっこを食らっても、ようせいのお父さんはだっこしている小助に向かってえがおを見せています。小助のほうも、ようせいのお父さんにキャッキャッとわらい声を上げながらあまえています。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

はじめて言葉を話した青年

藤本夏実
絵本
言葉はどうやってうまれたかを考えたことはありますか?言葉の起源を考え、人との交わり方を気にしながら、書きました。はじめて言葉を話しだしたら、こんな感じかなと思います。

まほうのマカロン

もちっぱち
絵本
ちいさなおんなのこは 貧しい家庭で暮らしていました。 ある日、おんなのこは森に迷い込み、 優しいおばあちゃんに出会います。 おばあちゃんは特別なポットから 美味しいものが出てくる呪文を教え、 おんなのこはわくわくしながら帰宅します。 おうちに戻り、ポットの呪文を唱えると、 驚くべき出来事が待っていました

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】 私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)

神ちゃま

吉高雅己
絵本
☆神ちゃま☆は どんな願いも 叶えることができる 神の力を失っていた

ちびりゅうと びゃっこくんの ふしぎな てんらんかい

関谷俊博
絵本
これも いつもの だましえです。タイトルは「てんらんかい」としましたが、かなり くるしまぎれです。

冒険者ではない、世界一のトレジャーハンターになる!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」宝船竜也は先祖代々宝探しに人生を賭けるトレジャーハンターの家に生まれた。竜也の夢は両親や祖父母のような世界1番のトレジャーハンターになる事だ。だが41年前、曾祖父が現役の時代に、世界に突然ダンジョンが現れた。ダンジョンの中でだけレベルアップしたり魔術が使えたりする上に、現れるモンスターを倒すと金銀財宝貴金属を落とす分かって、世は大ダンジョン時代となった。その時代に流行っていたアニメやラノベの影響で、ダンジョンで一攫千金を狙う人たちは冒険者と呼ばれるようになった。だが、宝船家の人たちは頑なに自分たちはトレジャーハンターだと名乗っていた。

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

処理中です...