夢の世界を救うには(仮)

雨野まいく

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精霊王救出編

ジェダ観光

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ジェダイト伯爵家に到着した。もう旅も終盤である。今はまだ昼前であるが、今回も先に伝えに行っていたのか、玄関の所で待ってくれていた。もちろんゼフ様もいる。

「ライアン、何度も屋敷にお邪魔して申し訳ない。今日もよろしく頼みたい。」

「ああ!ロータス待っていたよ!思ったより早かったね?妻と息子も、オリバーくんとマグノリアちゃんが来るのを楽しみに待っていたんだ。オリバーくん、マグノリアちゃん、今日もゼファーのことをよろしく頼むよ。」

「「お招きいただきありがとうございます。こちらこそよろしくお願いいたします。」」

「昼食は食べてきたのかい?一応用意してあるがどうかな?」

訪問の挨拶をして終わりかと思っていたら、ジェダイト伯爵が昼食に誘ってくれる。今日はまだお昼は食べていないからお腹がすいている。それに、ジェダイト家の食事は美味しいから食べられるなら嬉しい。

「ライアン。実はまだ昼食は摂っていないんだが、いいのか?」

「ああ、もちろんだよ!では昼食にしよう。こっちだ。」

そう言ってジェダイト伯爵はこころよく昼食の場に案内してくれた。食事の場所は前回晩餐ばんさんを頂いた場所と同じだったが前回とは席順が違った。今回はゼフ様をお兄様と私で挟むような席になったのだ。おそらく前回と違って仲良くなっているから、話しやすいように気を使って席を替えてくれたのだろう。申し訳ないけど、とてもありがたい。ゼフ様と行儀が悪くない程度に食事をしながら話す。


「オリバー、リア嬢、今日の予定はもう決まっているの?」

「いや、まだ何も考えてないけどどうかした?」

「よかった。まだ時間も早いし、ジェダの街を案内しようかなって思ったんだ。どうかな?」

「ジェダの街の観光ですか?私行きたいです!お兄様、行ってみませんか?」

「うん、いいと思うよ。父上に確認してからになるけど、ゼフお願いしてもいいかな?」

「もちろん!オリバーとリア嬢と友達になってから、ジェダの街を一緒に見てまわりたくて色々調べたんだ!お気に入りの場所もあるから一緒に行けたらいいなー」

それから美味しい食事を終えた私たちは、お父様にジェダの街へ行きたいことを伝えるとマリアとメリア、それと護衛を2人連れて行くことを条件に許可を貰えた。なので午後はジェダの街の観光をします!




ゼフ様の案内でまずは馬車で街の中央の広場から少し離れた所までやってきた。中央広場は人が多いから馬車で通ろうと思ったら大変なのだ。街の構造から話すと、大体の領主の街は大きいので、領主の屋敷から一直線に街の広場まで繋がっており、その広場を中心に円のように街が拡がっている。それは精霊王を探す旅でも見てきて知ったことだ。そして大体のものはこの中心の広場の近くで揃うのだ。このことはジェダの街も例外ではなく、同じような感じだった。

ジェダの街の中央広場の手前で馬車から降りた私たちは、まず中央広場まで歩いた。やっぱり人が多くて中央広場の近くはとても賑わっている。そしてとりあえず広場の中央にある大きな噴水を眺めた。
ジェダの街では大きな噴水だったが、これは銅像だったり、木だったり街によって色んなものが置いてある。そして、その近くで待ち合わせをするのだ。日本でも忠犬ハチ公の像の前だとかで待ち合わせするからどこの世界でもこういうことは同じみたい。

私が噴水を眺めてぼおっとしていたようでお兄様とゼフ様から心配そうに見られていた。もちろん体調は悪くないので誤魔化してから案内してもらった。


ゼフ様に案内されるままに歩いていくと、広場に着いてからずっと聞こえていた吟遊詩人の姿であったり、動物の代わりにテイムした魔物を使ったサーカスのような出し物があったりなど興味をそそられるようなものが沢山あった。そして、カップルが多いからだろうか露天にはアクセサリーが並んでいたり、クレープなどの甘い食べ物や飲み物を出す店が多く集まっていた。その次は店舗を構えている雑貨屋やパン屋、八百屋、肉屋、カフェ、レストランなど日用品のお店が並んでいた。

そして、その広場から少し歩くと人通りが少なく、高台になった場所に出た。ゼフ様の案内する場所はここだったのか、足を止めて高台から街を見下ろすように立つ。私とお兄様もゼフ様にならって同じように立つ。するとゼフ様が説明してくれた。

「ここはね、街が一望できるポイントなんだ。ここからなら広場の様子もよく見えるし、景色も綺麗だと思わない?ここ、僕の大好きな場所なんだ。だから見せたくて、今日は街の案内を申し出たんだ。」

「はい、とても綺麗だと思います。この場所はいつ知ったのですか?」

「えっと…。この場所はね、小さい時体が弱かった話をしたのは覚えてるかな?その時はずっとベッドで本を読んだりして過ごしてたんだ。でもね、本の中には外の世界が広がってるでしょ?僕は本を読んで、すっごく外に出たくなっちゃって、ダメだとわかっていながら1度、夜に勝手に家を出たんだ。」

「え!?夜にって、ゼフ様大丈夫だったんですか?」

「ううん、全然大丈夫じゃなかったよ。僕が家を出たことにはすぐ気づいたみたいで見つかっちゃったんだけど、父上にも母上にもすごく心配されたし、体調も悪化しちゃったんだ。だけどね、その時に父上と母上がこの場所に連れてきてくれて、僕は熱でぼおっとしてたんだけど、その景色がとても綺麗だったことは覚えてるんだ。今はまだ明るいから同じ景色ではないけれど、夜は家の灯りがついててまた違う景色になるんだ。だから、今の景色も好きだけど、僕は夜の景色の方がもっと好きなんだ。」

「……そんなことがあったんですね、とても素敵だと思います。私たちをゼフ様の大切な場所に連れてきてくれてありがとうございます。本当に嬉しいです。また機会があれば夜の景色も見に行きたいです。」

「うん、本当に素敵だと思うよ。教えてくれてありがとう。
 ゼフはもう元気になったんだろう?次は僕の大切な場所を案内してあげるから遊びにおいでよ。」

ゼフ様の言葉にそう私とお兄様が笑顔で返すと、ゼフ様は泣きながら笑うという器用なことをしながら「ありがとう。」とお礼を言った。
何も特別なことはしてないのに、お礼を言われるのは不思議な気分だったけど、この話はゼフ様にとっては勇気のいる内容だったのかもしれない。お兄様と顔を見合わせてからゼフ様が泣き止むまで頭を撫でた。


ゼフ様が落ち着いてからはおやつの時間だったこともあり、ゼフ様が調べたという、広場にあった人気のクレープ屋さんでクレープを買って食べたり、他のお店を見て回ったりして、ゼフ様の家に帰った。半日だったけどとても有意義ゆういぎな時間だったと思う。





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