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傭兵訓練。
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初めての射撃訓練日から五日が過ぎ、今日からは傭兵として生き抜くための訓練を受けさせて貰える日々が始まる。
まず与えられたの、ショートライフル一挺と予備マガジン三本、リボルバーピストル一挺と予備の弾丸十六発、ハンドグレネード二発、スモークグレネード一発、ライフルソード一本、コンバットナイフ一本、マチェット一本、軍用食糧三日分、軍用物資一式。
これで裏山の森の中で一週間生き残る訓練が始まる。
軍用食糧は三日分しか用意されていないので、それを食べ尽くしたら現地調達するしかない。それが出来なければスモークグレネードを使って救援を求めるしかないのだが、それをしたら半年間は傭兵訓練を受ける事ができなくなるので、傭兵として生きる道を諦めるか、半年後まで我慢するかのどちらかを選ばなければならない。因みに半年間我慢する道を決めた場合には主に村の雑用係をしなければならない。
「ルード、マリア、ジェイド。覚悟はいいか?」
「勿論」
「当然」
「当たり前」
「そうか。なら…行ってこい!!」
「「「『おうっ!!』」」」
ルード達三人は、荷物を担いで裏山に向かう。
向かう…と思いきや、ルードの足が止まった。
「どうした、ルー『パッーン!』な!?」
ギャアァッッ!!
銃声がしたと思ったら、ジェイド悲鳴をあげてその場に転がった。足からは血が噴き出している。
「敵が一人消えた」
薄笑いを浮かべて呟いたルードは、ジェイドのリュックサックから飴玉と岩塩を奪い取って、今度こそ裏山に向かって走り出した。
そう。
これは別に違反行為じゃない。
訓練とは言え、ルード達がやろうとしていたのは傭兵としてのサバイバル訓練だから、ルードの事を味方だと勝手に思い込んでいたジェイドが間抜けだっただけの事だ。
周りは全て敵だという事を忘れてはいけない。
そんな初歩中の初歩すら忘れていたジェイドが今後傭兵として生きていけるかどうか…村人達は不安になってきた。
そんな中、長老だけが笑っていた。
「ルードは良く理解しておるのぅ」
傭兵は軍人と比べて仲間意識が薄い。
所属が同じでもそれが完全な味方だとは思っていない。仲間だと信じるには契約書を交わした場合だけだ。それでも、頭の片隅で警戒する事を忘れていない。
だから、今日の訓練が始まる前にその事も伝えていたので、契約書を交わしていなかったルードがジェイドを撃った事は当たり前の事なのだ。
長老が呟く。
「マリアとは契約書を交わしていたようじゃな。成る程、女は使い道がたくさんあるからのぅ」
長老の言うとおり、戦場では女は大人気だ。性的サービスを求める事もできるし、逆にその手を使って敵将校を暗殺する事もできる。それに女は男よりも手先が器用な者が多いから銃火器のメンテナンスを頼む軍人もいる。まあ、傭兵は自分の銃火器を他人に預けるような真似は死んでもしない。するのは相当な間抜けだけだ。
「さてさて。今年はとんでもないのが出てきたのぅ」
長老は楽しそうに笑っている。
「じ、爺ちゃん。助けて」
「黙れ。出来損ないの馬鹿孫が。お前には雑用係がお似合いじゃ。全く。コレが儂の孫とは何とも情けない事じゃて」
そう。
ジェイドは長老の孫なのだ。
長老はバルドに罵声を浴びせると、鼻を鳴らして立ち去っていった。残されたのは足を押さえて痛そうに泣いているジェイドと教会の司祭様だけだった。
ルードはマリアとは契約書を交わしているので敵対する事は無いだろうが、それでも警戒している。
とは言え、これで生存者は二人だけ。
村人達は今回のサバイバル訓練で賭け事をしていたので、ジェイドに賭けていた人はガックリと肩を落とし、逆にルードとマリアに賭けていた人はニコニコと笑顔を浮かべている。
「初日から大番狂わせだな!」
誰かがそう叫んだ。
まず与えられたの、ショートライフル一挺と予備マガジン三本、リボルバーピストル一挺と予備の弾丸十六発、ハンドグレネード二発、スモークグレネード一発、ライフルソード一本、コンバットナイフ一本、マチェット一本、軍用食糧三日分、軍用物資一式。
これで裏山の森の中で一週間生き残る訓練が始まる。
軍用食糧は三日分しか用意されていないので、それを食べ尽くしたら現地調達するしかない。それが出来なければスモークグレネードを使って救援を求めるしかないのだが、それをしたら半年間は傭兵訓練を受ける事ができなくなるので、傭兵として生きる道を諦めるか、半年後まで我慢するかのどちらかを選ばなければならない。因みに半年間我慢する道を決めた場合には主に村の雑用係をしなければならない。
「ルード、マリア、ジェイド。覚悟はいいか?」
「勿論」
「当然」
「当たり前」
「そうか。なら…行ってこい!!」
「「「『おうっ!!』」」」
ルード達三人は、荷物を担いで裏山に向かう。
向かう…と思いきや、ルードの足が止まった。
「どうした、ルー『パッーン!』な!?」
ギャアァッッ!!
銃声がしたと思ったら、ジェイド悲鳴をあげてその場に転がった。足からは血が噴き出している。
「敵が一人消えた」
薄笑いを浮かべて呟いたルードは、ジェイドのリュックサックから飴玉と岩塩を奪い取って、今度こそ裏山に向かって走り出した。
そう。
これは別に違反行為じゃない。
訓練とは言え、ルード達がやろうとしていたのは傭兵としてのサバイバル訓練だから、ルードの事を味方だと勝手に思い込んでいたジェイドが間抜けだっただけの事だ。
周りは全て敵だという事を忘れてはいけない。
そんな初歩中の初歩すら忘れていたジェイドが今後傭兵として生きていけるかどうか…村人達は不安になってきた。
そんな中、長老だけが笑っていた。
「ルードは良く理解しておるのぅ」
傭兵は軍人と比べて仲間意識が薄い。
所属が同じでもそれが完全な味方だとは思っていない。仲間だと信じるには契約書を交わした場合だけだ。それでも、頭の片隅で警戒する事を忘れていない。
だから、今日の訓練が始まる前にその事も伝えていたので、契約書を交わしていなかったルードがジェイドを撃った事は当たり前の事なのだ。
長老が呟く。
「マリアとは契約書を交わしていたようじゃな。成る程、女は使い道がたくさんあるからのぅ」
長老の言うとおり、戦場では女は大人気だ。性的サービスを求める事もできるし、逆にその手を使って敵将校を暗殺する事もできる。それに女は男よりも手先が器用な者が多いから銃火器のメンテナンスを頼む軍人もいる。まあ、傭兵は自分の銃火器を他人に預けるような真似は死んでもしない。するのは相当な間抜けだけだ。
「さてさて。今年はとんでもないのが出てきたのぅ」
長老は楽しそうに笑っている。
「じ、爺ちゃん。助けて」
「黙れ。出来損ないの馬鹿孫が。お前には雑用係がお似合いじゃ。全く。コレが儂の孫とは何とも情けない事じゃて」
そう。
ジェイドは長老の孫なのだ。
長老はバルドに罵声を浴びせると、鼻を鳴らして立ち去っていった。残されたのは足を押さえて痛そうに泣いているジェイドと教会の司祭様だけだった。
ルードはマリアとは契約書を交わしているので敵対する事は無いだろうが、それでも警戒している。
とは言え、これで生存者は二人だけ。
村人達は今回のサバイバル訓練で賭け事をしていたので、ジェイドに賭けていた人はガックリと肩を落とし、逆にルードとマリアに賭けていた人はニコニコと笑顔を浮かべている。
「初日から大番狂わせだな!」
誰かがそう叫んだ。
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