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15 ひさしぶりです
第47話
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わたしは覚悟を決めて、口をひらいた。
「蓮くん、ごめん。……わたし、蓮くんのこと、幼なじみだと思ってて、これからも、きっとそう。わたしは、咲也くんに本気で恋してるんだ。だから……ごめんね」
声をふるわせながら、なんとか言いきることができた。
「そうか……ダメか……」
ため息まじりに言う蓮くん。
「ホントにごめ……っ!」
わたしは言葉を切って、息をのんだ。
蓮くんの顔が、イビツにゆがんでいたから!
「愛葉一千花! にっくき魔法少女アイカよ! オレさまのうらみを思い知るがいいっ!」
もはや、蓮くんの声じゃなかった。
地の底から響いてくるような、この不快な声は――。
「一千花! はなれてっ!」
ブルームスが絶叫した。
「もう遅いわ!」
勝ちほこったようにさけんだ蓮くんの目が、赤く光った。
「――っ!」
体が石になったかのように動かない! 声も出せない!
「魔力を失ったフツーの人間と、生命力が弱まった精霊――。体の自由をうばうことは、赤子の手をひねるよりたやすい」
マズいよ! ブルームスも動けなくされた!?
「さあ、いっしょに来てもらおうか」
蓮くんが、わたしを抱きしめてきた。
ふりほどこうにも、指一本も動かない。
そのとき――。
わたしたちに向かって、走ってくる足音が聞こえた。
「一千花センパイ!」
咲也くん!?
「一千花センパイをはなせえーっ!」
ふり向くことができないけれど、たしかに咲也くんが来てくれたんだ!
「来たか、魔神リュウト。オレさまはもう、アンタの部下じゃない。命令される覚えはありませんな」
蓮くんが不敵に笑うと、足が沼にハマったみたいに、沈みこんでいく感覚がした。
「一千花センパイ! おれがぜったい、助けに行くから! ぜったいだ!」
うすれていく意識のなか、咲也くんの声は、わたしに届いていた――。
「蓮くん、ごめん。……わたし、蓮くんのこと、幼なじみだと思ってて、これからも、きっとそう。わたしは、咲也くんに本気で恋してるんだ。だから……ごめんね」
声をふるわせながら、なんとか言いきることができた。
「そうか……ダメか……」
ため息まじりに言う蓮くん。
「ホントにごめ……っ!」
わたしは言葉を切って、息をのんだ。
蓮くんの顔が、イビツにゆがんでいたから!
「愛葉一千花! にっくき魔法少女アイカよ! オレさまのうらみを思い知るがいいっ!」
もはや、蓮くんの声じゃなかった。
地の底から響いてくるような、この不快な声は――。
「一千花! はなれてっ!」
ブルームスが絶叫した。
「もう遅いわ!」
勝ちほこったようにさけんだ蓮くんの目が、赤く光った。
「――っ!」
体が石になったかのように動かない! 声も出せない!
「魔力を失ったフツーの人間と、生命力が弱まった精霊――。体の自由をうばうことは、赤子の手をひねるよりたやすい」
マズいよ! ブルームスも動けなくされた!?
「さあ、いっしょに来てもらおうか」
蓮くんが、わたしを抱きしめてきた。
ふりほどこうにも、指一本も動かない。
そのとき――。
わたしたちに向かって、走ってくる足音が聞こえた。
「一千花センパイ!」
咲也くん!?
「一千花センパイをはなせえーっ!」
ふり向くことができないけれど、たしかに咲也くんが来てくれたんだ!
「来たか、魔神リュウト。オレさまはもう、アンタの部下じゃない。命令される覚えはありませんな」
蓮くんが不敵に笑うと、足が沼にハマったみたいに、沈みこんでいく感覚がした。
「一千花センパイ! おれがぜったい、助けに行くから! ぜったいだ!」
うすれていく意識のなか、咲也くんの声は、わたしに届いていた――。
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