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一年と半年が過ぎて…。
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領地として与えられた元ヴェランザ男爵家のジェネルド領の経済状況はお世辞にも良好だとは言えなかった。ヴェランザ男爵家が取り潰された後、ミルフィナンド伯爵家の直轄領として代官を置いていたのだが、これがまた碌でもない奴だった。
領内の闇組織や違法商会、違法教会などからの賄賂と情婦にメロメロのムフムフで懐柔されまくりの鼻の下を伸ばしまくりで話しにもならなかった。
おまけにそういった不正の書類やら裏帳簿やら何から何まで全部残していたので、ほんの少し調べただけで犯罪奴隷落ちがその日の内に決定してしまったほどだ。ヒューブはその代官がなぜ不正の証拠となる書類や帳簿類を後生大事に残していたのかが分からなかった。
あまりにも愚かすぎたので、ミルフィナンド伯爵家から派遣されてきた衛兵隊及び騎士団に連行されていく闇組織、違法商会、違法教会の司祭と一緒に捕縛された代官に向かって、
「お前、馬鹿だろ」
との一言しか言えなかったし、その代官を現す言葉が浮かばなかったのだ。
改めて経営状況を調査してみると、
一・国納分の税金着服。
一・税金の違法増額。
一・違法奴隷の売買。
一・違法薬物の栽培及び売買。
一・違法賭博。
一・闇組織などからの多額の収賄。
これらの五つの違法行為が発覚し、代官邸の隠し金庫からは総額白金貨六枚分にも及ぶ財貨が出てきた。代官として赴任されてから僅か半年でこれだけの賄賂を受け取っていたとは…ヒューブはもう笑うしかなかった。その日の夜、ヒューブの寝室から乾いた笑い声が聞こえてきて怖かったとメイドの一人が証言している。
ヒューブはレッドドラゴン討伐の戦利品の莫大な私財を投じて旧ヴェランザ男爵領、現クライスト男爵領の再建に着手した。
一・領都及び領内の村々の区画整備と上下水道などの整備による衛生面と生活面の利便性の上昇。
一・公衆トイレと公衆浴場の建設。
一・スラム街の解体及び就職等の斡旋による治安回復。
一・領軍兵隊、衛兵隊、警備隊の刷新による各隊の戦力向上と綱紀の回復。
一・教会兼孤児院の修繕と多額の寄付による安価で確かな治療を受けれたり、生活面の向上、卒院者の就職率の向上。
一・領民の戸籍登録による浮浪者や浮浪孤児の激減化。
一・冒険者達とのモンスター討伐により、モンスター被害の激減化。
一・特産品の製造、販売による税収アップと領民達の収入アップ。
その他にも色々やりまくっていたら、一年が過ぎていて、この頃には元ヴェランザ男爵領であった時の面影は全く無くなっていたし、就職先が豊富で、衛生面や治安の良さ、頑張れば必ず報われるという噂が流れに流れまくって、クライスト男爵領にはかなりの人々が移住してきており、当初には約三千人くらいしかいなかった領民が今では倍以上の八千人にも膨れ上がってしまったので、Sランク冒険者としての戦闘能力に物を言わせて『魔の森』を切り拓き、開拓し、一つの大きめの村などを作り上げたりしていたら、更に人口が増えていき、何と一万人を超えてしまった。これにはヒューブから相談を受けたミルフィナンド伯爵様も苦笑いするしかなかった。
何しろヒューブは国王陛下直々に『魔の森の切り取り勝手』を許されているので、いくら寄り親であってもこれを止める事はできないし、伯爵領や寄り子貴族領付近に居着いてしまっていた難民や浮浪者達が残らずクライスト男爵領民となっていくので、正直言ってかなり助かっている部分もあったのだ。
しかし、それでもヒューブのやり方に不満を抱く者達がいなくなったわけではないので、度々苦情の手紙や嫌がらせを受けたりしている。
が、言うまでもなくその者達には何十倍もの反撃をしまくって、結局はヒューブに頭を下げて助けを乞うというのがお決まりのパターンに追い込むのだ。
そして半年が過ぎた頃、寄り親のミルフィナンド伯爵様から召喚状が届いた。
いきなりの召喚状だが、ヒューブも心当たりがない事もないので僅か十名の護衛だけを連れて伯爵様の元へと出頭した。
到着するとヒューブを待ち受けていたのは叱責などではなく、
「王都にある国立タインザード高等学園へ入学しなさい」
というものだった。
そうなのだ。
この国では貴族の子弟や令嬢が十五歳になったら各貴族領か王都にある高等学園に入学するのが法律で定められているのだ。そして別枠で平民でも成績が優秀な者も入学する事ができるのだ。
ヒューブはハッとして、
「そうか、俺も十五歳になったのか!」
と膝を叩いた。
ヒューブは初等部も中等部にも通っていないが、貴族家当主として一年半も領地経営をしてきたので、そこら辺の貴族の子弟や令嬢などよりもしっかりしているので、伯爵邸で三日も勉強したら、教師を買ってでてくれたメイド頭のジョディーさんが「首席合格間違いなし!」と太鼓判を押してくれる程の学力を身につける事ができた。
入試試験まで後、二ヶ月。
領地の事は喫緊の物以外はヒューブの信任厚い新しい代官のメルセに全て任せて勉強に没頭した。没頭しまくった。
