扉の向こうはあやかし飯屋

猫屋ちゃき

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1巻

1-1

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   第一話 失恋OLにうまい飯を


 習慣というのは恐ろしいものだ。すっかり身体に染みついて、無意識のうちに行動を起こさせてしまう。
 酔っていても家に帰り着くことができたり、そうと意識しなくてもあるものを決まった場所に片付けたり。習慣化した行動というのは、まるで呼吸をするようにできてしまうのだ。

「……どうしよう、これ」

 茂木もぎわかは、自宅マンションまであとわずかというところで、その習慣によって失敗したことに気がついた。手にげたスーパーの袋が重たいなあと思ったときに、ふと我に返ったのだ。
 スーパーの袋の中には、ふたり分の食材が入っている。若菜はひとり暮らしなのに。
 恋人と別れたことが頭からすっぽ抜けていて、いつものくせでふたり分の買い物をしてしまったのだ。
 三年近く付き合った恋人と別れたのは、つい先週のこと。別れたというより、ふられた。二十六歳の若菜よりも四歳若い、別の彼女ができたのだという。どうやら、しばらく二股ふたまたをかけられていたらしい。仕事が忙しくて、そんなことには一切気がつかなかった。
 ここ数ヶ月、よく夕飯を食べに来るなあとは思っていた。でも、仕事で遅くなるからなかなかゆっくりデートもできないし、料理をするのは好きだから、お家デートのつもりで若菜も気前よく手料理を振る舞っていたのだ。お礼と言って食器の後片付けをしてくれる後ろ姿を見て、結婚生活をちょっぴり意識したりもした。
 今になって思えば、あれは新しい彼女にみつぐために食費を浮かせていたのだろう。そのことに思い至ると、自分もその彼女に間接的にみつがされていたような気がして、すごくみじめな気分になった。
 それで数日間は自分のためにお金を使おうと外食して帰ったり、デリバリーを頼んだりしていた。
 だが外の味にもきてきたし、結局手間暇てまひまかけて料理するのが好きなのだと改めて気がついて、久しぶりに夕食を作ろうと張り切っていたのに……
 泣きたくなって、若菜はスーパーの袋の中をにらんだ。
 腕にずっしりとくる重みは、丸ごと買ったカボチャのせいだ。元彼がカボチャ好きだから、無意識のうちにカゴに入れてしまっていた。
 丸ごと一個なんて、はっきり言ってかなり持て余す。ひとり暮らしなら、半カットか四分の一カットで事足りるから。
 それに、若菜はカボチャがそんなに好きではない。おまけにまだ九月の終わりで、しゅんには少し早い。
 元彼の存在が当たり前になっていたことを思い知らされて、若菜は猛烈に悲しくなった。
 浮気をされていたとわかった時点で百年の恋も冷めたと思っていたのだけれど、想いはなくなっても習慣は残った。それほどまでに長く、親密に付き合っていたにもかかわらず、若菜は捨てられたのだ。
 捨てられたという事実が、今ここにきて胸にずしんとのしかかってくる。このカボチャのように。
 天ぷら、フライ、煮つけ、プリン……大して好きではないから、調理法がそのくらいしか思いつかない。この丸々一個のカボチャをどうやって消費しようかと考えると、悲しみはじわじわと強くなっていく。

「あの……大丈夫ですか?」

 不意に声をかけられ、若菜は我に返った。そして、はたから見た自分のやばさに気づく。
 夜の八時過ぎに道端でカボチャ片手に涙ぐんでいる女なんて、不気味にもほどがある。
 手の甲でさっと涙をぬぐって、若菜は声をかけてきた人に向き直った。

「すみません。大丈夫です。ちょっと、ぼーっとしてしまって」

 声をかけてくれたのは、若菜と同い年か少し上に見える男性だ。すらりと背が高く、さっぱりしょうゆ顔の優しげな人だった。
 本当に親切心からの声かけだったらしく、まだ心配そうに若菜を見ている。

「もしかして、カボチャが嫌いなんですか?」
「え?」
「カボチャを手に涙を流してたので、泣くほど嫌いなのかなって……」

 そっとカボチャを指さされ、若菜のほおはカッと熱くなる。街灯がいとうの下でも、涙の跡くらいは隠せると思っていたのだ。

「そうなんです。そんなに好きじゃないのに丸々一個買っちゃって、どうやって食べきろうって思ったら、何だか泣けてきてしまって……」

 ばっちり見られていたのなら仕方がないと、開き直って若菜は白状した。ごまかすように笑みを浮かべてしまって、痛々しいと思われなかったか不安になる。だが、男性は真剣な顔でうなずいて、それから微笑ほほえんだだけだった。

