18 / 84
第二章
囚われの物売り
しおりを挟む
豪傑の虎亭はいつも平和だ。それは上品かつ愛くるしいと評判の店主によるところが大きいだろう。
しかしそのファムですら、ミアが顔を赤らめるのがどういう意味なのかいまいち判断しかねていた。
ミアの手料理を美味しいねと食べるモレノにはもっとわからないはずであろう。彼のことが気になっていて顔を赤らめているのか、ただ単純に料理を褒められたのが気恥ずかしいからなのか。
どちらにせよ可愛らしいと思うモレノだったが、この神と本人のみぞ知る問題については是非とも解き明かしたいと切に願っていた。
モレノ自身、なかなか顔立ちは爽やかであるし、そう性格が悪いわけではない。しかし何故か女性から声がかかることがなく、そろそろ冒険以外で心躍る体験をしてみたかった。
そういう必死さがあったかもしれない。リュドミーラの本性が見抜けなかったのは汚点だ。別に彼女が悪い訳では決してない。ただ、あそこまでになるとは思わなかったから恐ろしくなっただけなのだ。
それはある日の冒険での出来事……。
「やっと終わったな」
モレノとそのパーティは、休みなく襲いかかって来る山賊たちを片付けて、やっと訪れた休憩に喜びを感じていた。少し休んだら、見張り番のいなくなった宝物庫と念願のご対面だ。はやる気持を誰もが抑えていた。
依頼の内容は、近くの砦に住む山賊にある宝石を取られたから取り返してほしい。ついでにその山賊たちを倒してくれれば報酬は弾むということだった。つまり、その宝石以外のいくらか手に入れられる可能性も秘めている訳で、パーティ全員が心を弾ませて依頼を受けたのだった。
大変な思いをして山賊たちを殲滅したのも、追加報酬に期待したからだ。そんな理由もあって待ちきれなくなったベリウスが、座って休んでいる他のメンバーを差し置いて立ち上がる。
「もう行こうぜ。多分全員倒しただろう」
「そうね。宝物庫付近はまだ見ていないけどきっと誰もいないはずよね」
先急ぐ彼らに巻き込まれる形でモレノとリュドミーラは承諾すると、全員で宝物庫へと向かった。宝物庫の扉にはさすがに罠が張られていたが、それをモレノが解除すると、装飾が施された扉がついに開いた。
その先に見えた光景は全員の目をくらませた。沢山の宝箱に金貨や紙幣がまとめて置いてあり、高価だと思われる宝石類がこれでもかとキラキラと輝いてまばゆい。こんな野望の塊のような光景を目の前にして、冷静さを保てるような人間はそれはもはや人間ではなく妖怪か神仏のような類だろう。
だから、自分たちが隙だらけの大馬鹿者だなんて夢にも思わなかったのだ。足元に小さな玉が投げ込まれていることに気付いたときにはもう遅かった。黄色い煙を吸い込んでしまうとすぐに体が麻痺し始めて、全く身動きが取れなくなりそのまま倒れてしまった。煙が収まった頃に今回の依頼主もとい別の砦の山賊リーダーがやってきて高笑いしだす。
「雑魚の掃除と罠の解除までどうもご苦労さん。部下を使わずヤツらのシマを荒らせて満足だぜ。それじゃあな。マヌケな冒険者ども」
そんな捨て台詞を残して、元依頼主は部下と一緒に宝を持ち去っていった。そしてやっと動けるようになったとき、一番キレていたのはなんとあのリュドミーラであった。
彼女はそれきり呪詛のような言葉を延々と繰り返し、大丈夫かと聞かれると大丈夫ですわと笑顔で返事はするものの、しまいには持っていたメイスで近くの巨木を何度も何度も殴り続け、結局その巨木をぶち倒してしまったのである。
それから数日後、落ち着いてから彼女に話を聞くと、犯罪組織育ちという生い立ちから、裏切り行為はどうしても許せないということがわかったのであった……。
というリュドミーラ伝説に彼は完全に怯えてしまった。裏切り行為はもちろんすることはないだろうが、人間同士、合わないことだってあり得るのだ。
それを理由に別れただけで裏切り行為とみなされたらと思うと、彼は今でも顔面が蒼白になった。だ、大丈夫ですか? とミアに聞かれて、自分が今ヒドイ顔をしていると気付いたモレノは、ちょっと嫌なことを思い出してねと焦って取り繕って、ミアの手料理を美味しそうにかき込んだ。
