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第2話 兄の形見
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オアシスに向かっている最中、気になっていたことを、ピュイを抱いて助手席に座るポルンに質問する。
「ポルンはあんなところで何をしてたんだ?」
「あっ、えーと……」
案の定、ポルンは言葉に詰まる。
予想はしていたことだ。こんな砂原に無装備の女が一人。ただ事じゃあない。
「言いたくないなら別にいい。けどそれならオレはアンタを警察に引き渡すだけだ」
「それは駄目です!」
カマをかけると、ポルンは食い気味に声を荒げる。
「何で?」
「そ、それは……」
目を逸らした。そうとう都合が悪いと見える。何かしらの犯罪に加担しているのか、それとも追われているのか。
生憎とまだまだオアシスまで時間はたっぷりある。その間に答えなければ、さっき言った通り、警察に引き渡すだけだ。
オレはポルンが答えるまで黙って運転を続けた。その道中、ポルンは気まずそうに俯いていた。
砂の流れる音と車のエンジン音が耳を揺らし続けて、どれくらい経っただろうか。代わり映えのない砂原に欠伸が出てくる中、覚悟を決めたのか、漸くポルンは口を開く。
「私が……あそこにいたのは、ヤクザに追われてたからです」
「ヤクザだぁ?」
思わず欠伸が引っ込んだ。
予想としては闇バイトに首を突っ込んだ結果、怖くなって逃げたとか、そのくらいの規模だと思っていた。
それがまさかのヤクザ絡み。借金で首が回らなくなって、アームドに食わされたのか。いや、ポルンの面なら、店に入れられるだろうから、あそこにいたのは別の理由だろう。
「ヤクザに何したんだよ」
「……これを、盗みました」
ポルンがショートパンツのポケットから取り出したのは、玉のように大きなルビーのついたネックレスだった。
「はぁ!?」
と大声が出る。
よりにもよってヤクザから物を盗むなんて、命知らずにもほどがある。
だがまだ理由が分からない。動機次第では同情の余地くらいはあるだろう。
「何でそんなもん盗んだんだ?」
「これは……」
その質問に、ポルンは怒りを滲ませながら、強くネックレスを握り締める。
「これは、私の兄の形見なんです。アイツらは兄を殺した。P.C.108番地の不正を暴こうとした兄を! 町長と結託して! それだけでは飽き足らず、兄をゴミのように捨て、私物も全て奪い去っていった! ……これは、兄が婚約者にプロポーズする為に買ったものなんです。だから何としてでも取り返したかった……」
それを聞いて、思わず目を見開いた。
ポルンの素性も、ことの詳細なんかも全くもって分からない。だが、不正を暴こうとして兄が殺された。その内容だけで、オレの中に怒りという名の炎が荒々しく燃える。
「兄貴を殺した相手から逃げててアームドに食われたって訳か」
怒りを殺して聞いた質問に、ポルンは無言で頷いた。震える体が、流す涙が、その言葉に嘘はないことを証明している。
「今も追ってきてるのか?」
「いえ、アームドに襲われた際に追ってきていた人達は殺されました。私だけ偶然食べられて……」
仲間が死んで、盗まれた物も、盗人も捕まえられていない。考えうる限りの中で最悪な事態だ。
そうなると奴らは自分達のメンツの為に、ポルンを何がなんでも捕まえようとするだろう。
そして捕まれば最後。人らしい死に方なんてさせてもらえない。
「これからどうするんだ? 一生逃げて回るのか?」
「いえ、復讐します。絶対に許さない。たとえ足がもげようと、手が千切れようと、アイツらを殺します」
「……」
復讐。それは、自分の人生を投げ捨て、修羅の道を進むということ。
ポルンの兄貴からすれば、そんなことはせずに普通の人生を送ってほしいはずだ。
だが、ポルンの目を見れば分かる。もう戻る気はないと。とっくに修羅の道の奥地に足を踏み入れている。
そしてオレにも、ポルンの気持ちは痛いほどに分かる。
「一人でやるのか?」