「よかったらそれ、うちで調理しましょうか? 俺、この近くで店をやってるんですけど」

 男性はよく見ると、黒のカフェエプロンっぽいものを身につけている。手には小さめのビニール袋をげていて、何か買い足しに出ていたのが見て取れた。

「この近所のお店ですか。全然知りませんでした……」

 若菜が住んでいるのは、ファミリー向け物件が多い住宅街だ。だからコンビニやスーパーは充実していても、飲食店はほとんどない。仕事柄、飲食店の情報には敏感になっていなくてはいけないから、若菜は俄然がぜん興味がわいた。

「まだ、オープンして間もないんです。あの、おいしく料理するんで、よかったら来ませんか?」

 男性は生真面目きまじめそうな様子で若菜を誘う。
 カボチャを持て余している若菜に同情したのか、若菜に持て余されているカボチャに同情したのか。
 わからなかったけれど、この人がどんな料理を作るのか気になった。だから、若菜はうなずいていた。

「はい。ごちそうになります」



 よく考えたら知らない男の人についていくなんて危ないのでは、と歩きながら気づいたものの、危険を感じるより先にその店とやらに着いてしまった。
 若菜の住んでいるマンションを通り過ぎ、一本奥まった細い道に入って古い家々の間を進んでいくと、その店はあった。

「……まんぷくどころ

 門に吊るされた提灯ちょうちんの丸っこい文字を読んで、それが店名なのだとわかる。

「どうぞ」

 そううながされて門扉もんぴを抜け、飛び石の上を歩いていくと、入り口はオーク材の重厚なドアだった。名前も看板も和風なのに。
 格式の高いフレンチレストランみたいだなと身構えたが、ドアを開けてもらって中が見えると、意外にこぢんまりしていてほっとする。

「和風創作ダイニングですか?」

 無垢材むくざいのテーブルが二脚とカウンターがあるだけの、比較的狭い店だ。店内は柔らかなオレンジ色のライトに照らされている。足元を照らす間接照明はとうで編まれた丸いかごで、南国リゾートのような雰囲気もある。和食が出てきてもいいし、アレンジをかせたイタリアンやフレンチでも違和感はないなと、若菜は分析した。

「創作ダイニング、なのかな? お客さんが喜ぶものなら何でも作りたいって思ってます」

 男性はさわやかに微笑ほほえむと、若菜に手を差し出した。少し考えてから、カボチャを渡せという意味なのだとわかって、持っていたものを男性の手に乗せた。

「嫌いなものはありますか?」
「特にありません」
「じゃあ、おいしいの作りますね」

 得意げにカボチャをかかげると、男性はカウンターの向こうのキッチンに入っていった。若菜がカウンターの椅子に腰かけようとしたところ、足に何かふわっとしたものがまとわりついてきた。

「わっ……え、子猫?」

 足元に目をらすと、白くてふわふわしたものが丸まっているのが見える。

「こら、スネ! お客さんをこかそうとするな! すみません。そいつ、人の足にまとわりつくのが好きで」
「そうなんですか……可愛い」

 スネと呼ばれた毛玉は、丸まった状態でもぞもぞと男性のいるキッチンのほうへ行ってしまった。もこもことしたお尻をわずかに振りながら動くのが愛らしい。動いている姿は、子猫というより小さな天竺鼠てんじくねずみのようだ。
 若菜は猫カフェなどのアニマルカフェにわざわざ行くことはないが、猫のいる喫茶店なんかは好きだ。思わぬ出会いに、心がほっこりする。
 若菜が毛玉に見入っている間に、男性――まんぷく処の店主は、手早く調理を進めていく。
 タマネギをいため、そこに小麦粉を加え、少し練ってから牛乳を少量ずつ入れていく。簡易的なホワイトソースを作っているのがわかった。
 そのあと、電子レンジで加熱したカボチャも加える。

(カボチャグラタンかな)