気の利いたことは何も思い付かず、やっぱり美味しいねという安直な言葉でお茶を濁しつつ、どんなに待つことになってもおしとやかな女性と付き合いたいと彼は改めて思うのであった。
そんなこんなでミア渾身のサービスメニュー、絶品とろとろプリンがデザートに出されたとき、突然、憎しみの表情をした商人が店内へと駈け込んできた。彼は今にも人を殺めかねないほど尖った光を目に宿しており、ただならぬ雰囲気を纏っている。
ファムが恐る恐る、いらっしゃいと声をかけたその瞬間、商人のシミターは鞘から抜かれ、近くの人物に刃を振るった。
飛び散る赤い飛沫――。
それが床に落ちるのと同じくして、刃を受けた人物、モレノが倒れた。そのすぐ数秒後、アロイスとカティが、さらにそれに続けてマデリエネとリュドミーラがその惨状を目撃した。
一瞬息を飲んだ彼らだったが、すぐに各々武器を構えた。マデリエネがダガーで牽制しながら、店の奥へと商人を引き付ける。そうしてモレノから距離を離そうとしていた。
リュドミーラはその意図を即座に察すると渾身の力を込めて五レベルの操原魔法、“トリートメントアザー”を発動して傷の治療に当たった。
深く切られた胴からは血が溢れるように染み出ていて、彼女の魔法はそれを止めつつ僅かに回復させてはいくが、まだまだ力が足りないようである。
そろそろマデリエネが引き付けるのに限界を感じ始めたところで魔術師二人は連携攻撃を決めに行く。
カティは黒い魔法陣を床に描くと、そこから精霊を呼び出す。三レベルの召喚魔法で呼び出されたこの闇の精霊、シェイドは彼女の指示を受けるのと同時に自身から黒い閃光を放ち、商人の視覚を封じた。
何も見えなくなってその場で暴れまわる商人に、今度はアロイスが、大きな不可視のハンマーを創りだし、彼の頭部に叩きつけた。
その攻撃によって商人は気絶し、最後に店に入ってきたザルムとベリウスによって、彼は縄で縛られ武器を没収された。
しかしそのファムですら、ミアが顔を赤らめるのがどういう意味なのかいまいち判断しかねていた。
ミアの手料理を美味しいねと食べるモレノにはもっとわからないはずであろう。彼のことが気になっていて顔を赤らめているのか、ただ単純に料理を褒められたのが気恥ずかしいからなのか。
どちらにせよ可愛らしいと思うモレノだったが、この神と本人のみぞ知る問題については是非とも解き明かしたいと切に願っていた。
モレノ自身、なかなか顔立ちは爽やかであるし、そう性格が悪いわけではない。しかし何故か女性から声がかかることがなく、そろそろ冒険以外で心躍る体験をしてみたかった。
そういう必死さがあったかもしれない。リュドミーラの本性が見抜けなかったのは汚点だ。別に彼女が悪い訳では決してない。ただ、あそこまでになるとは思わなかったから恐ろしくなっただけなのだ。
それはある日の冒険での出来事……。
「やっと終わったな」
モレノとそのパーティは、休みなく襲いかかって来る山賊たちを片付けて、やっと訪れた休憩に喜びを感じていた。少し休んだら、見張り番のいなくなった宝物庫と念願のご対面だ。はやる気持を誰もが抑えていた。
依頼の内容は、近くの砦に住む山賊にある宝石を取られたから取り返してほしい。ついでにその山賊たちを倒してくれれば報酬は弾むということだった。つまり、その宝石以外のいくらか手に入れられる可能性も秘めている訳で、パーティ全員が心を弾ませて依頼を受けたのだった。
大変な思いをして山賊たちを殲滅したのも、追加報酬に期待したからだ。そんな理由もあって待ちきれなくなったベリウスが、座って休んでいる他のメンバーを差し置いて立ち上がる。
「もう行こうぜ。多分全員倒しただろう」
「そうね。宝物庫付近はまだ見ていないけどきっと誰もいないはずよね」
先急ぐ彼らに巻き込まれる形でモレノとリュドミーラは承諾すると、全員で宝物庫へと向かった。宝物庫の扉にはさすがに罠が張られていたが、それをモレノが解除すると、装飾が施された扉がついに開いた。
