案内人は苦労中!

カヲス神

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プロローグ、と見せかけて第1章!

異世界人は人喰いか?

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大っきな馬車の前には焚き火があり、そこに何人かの人が座っていた。
多分その人たちは私の前を歩いているおじさんの仲間なんだろう。
もしかすると、異世界人を拾ったと自慢したいのか⁉︎
となると、こういう会話が私の目の前でされるのか⁉︎

『おい、お前ら見ろよ~異世界人拾ったぜ』

『マジかよ!』

『スッゲー!』

『あたしにも話させてよ~』

『いんや、こいつの言葉は理解出来ないんだよ』

『なら使えないわね。捨てて来なさい』

『そんな、いいじゃないか。一人くらい』

『ダメよ。捨てて来なさい。』

『くっ、ごめんな…マイハニーに俺は頭が上がらないんだ。』

『早くなさい!夕飯、抜かされたいの⁉︎』

『ちょっ!それだけはやめて!』

『なら早く捨てて来なさい!』

『行ってきます!』

私は逝ってきますだわ。
というかこれはダメだ。
おじさんがなんかおかしくなっている。
これじゃあおじさん、ただの猫を拾ってきた小学生みたいじゃないか。
しかも奥さん?の尻に敷かれているというダメな人になってしまっている。
プラス、負の方向にしか行かないであろう腹ペコという要らない情報も追加されたし。
こんなの私の想像していたおじさんじゃない!
ならば、こんな会話は絶対に起きない!
となると、おじさんが腹ペコだという情報を引き継いで…
こんな感じかな?

『なぁ、変なものがついて来て困っているんだが』

『あらまぁ、ジョン!そういうものは出会ってからすぐに追い払わないとダメじゃない!』

『追い払ったんだよ。でも気づいたら居たんだ!』

『まぁ、なんてふてぶてしいのでしょう⁉︎これは!』

『どうすれば良い?助けてくれ!』

『…ついて来たものは仕方がないわ。非常食にしちゃいましょう』

これじゃあ私、食べられる運命じゃん!
案外あり得るかもしれないけど、私の精神的に無しで!
これはノーカン!
でもそれなら私はこれからどうなるんだろう?
あ、おじさんがみんなのところに行った。
まぁ仕方がない。
勝手に信用してついて来たんだし、腹をくくるか。
さぁ、煮るなり焼くなりお好きにどうぞ!
でも、ご飯にする時は一思いに一発で殺してくれ。
なんか体が震えている?
武者震いだ。安心しろ。
…目ぇ逸らすなって?
蝶々を見ていたんだよ。
そ、そんなことより、私の(食べられる)準備はバッ、バッチャリだ!
噛んだぁぁぁぁ!
痛くは無いけど辛い!そして恥ずかしい!
なんで妄想の世界の中でも噛むの?
自分の妄想なのに、格好つけるのもいけないだなんて!
自分の今の立ち位置を確認しろってかぁ⁉︎
無駄に高性能だなおい。
まぁいい、さぁ!ここにいる全員でかかって来い!
受けて立とうじゃないか!

ーこうして、私は人食い異世界人(仮)に決死の覚悟で挑んだのだった…
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