「大丈夫です。ガイナスさんを巻き込んだりはしません。オアシスに着いたら、私はすぐに離れますので。ですから、私のことは誰にも話さないでもらえると助かります。ベラベラと喋っておいて、こんなことをお願いするのも変ですが……」
「オレの質問に答えてくれただけだ。安心しろ。復讐の邪魔になるようなことはしねぇ。オレにも復讐したい奴がいるし、気持ちは分かる」
「ガイナスさんにも?」
こっちから身の上話を聞き出したんだ。こちらの話も教えるのが筋というものだろう。
オレは一息吐いて、脳裏にこびりついて離れない顔を思い出しながら話す。
「オレにも兄がいてな。けどそいつはオレ達の育ての親を殺しやがった。オレがハンターをやってるのはそいつを見つける為だ。オアシスを巡って、必ず見つけ出して博士の敵を討つ」
思い出すだけで血管がはち切れそうになる気分だ。
無力だったかつての自分が何も出来なかったことに。愛し育ててくれた博士を殺したあの男に。その日の全てに怒りが湧いてくる。
「だからポルンの復讐を邪魔したりはしねぇよ」
「ありがとうございます……」
オレにもオレの復讐がある。残念だが、ポルンの復讐の手伝いは出来ないし、守ってやることも出来ない。
非情だと言われても、それぞれの道があるのだ。
「あの……」
と、一拍おいてポルンが聞いてくる。
「博士ってどういうことですか?」
どういうこととはどういうことだと聞き返したかったが、質問の意味は分かる。
普通、育ての親を博士なんて呼んだりはしない。ポルンはそこに引っ掛かったのだ。
口を滑らせたこちらの責任だ。それに隠す必要も特にはない。説明してやるか。
「博士は博士だ。オレと兄を、人造人間を造った人間だ」
「人造人間……」
ポルンの唾を飲み込む音が聞こえた。
突拍子もない発言なのだから驚いて当たり前だ。
「人間が見つけられない水源を探す為に、過酷な環境でも生きられるように改造されたのが、オレ達人造人間だ」
ぱっと見は人間と変わらない。少ない食料や水で生きていけるし、人間よりも丈夫で力もある。それもこれも人間の未来の為。博士が必死の想いでオレ達を造ったのだが……、そんな想いをアイツは踏みにじった。
「まぁだから、オレは今は敵を討ちがてら見つかってないオアシスを探してるって感じだな。勿論、敵を討てればちゃんとオアシスは探すぜ」
「嫌じゃないんですか?」
それは生き方を決められていることについてだろうか。それならとんだお節介というやつだ。
「別に? オレは博士の夢を叶えたい。全員が渇きに苦しまなくて済む世界にしたいからな」
「すごいですね。私なんて、兄が死ぬまではただ流されて生きていただけで……」
「動き始めたんならいいじゃねぇか。世の中、口だけで何もしない奴なんてざらにいる。自分で考えて決断した。それだけで大きな一歩だ」
それが正しいこととは限らないがと続けたかったが、それを言葉にするのは決意を固めた者の前では無礼というもの。そもそもポルンも覚悟の上での行動だろう。
オレの言葉にポルンの口元が少し緩んだ気がしたが、多分気のせいだろう。
それからは会話もなく、だだっ広い砂原に吹くざらついた風が、心の傷を抉るように肌に打ち付け続けた。
※※※
それから随分と時間が経って……。
「ここがP.C.105番地……。大きい……」
オアシス入口の駐車場から全体を見渡すポルンは、感嘆の声を溢していた。
オアシスの中でも屈指の広さを誇る場所だ。初めて来たのなら驚くのも無理はない。
立ち並ぶビル群、行き交う人々、そこらのオアシスとは比べものにならない。
それ故に警備も厳重。特に規律を乱す輩には容赦はしない。それがこのオアシスを治める町長の方針だ。
「ここならヤクザも簡単には手を出せない。しばらくここで身を潜めるんだな」
そう言って金の入った麻袋を渡すと、ポルンは驚いてオレの顔と麻袋を目で往ったり来たりする。
「知り合っちまったからな。せめてもの情けだ。生活の足しにしてくれ」
「いいん……ですか?」
「いいって。ほら行けよ」
当分の生活には困らない程度には金を入れた。
バシッとポルンの背中を押すが、しかしどうにも申し訳なさそうにしてこちらを見てきやがる。