その先に見えた光景は全員の目をくらませた。沢山の宝箱に金貨や紙幣がまとめて置いてあり、高価だと思われる宝石類がこれでもかとキラキラと輝いてまばゆい。こんな野望の塊のような光景を目の前にして、冷静さを保てるような人間はそれはもはや人間ではなく妖怪か神仏のような類だろう。
だから、自分たちが隙だらけの大馬鹿者だなんて夢にも思わなかったのだ。足元に小さな玉が投げ込まれていることに気付いたときにはもう遅かった。黄色い煙を吸い込んでしまうとすぐに体が麻痺し始めて、全く身動きが取れなくなりそのまま倒れてしまった。煙が収まった頃に今回の依頼主もとい別の砦の山賊リーダーがやってきて高笑いしだす。
「雑魚の掃除と罠の解除までどうもご苦労さん。部下を使わずヤツらのシマを荒らせて満足だぜ。それじゃあな。マヌケな冒険者ども」
そんな捨て台詞を残して、元依頼主は部下と一緒に宝を持ち去っていった。そしてやっと動けるようになったとき、一番キレていたのはなんとあのリュドミーラであった。
彼女はそれきり呪詛のような言葉を延々と繰り返し、大丈夫かと聞かれると大丈夫ですわと笑顔で返事はするものの、しまいには持っていたメイスで近くの巨木を何度も何度も殴り続け、結局その巨木をぶち倒してしまったのである。
それから数日後、落ち着いてから彼女に話を聞くと、犯罪組織育ちという生い立ちから、裏切り行為はどうしても許せないということがわかったのであった……。
というリュドミーラ伝説に彼は完全に怯えてしまった。裏切り行為はもちろんすることはないだろうが、人間同士、合わないことだってあり得るのだ。
それを理由に別れただけで裏切り行為とみなされたらと思うと、彼は今でも顔面が蒼白になった。だ、大丈夫ですか? とミアに聞かれて、自分が今ヒドイ顔をしていると気付いたモレノは、ちょっと嫌なことを思い出してねと焦って取り繕って、ミアの手料理を美味しそうにかき込んだ。
気の利いたことは何も思い付かず、やっぱり美味しいねという安直な言葉でお茶を濁しつつ、どんなに待つことになってもおしとやかな女性と付き合いたいと彼は改めて思うのであった。
そんなこんなでミア渾身のサービスメニュー、絶品とろとろプリンがデザートに出されたとき、突然、憎しみの表情をした商人が店内へと駈け込んできた。彼は今にも人を殺めかねないほど尖った光を目に宿しており、ただならぬ雰囲気を纏っている。
ファムが恐る恐る、いらっしゃいと声をかけたその瞬間、商人のシミターは鞘から抜かれ、近くの人物に刃を振るった。
飛び散る赤い飛沫――。
それが床に落ちるのと同じくして、刃を受けた人物、モレノが倒れた。そのすぐ数秒後、アロイスとカティが、さらにそれに続けてマデリエネとリュドミーラがその惨状を目撃した。
一瞬息を飲んだ彼らだったが、すぐに各々武器を構えた。マデリエネがダガーで牽制しながら、店の奥へと商人を引き付ける。そうしてモレノから距離を離そうとしていた。
リュドミーラはその意図を即座に察すると渾身の力を込めて五レベルの操原魔法、“トリートメントアザー”を発動して傷の治療に当たった。
深く切られた胴からは血が溢れるように染み出ていて、彼女の魔法はそれを止めつつ僅かに回復させてはいくが、まだまだ力が足りないようである。
そろそろマデリエネが引き付けるのに限界を感じ始めたところで魔術師二人は連携攻撃を決めに行く。
カティは黒い魔法陣を床に描くと、そこから精霊を呼び出す。三レベルの召喚魔法で呼び出されたこの闇の精霊、シェイドは彼女の指示を受けるのと同時に自身から黒い閃光を放ち、商人の視覚を封じた。
何も見えなくなってその場で暴れまわる商人に、今度はアロイスが、大きな不可視のハンマーを創りだし、彼の頭部に叩きつけた。
その攻撃によって商人は気絶し、最後に店に入ってきたザルムとベリウスによって、彼は縄で縛られ武器を没収された。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる