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丘陵都市
彷徨い歩き
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そうして色んなおすすめ料理に舌鼓を打ちながら食事をしていたら、いつの間にか料理を完食してしまっていた。四人掛けのテーブルに一杯あった料理は次々になくなっていって、今やもう皿しかない。
「いやあ、本当に美味い料理だった。紹介してくれてありがとうなミーナ、オルタヴィア」
「いいえ、こちらこそ予定よりも早く着くことができましたし、護衛も完璧にこなしていただきましたから、少しでもお礼ができたなら嬉しいですわ」
「そうだね! また私たちの依頼を見かけたら是非受けてほしいな! 待ってるからね」
「ありがとう。もしまた縁があったらそうさせてもらうよ」
「ミーナさん、オルタヴィアさん、ありがとうございました」
「ノエラちゃんも色々と頑張ってね! 手ごわそうだけどきっとなんとかなるよ!」
「そうね。ノエラさんならいつか望みを叶えられるはずですわ」
「はい。私、頑張ります!」
うーんと、これは何の話をしているんだろうな? 俺にはノエラと二人の話している内容はわからなかったが、説明もしてくれないから俺は知らなくていいことなんだろう。ガールズトークだな。
オープンな食事処で解散した俺たちは、行商人二人とそこで別れた。ノエラと相談したこれからの予定としては、この街をちょっと観光して帰るというシンプルなものだ。
普通なら今日中にダロイに帰るなんて到底無理な話だが、俺が【漆黒の翼】で最高速度を出せば、この旅がなんだったのかと思えるくらいの時間、一時間と少しで帰れてしまう。
そう考えると何だか地道なことをした気分になるが、こうして歩いて違う街に来るのは良い経験になったし、何より凄く楽しかった。途中でカロヌガンの信者に襲われるアクシデントはあったものの、そんなのは別に問題にならなかったしな。
ということでキョロキョロしながら、大きな街の中を観光していく。知らない街に来て適当にぶらぶら歩く。なんて贅沢なんだろうと思いながらノエラと一緒に歩き倒した。
大通りは一通り歩いて、いろんな露店を回った。昼食を腹いっぱい詰め込んだのに良い匂いがしてくると買って食べたくなるもので、マケレナカバヨという魚の干物をつまんだり、このあたりでは見ないマイロカテンというピンクの果物を食べたりした。
干物は食べやすく加工してあったのでストレスなく塩と魚のシンプルな自然の味を堪能できたし、果物の方は桃のような見た目なのにマンゴーのような濃い甘さがあってなかなか面白かった。
ノエラがフラっと立ち寄った店では波の形の青い髪飾りを買った。大きさはそんなに大きくないのだが、ノエラはセミロングの髪だからむしろそれが丁度良かった。彼女の上品な顔立ちにクールな髪飾り。
でも控えめながらキラキラと輝いているそれは可愛さも抜群だ。どうですかと聞く彼女のちょっと恥ずかしそうな感じも最高だったな。もちろんお代は俺が払って、店主にもきっちりとお礼を言っておいた。良い買い物ができて満足だ。
露店で散々買い物をして、俺たちはさらに裏路地の方を歩いた。こっちは専ら住宅が密集していて、他にあるのは小さな飲食店くらいだ。隠れた店みたいな雰囲気があって面白そうだったので、いつかまたこの街に来た時には寄ってみようかなと思った。
裏の方を通って奥に進んで行くと、段々と住宅も高級な趣になっていって貴族やお金持ちの人たちは街の奥の方に住居を構えているようだった。一番奥には王城らしきものがどっしりと佇んでいるので、城に近い場所ほど地価が高いのだろう。
「いやあ、本当に美味い料理だった。紹介してくれてありがとうなミーナ、オルタヴィア」
「いいえ、こちらこそ予定よりも早く着くことができましたし、護衛も完璧にこなしていただきましたから、少しでもお礼ができたなら嬉しいですわ」
「そうだね! また私たちの依頼を見かけたら是非受けてほしいな! 待ってるからね」
「ありがとう。もしまた縁があったらそうさせてもらうよ」
「ミーナさん、オルタヴィアさん、ありがとうございました」
「ノエラちゃんも色々と頑張ってね! 手ごわそうだけどきっとなんとかなるよ!」
「そうね。ノエラさんならいつか望みを叶えられるはずですわ」
「はい。私、頑張ります!」
うーんと、これは何の話をしているんだろうな? 俺にはノエラと二人の話している内容はわからなかったが、説明もしてくれないから俺は知らなくていいことなんだろう。ガールズトークだな。
オープンな食事処で解散した俺たちは、行商人二人とそこで別れた。ノエラと相談したこれからの予定としては、この街をちょっと観光して帰るというシンプルなものだ。
普通なら今日中にダロイに帰るなんて到底無理な話だが、俺が【漆黒の翼】で最高速度を出せば、この旅がなんだったのかと思えるくらいの時間、一時間と少しで帰れてしまう。
そう考えると何だか地道なことをした気分になるが、こうして歩いて違う街に来るのは良い経験になったし、何より凄く楽しかった。途中でカロヌガンの信者に襲われるアクシデントはあったものの、そんなのは別に問題にならなかったしな。
ということでキョロキョロしながら、大きな街の中を観光していく。知らない街に来て適当にぶらぶら歩く。なんて贅沢なんだろうと思いながらノエラと一緒に歩き倒した。
大通りは一通り歩いて、いろんな露店を回った。昼食を腹いっぱい詰め込んだのに良い匂いがしてくると買って食べたくなるもので、マケレナカバヨという魚の干物をつまんだり、このあたりでは見ないマイロカテンというピンクの果物を食べたりした。
干物は食べやすく加工してあったのでストレスなく塩と魚のシンプルな自然の味を堪能できたし、果物の方は桃のような見た目なのにマンゴーのような濃い甘さがあってなかなか面白かった。
ノエラがフラっと立ち寄った店では波の形の青い髪飾りを買った。大きさはそんなに大きくないのだが、ノエラはセミロングの髪だからむしろそれが丁度良かった。彼女の上品な顔立ちにクールな髪飾り。
でも控えめながらキラキラと輝いているそれは可愛さも抜群だ。どうですかと聞く彼女のちょっと恥ずかしそうな感じも最高だったな。もちろんお代は俺が払って、店主にもきっちりとお礼を言っておいた。良い買い物ができて満足だ。
露店で散々買い物をして、俺たちはさらに裏路地の方を歩いた。こっちは専ら住宅が密集していて、他にあるのは小さな飲食店くらいだ。隠れた店みたいな雰囲気があって面白そうだったので、いつかまたこの街に来た時には寄ってみようかなと思った。
裏の方を通って奥に進んで行くと、段々と住宅も高級な趣になっていって貴族やお金持ちの人たちは街の奥の方に住居を構えているようだった。一番奥には王城らしきものがどっしりと佇んでいるので、城に近い場所ほど地価が高いのだろう。
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