仕方がないので、踵を返し、その場を去る。
深々と頭を下げる気配がしたが、振り向かず、軽く手だけ上げて返事をして、オレはアームド駆除の報告の為に役場へと向かった。
「ポルンはあんなところで何をしてたんだ?」
「あっ、えーと……」
案の定、ポルンは言葉に詰まる。
予想はしていたことだ。こんな砂原に無装備の女が一人。ただ事じゃあない。
「言いたくないなら別にいい。けどそれならオレはアンタを警察に引き渡すだけだ」
「それは駄目です!」
カマをかけると、ポルンは食い気味に声を荒げる。
「何で?」
「そ、それは……」
目を逸らした。そうとう都合が悪いと見える。何かしらの犯罪に加担しているのか、それとも追われているのか。
生憎とまだまだオアシスまで時間はたっぷりある。その間に答えなければ、さっき言った通り、警察に引き渡すだけだ。
オレはポルンが答えるまで黙って運転を続けた。その道中、ポルンは気まずそうに俯いていた。
砂の流れる音と車のエンジン音が耳を揺らし続けて、どれくらい経っただろうか。代わり映えのない砂原に欠伸が出てくる中、覚悟を決めたのか、漸くポルンは口を開く。
「私が……あそこにいたのは、ヤクザに追われてたからです」
「ヤクザだぁ?」
思わず欠伸が引っ込んだ。
予想としては闇バイトに首を突っ込んだ結果、怖くなって逃げたとか、そのくらいの規模だと思っていた。
それがまさかのヤクザ絡み。借金で首が回らなくなって、アームドに食わされたのか。いや、ポルンの面なら、店に入れられるだろうから、あそこにいたのは別の理由だろう。
「ヤクザに何したんだよ」
「……これを、盗みました」
ポルンがショートパンツのポケットから取り出したのは、玉のように大きなルビーのついたネックレスだった。
「はぁ!?」
と大声が出る。
よりにもよってヤクザから物を盗むなんて、命知らずにもほどがある。
だがまだ理由が分からない。動機次第では同情の余地くらいはあるだろう。
「何でそんなもん盗んだんだ?」
「これは……」
その質問に、ポルンは怒りを滲ませながら、強くネックレスを握り締める。
「これは、私の兄の形見なんです。アイツらは兄を殺した。P.C.108番地の不正を暴こうとした兄を! 町長と結託して! それだけでは飽き足らず、兄をゴミのように捨て、私物も全て奪い去っていった! ……これは、兄が婚約者にプロポーズする為に買ったものなんです。だから何としてでも取り返したかった……」
それを聞いて、思わず目を見開いた。
ポルンの素性も、ことの詳細なんかも全くもって分からない。だが、不正を暴こうとして兄が殺された。その内容だけで、オレの中に怒りという名の炎が荒々しく燃える。
「兄貴を殺した相手から逃げててアームドに食われたって訳か」
怒りを殺して聞いた質問に、ポルンは無言で頷いた。震える体が、流す涙が、その言葉に嘘はないことを証明している。
「今も追ってきてるのか?」
「いえ、アームドに襲われた際に追ってきていた人達は殺されました。私だけ偶然食べられて……」
仲間が死んで、盗まれた物も、盗人も捕まえられていない。考えうる限りの中で最悪な事態だ。
そうなると奴らは自分達のメンツの為に、ポルンを何がなんでも捕まえようとするだろう。
そして捕まれば最後。人らしい死に方なんてさせてもらえない。
「これからどうするんだ? 一生逃げて回るのか?」
「いえ、復讐します。絶対に許さない。たとえ足がもげようと、手が千切れようと、アイツらを殺します」
「……」
復讐。それは、自分の人生を投げ捨て、修羅の道を進むということ。
ポルンの兄貴からすれば、そんなことはせずに普通の人生を送ってほしいはずだ。
だが、ポルンの目を見れば分かる。もう戻る気はないと。とっくに修羅の道の奥地に足を踏み入れている。
そしてオレにも、ポルンの気持ちは痛いほどに分かる。
「一人でやるのか?」
「大丈夫です。ガイナスさんを巻き込んだりはしません。オアシスに着いたら、私はすぐに離れますので。ですから、私のことは誰にも話さないでもらえると助かります。ベラベラと喋っておいて、こんなことをお願いするのも変ですが……」
