無属性魔法しか使えない少年冒険者!!

藤城満定

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学園ダンジョン。

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 国立タイランザード高等学園の裏庭にあるダンジョン通称学園ダンジョンに挑むマリアとバルザの付き添いでヒューブも挑む約束をした月末の休日の朝、三人は十分な装備と物資を整えてダンジョンゲートにある受付カウンターでギルドカードと許可証を提示して中に入った。

「意外と明るいのね」
「そうだな。もっと薄暗いかと思ってたんだけどな」

 ダンジョンの中が明るい事に二人は少なからず驚いていた。

「ああ。それは『光り苔』のせいだよ」
「「『光り苔』?』」」

 二人は初めて聞く苔の名前に首を傾げるのへ、ヒューブが説明する。

「『光り苔』というのは苔の一種で、ダンジョンだけではなく、普通の洞窟とか森の中にも自生している、文字通りに光る苔の事だよ」
「へえ。そんなのがあるんだ?」
「初めて聞いたな」
「う~ん。確かに一般的には知られてないかもしれないね。けど、魔導ランプの素材としても使われてるんだよ?」

 そう説明すると、二人はまた驚いた。
 まさか魔導ランプに使われてるとは知らなかったし、思ってもいなかったからだ。

「こういう物は意外と身近な生活必需品として使われてるから、知っておいても損はないよ。おっと。お喋りはここまでだ。お出迎えが来てくれたよ」

 ヒューブが指差す先にはゴブリンが三匹いた。それぞれ五十cmくらいの棍棒を持って、ヒューブ達をに来ていた。

「バルザ。貴方から行く?それとも私から行く?」
「そうだな。まずはヒュ…あれ?」

 バルザがヒューブに頼むと言おうとしたのだが、そこにヒューブの姿はなかった。
 どこに行ったと見回すと、

「遅い」
「「『え?』」」

 声のするほうに目を向けると、そこにはいなくなったヒューブが太刀に血振りをくれていた。足元には首を刎ねられた三匹のゴブリンが転がっていた。
 
「「『いつの間に!?』」」

 驚く二人にヒューブは鋭い眼差しを向ける。

狩り殺しに来てる敵を前にして無駄口叩くな。喋る暇があったら狩れ殺せ。さもなきゃ死ぬぞ」

 マリアとバルザはいつもとは違う口調のヒューブを目の当たりにして背中に冷たいものを感じた。

「二度は無い。次は問答無用でダンジョンから叩き出すからな」
「「『は、はい!すいませんでした!』」」

 殺気と怒気が籠った眼差しで睨まれた二人は腰を九十度に曲げて謝った。

「行くぞ。あっちだ」
「「『はい!』」」

 ヒューブの後をついていくと、今度はゴブリンが五匹いた。内、二匹は錆びた短剣を持っていた。

「あれは誰かが落としたか、アイツらが殺した誰かが装備していた物だろう」

 その言葉にゾッとしたが、ここはさすがにバルザがを見せた。
 腰の長剣を抜き放って真っ先に斬り込んだ。
 その剣捌きはDランク冒険者資格を持っていて、また貴族の子息としての剣術の訓練を受けてきていただけの事はあった。伊達や酔狂じゃないという事か。
 あっという間に五匹のゴブリンを討伐したバルザは少しだけ呼吸を乱しているが、まあ合格点だろう。

「次はマリアだな。あそこだ」

 指差す先にはゴブリンが二匹いた。
 頷いたマリアは杖を構えて、

「渦巻く風よ。荒れ狂う風よ。我が手に集いて敵を切り裂け。エアカッター!」

 呪文を唱えて風の刃を放った。
 風の刃はゴブリンを切り裂き、二匹とも討伐する事に成功した。
 威力も練度も合格点だ。
 のゴブリンにはだが。

「マリア。出来れば『詠唱破棄』で魔法を撃てるようになると、もっと簡単にモンスターを狩れるぞ。バルザはもう少し剣を小さく振るえ。最小限の剣捌きでモンスターを斬れば体力を温存できるぞ。二人ともまだまだだが、伸びしろは十分ある。常に効率の良い戦い方をイメージしておくと、いざという時に役に立つぞ」

 荒い箇所を指摘された二人は素直に頷いた。

(この分なら三階層、頑張れば四階層まで行けるかな。五階層はさすがに無理だろうけど、鍛え方さえ間違わなければその先にも行けるかな)

 冷静に分析したヒューブは戦闘を歩きながら【索敵サーチ】を使って最短距離で狩れるモンスターの位置を探りながら一歩一歩進むのだった。
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