 ただよってくる甘い匂いに、若菜の身体は素直に反応した。手間がかかるわりにあまりメインという感じがしないためなかなか作らないけれど、グラタンは好きなのだ。カボチャの消費方法としてグラタンには思い至らなかったから、なおさらわくわくしてくる。
 そのままうつわに入れて焼くのかと思いきや、次に店主は白米と刻んだ野菜やキノコをフライパンで軽くいためていた。どうやら、ドリア風のものになるらしい。
 いためた白米を耐熱たいねつうつわき詰め、ソースをかけ、チーズを乗せてオーブンに入れる。
 流れるようなその動作を、若菜は邪魔にならないように見守った。
 自分も料理が趣味だからか、若菜はオープンキッチンやこういうカウンターで店の人が料理をしているのを見るのがわりと好きだったりする。ピークタイムの慌ただしい様子はつられてあせるから嫌だけれど、そうでないときは眺めているのが楽しい。
 それからしばらく待っていると、木製のプレートに乗せられたグラタン皿が運ばれてきた。

「はい、できました」
「わあ……!」

 げ目のついたチーズの香りが鼻腔びこうをくすぐり、立ち上る湯気と煮えてグツグツしているホワイトソースが視覚を刺激し、食欲をそそられる。

「いただきます」

 若菜は手を合わせ、うつわに添えられた木のスプーンを握った。そして、優しい黄色のソースとその下の米をすくう。ホカホカと湯気の出ているそれに何度か息を吹きかけるが、しっかり冷めるまで我慢できず口に運んでしまう。

「あっつ。……でも、おいしい。甘いソースとご飯がよくからんで。このお米、ただのバターライスじゃなくて、ほんのりカレー味なんですね!」

 ひと口食べただけで、そのおいしさに若菜は感激した。

「ホワイトソースにすごくコクがあって、カボチャとよく合いますね。ご飯がカレー風味だから甘めのソースが引き立ってます。それに、チーズと一緒に上にまぶしたあらめのパン粉とか、ご飯の中のキノコ類とか、異なる食感がいろいろあって口の中が楽しいです」

 はふはふと食べる合間に、若菜はこのカボチャのドリアがいかにおいしいかを伝えようとした。
 日頃、仕事の関係で様々な店に行く。大衆食堂から、人気チェーン店、ちょっとした高級レストランまで。そういうところでももちろんおいしいものにありつくことはできるが、今食べているドリアほどの感激はめったにない。
 食べているとわくわくして楽しくなるような、そんな魅力がこの料理にはあった。

「すごく食レポ、お上手ですね」
「すみません。仕事柄、ついくせで。どうおいしいのかいちいち言葉にしてしまって」
「喜んでもらえてよかったです」

 店主は若菜が食べる様子をさりげなく、だが嬉しそうに見ていた。邪魔にならない程度の視線だし、そっとおひやのおかわりをいでくれるなど、気働きも心地よい。
 小さな洋食店や昔ながらの喫茶店で食事をするのが若菜は好きなのだが、この店の雰囲気はそういった場所に似ている。常連たちによって支えられている、隠れ家的で特別感のある店に。

「ごちそうさまでした。すごくおいしかったです」

 スプーンを置いて、若菜は手を合わせた。お腹も満たされたが、それ以上に心が温かくなったのを感じている。久しぶりにうんとおいしいものを食べたという満足感だけでなく、もっと何かいいもので心が満たされていた。

「よかった。元気になったみたいで」

 店主は、安堵あんどしたように若菜を見ていた。この店に来ることになった経緯を思い出して、若菜の顔は再び熱くなる。

「……すみません。ご心配おかけしました。カボチャ持って突っ立ったまま泣いてたら不気味だし、不審に思いますよね。それなのに、声をかけてくださってありがとうございます」
「そんな、不気味だなんて。そういうことではなくて、何だか放っておけなくて……消え入りそうに見えたんですよね」
「……そんなに、生気がなかったですか……」

 苦笑いを浮かべる店主を見て、あのときの自分はよほどおかしな様子だったのだなと若菜は理解した。
 思えば、この一週間は呆然ぼうぜんとしていた。悲しんだり怒ったりせず、ただ淡々たんたんと日々をやり過ごした。そうするのが、大人だと思っていたから。
 たかが失恋ごときで、大人の女性が取り乱してはいけないと思っていたのだ。それに、浮気するような男との別れで気持ちが乱れてしまうのもしゃくだった。
 だから、つらいという感情にふたをして、しなやかに受け流したふりをしていたのだ。そのせいで突然感情が爆発してしまうなんて思いもせずに。