入試の結果は…勿論、首席合格だった。
これには伯爵様も拍手喝采で首席合格のお祝いとして最高級の勉強道具品一式をプレゼントして下さったので、ちょっとだけ涙が出てしまったのは内緒だ。
領内の闇組織や違法商会、違法教会などからの賄賂と情婦にメロメロのムフムフで懐柔されまくりの鼻の下を伸ばしまくりで話しにもならなかった。
おまけにそういった不正の書類やら裏帳簿やら何から何まで全部残していたので、ほんの少し調べただけで犯罪奴隷落ちがその日の内に決定してしまったほどだ。ヒューブはその代官がなぜ不正の証拠となる書類や帳簿類を後生大事に残していたのかが分からなかった。
あまりにも愚かすぎたので、ミルフィナンド伯爵家から派遣されてきた衛兵隊及び騎士団に連行されていく闇組織、違法商会、違法教会の司祭と一緒に捕縛された代官に向かって、
「お前、馬鹿だろ」
との一言しか言えなかったし、その代官を現す言葉が浮かばなかったのだ。
改めて経営状況を調査してみると、
一・国納分の税金着服。
一・税金の違法増額。
一・違法奴隷の売買。
一・違法薬物の栽培及び売買。
一・違法賭博。
一・闇組織などからの多額の収賄。
これらの五つの違法行為が発覚し、代官邸の隠し金庫からは総額白金貨六枚分にも及ぶ財貨が出てきた。代官として赴任されてから僅か半年でこれだけの賄賂を受け取っていたとは…ヒューブはもう笑うしかなかった。その日の夜、ヒューブの寝室から乾いた笑い声が聞こえてきて怖かったとメイドの一人が証言している。
ヒューブはレッドドラゴン討伐の戦利品の莫大な私財を投じて旧ヴェランザ男爵領、現クライスト男爵領の再建に着手した。
一・領都及び領内の村々の区画整備と上下水道などの整備による衛生面と生活面の利便性の上昇。
一・公衆トイレと公衆浴場の建設。
一・スラム街の解体及び就職等の斡旋による治安回復。
一・領軍兵隊、衛兵隊、警備隊の刷新による各隊の戦力向上と綱紀の回復。
一・教会兼孤児院の修繕と多額の寄付による安価で確かな治療を受けれたり、生活面の向上、卒院者の就職率の向上。
一・領民の戸籍登録による浮浪者や浮浪孤児の激減化。
一・冒険者達とのモンスター討伐により、モンスター被害の激減化。
一・特産品の製造、販売による税収アップと領民達の収入アップ。
その他にも色々やりまくっていたら、一年が過ぎていて、この頃には元ヴェランザ男爵領であった時の面影は全く無くなっていたし、就職先が豊富で、衛生面や治安の良さ、頑張れば必ず報われるという噂が流れに流れまくって、クライスト男爵領にはかなりの人々が移住してきており、当初には約三千人くらいしかいなかった領民が今では倍以上の八千人にも膨れ上がってしまったので、Sランク冒険者としての戦闘能力に物を言わせて『魔の森』を切り拓き、開拓し、一つの大きめの村などを作り上げたりしていたら、更に人口が増えていき、何と一万人を超えてしまった。これにはヒューブから相談を受けたミルフィナンド伯爵様も苦笑いするしかなかった。
何しろヒューブは国王陛下直々に『魔の森の切り取り勝手』を許されているので、いくら寄り親であってもこれを止める事はできないし、伯爵領や寄り子貴族領付近に居着いてしまっていた難民や浮浪者達が残らずクライスト男爵領民となっていくので、正直言ってかなり助かっている部分もあったのだ。
しかし、それでもヒューブのやり方に不満を抱く者達がいなくなったわけではないので、度々苦情の手紙や嫌がらせを受けたりしている。
が、言うまでもなくその者達には何十倍もの反撃をしまくって、結局はヒューブに頭を下げて助けを乞うというのがお決まりのパターンに追い込むのだ。
そして半年が過ぎた頃、寄り親のミルフィナンド伯爵様から召喚状が届いた。
いきなりの召喚状だが、ヒューブも心当たりがない事もないので僅か十名の護衛だけを連れて伯爵様の元へと出頭した。
到着するとヒューブを待ち受けていたのは叱責などではなく、
「王都にある国立タインザード高等学園へ入学しなさい」
というものだった。
そうなのだ。
この国では貴族の子弟や令嬢が十五歳になったら各貴族領か王都にある高等学園に入学するのが法律で定められているのだ。そして別枠で平民でも成績が優秀な者も入学する事ができるのだ。
ヒューブはハッとして、
「そうか、俺も十五歳になったのか!」
と膝を叩いた。
ヒューブは初等部も中等部にも通っていないが、貴族家当主として一年半も領地経営をしてきたので、そこら辺の貴族の子弟や令嬢などよりもしっかりしているので、伯爵邸で三日も勉強したら、教師を買ってでてくれたメイド頭のジョディーさんが「首席合格間違いなし!」と太鼓判を押してくれる程の学力を身につける事ができた。
入試試験まで後、二ヶ月。
領地の事は喫緊の物以外はヒューブの信任厚い新しい代官のメルセに全て任せて勉強に没頭した。没頭しまくった。
入試の結果は…勿論、首席合格だった。
これには伯爵様も拍手喝采で首席合格のお祝いとして最高級の勉強道具品一式をプレゼントして下さったので、ちょっとだけ涙が出てしまったのは内緒だ。
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