「オレの質問に答えてくれただけだ。安心しろ。復讐の邪魔になるようなことはしねぇ。オレにも復讐したい奴がいるし、気持ちは分かる」
「ガイナスさんにも?」
こっちから身の上話を聞き出したんだ。こちらの話も教えるのが筋というものだろう。
オレは一息吐いて、脳裏にこびりついて離れない顔を思い出しながら話す。
「オレにも兄がいてな。けどそいつはオレ達の育ての親を殺しやがった。オレがハンターをやってるのはそいつを見つける為だ。オアシスを巡って、必ず見つけ出して博士の敵を討つ」
思い出すだけで血管がはち切れそうになる気分だ。
無力だったかつての自分が何も出来なかったことに。愛し育ててくれた博士を殺したあの男に。その日の全てに怒りが湧いてくる。
「だからポルンの復讐を邪魔したりはしねぇよ」
「ありがとうございます……」
オレにもオレの復讐がある。残念だが、ポルンの復讐の手伝いは出来ないし、守ってやることも出来ない。
非情だと言われても、それぞれの道があるのだ。
「あの……」
と、一拍おいてポルンが聞いてくる。
「博士ってどういうことですか?」
どういうこととはどういうことだと聞き返したかったが、質問の意味は分かる。
普通、育ての親を博士なんて呼んだりはしない。ポルンはそこに引っ掛かったのだ。
口を滑らせたこちらの責任だ。それに隠す必要も特にはない。説明してやるか。
「博士は博士だ。オレと兄を、人造人間を造った人間だ」
「人造人間……」
ポルンの唾を飲み込む音が聞こえた。
突拍子もない発言なのだから驚いて当たり前だ。
「人間が見つけられない水源を探す為に、過酷な環境でも生きられるように改造されたのが、オレ達人造人間だ」
ぱっと見は人間と変わらない。少ない食料や水で生きていけるし、人間よりも丈夫で力もある。それもこれも人間の未来の為。博士が必死の想いでオレ達を造ったのだが……、そんな想いをアイツは踏みにじった。
「まぁだから、オレは今は敵を討ちがてら見つかってないオアシスを探してるって感じだな。勿論、敵を討てればちゃんとオアシスは探すぜ」
「嫌じゃないんですか?」
それは生き方を決められていることについてだろうか。それならとんだお節介というやつだ。
「別に? オレは博士の夢を叶えたい。全員が渇きに苦しまなくて済む世界にしたいからな」
「すごいですね。私なんて、兄が死ぬまではただ流されて生きていただけで……」
「動き始めたんならいいじゃねぇか。世の中、口だけで何もしない奴なんてざらにいる。自分で考えて決断した。それだけで大きな一歩だ」
それが正しいこととは限らないがと続けたかったが、それを言葉にするのは決意を固めた者の前では無礼というもの。そもそもポルンも覚悟の上での行動だろう。
オレの言葉にポルンの口元が少し緩んだ気がしたが、多分気のせいだろう。
それからは会話もなく、だだっ広い砂原に吹くざらついた風が、心の傷を抉るように肌に打ち付け続けた。
※※※
それから随分と時間が経って……。
「ここがP.C.105番地……。大きい……」
オアシス入口の駐車場から全体を見渡すポルンは、感嘆の声を溢していた。
オアシスの中でも屈指の広さを誇る場所だ。初めて来たのなら驚くのも無理はない。
立ち並ぶビル群、行き交う人々、そこらのオアシスとは比べものにならない。
それ故に警備も厳重。特に規律を乱す輩には容赦はしない。それがこのオアシスを治める町長の方針だ。
「ここならヤクザも簡単には手を出せない。しばらくここで身を潜めるんだな」
そう言って金の入った麻袋を渡すと、ポルンは驚いてオレの顔と麻袋を目で往ったり来たりする。
「知り合っちまったからな。せめてもの情けだ。生活の足しにしてくれ」
「いいん……ですか?」
「いいって。ほら行けよ」
当分の生活には困らない程度には金を入れた。
バシッとポルンの背中を押すが、しかしどうにも申し訳なさそうにしてこちらを見てきやがる。
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