「何か悲しいことがあったんですか? あの……話せば楽になるかもしれませんよ。俺は、聞くことしかできませんけど」

 生真面目きまじめな様子で、店主はそう申し出てくれる。客商売が上手な人特有の気遣いなどではなく、本当に親切なのが伝わってくる。その言葉によって、こうして誰かに話を聞いてもらう機会が欲しかったのだと気づく。
 友人たちには、まだ恋人と別れたことを伝えていなかった。二十六歳という年齢は、みんなそれぞれ仕事が充実していたり、婚活に励んでいたりする。そんなポジティブな方向で忙しい人たちに、わざわざネガティブな報告をしたくなかったのだ。……そう思っていたが、実際は見栄もあったのだと思う。
 納得ずくで別れたのならまだしも、ふられたのだ。しかも浮気をされて。三年近くも付き合ったのに。そのみじめな状況を、親しい人に知られたくなかったのだと今ならわかる。
 だが、そんなふうに見栄を張ったせいで、道端でカボチャを手に涙を流すはめになった。

「実は先週、恋人にふられてしまって。平気だと思って過ごしてたんですけど、意外にショックだったみたいで。もうふたり分の夕飯を作らなくてもよくなったのに、そのことを忘れて食材をふたり分買ってしまったことに気づいて、それであんなふうになったんです。……たかが失恋なのに、恥ずかしいですよね」

 聞いてくれるというのならもうこの際話してしまえと、若菜は口を開いた。だが、やはり自分のみじめな事情を話すのは恥だと感じてしまう。もっと素直に同情を欲することができたら楽なのだけれど。

「まったく恥ずかしいことではないですよ。恋人と別れるのは、悲しいことですから。失恋って、ただ恋が終わるだけじゃなくて、それまで過ごしてきた居場所とか時間の喪失そうしつに等しいと思うんです。それが悲しくないわけありませんよ。だから、思いきり悲しんでいいんです」

 店主は言葉を選び、真剣に話した。わかりやすい励まし方ではない。だが、その言葉は若菜の胸にしっかり届いた。

「そっか……居場所や時間の喪失そうしつ。だから、こんなに悲しかったんですね。それに、悔しかったんです。私はいきなり放り出されたのに、相手にはもう新しい居場所があるんですから……」

 言いながら、そうだったのかと納得する。悔しかったから、それが邪魔をして悲しむことができなかったのだと。

「ただふられただけじゃなくて、浮気されてたんです。……二股ふたまたをかけられて、その挙句あげくに私は捨てられた。三年近く付き合ったんですけど、選ばれたのは新しいほうの彼女だった。……確かに、付き合いたてのときのような刺激はなくなってたけど、好きだったのにって思うと悔しくて……」

 一度素直に認めてしまったら、言葉は次から次へとあふれ出た。言葉と一緒に、思いも涙もあふれ出す。
 元彼とは、友人の紹介で知り合った。情報通で、おいしいものをたくさん知っている人で、若菜と気が合って、すぐに付き合い始めた。ふたりでいろんなところへ出かけたし、口に出さなくても、彼は若菜の喜びそうなものを見つけてきてくれた。食べるのが好きな人だったから、若菜は彼のために様々な料理を作れるようになった。
 喧嘩けんかもたくさんしたが、それ以上に笑い合って過ごしてきた三年。その思い出を彼が裏切って、簡単に捨て去ってしまったのが悲しくて悔しかったのだ。

「よくふられることを捨てられるって言いますけど、俺は違うと思います。お客さんは、捨てられたんじゃありません。人と人との縁にも賞味期限があって、その期限が過ぎるとぶつかることが増えたり、よくない影響を与え合ったりするようになるらしいです。だから、期限切れの縁はさっさと手放してしまったほうがいいそうです。……何かの聞きかじりですけど。とにかく、捨てられたとかではなく、よくない縁が切れたってことで、喜んでいいんですよ」
「そう、ですね」

 若菜を励まそうと、店主は力強く言う。その気持ちが嬉しくて、若菜は涙をぬぐって微笑ほほえんだ。

「何でも、おいしく食べられるときに食べてしまうのが一番ですよね。……カボチャ、おいしく食べられてよかったです。あのまま帰ってたら、きっといたませてだめにしちゃってました。ありがとうございます」

 若菜は、ここに来る前よりずっと、心が軽くなったのを感じていた。この偶然の出会いに感謝する。
 今ここにいなければ、若菜はこうして笑えなかったに違いない。打ちのめされたことに気づかぬまま、自分をごまかして日々を過ごしていたはずだ。そのせいで、立ち直るのにももっと時間がかかっただろう。

「今日は早くお出ししたいと思ったから、何だかまかないみたいなものになってしまってすみません」

 若菜の笑顔と言葉に対し、店主はおもゆそうにした。


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