鬼畜な関係

椎奈風音

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不穏

第二話

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「まさか夕希がこんなに馬鹿だとは思わなかった」
 近づいてきた兄貴に腕を掴まれ、強引にベッドに押し倒された。
 上から押さえつけられ、掴まれた腕を振りほどくことが出来ない。

「兄貴っ!何するの?」
「何って……。頭でわからない奴には、身体に教えるしかないだろ?」
 当たり前のように言われ、更に力を込められる。
 俺は痛みに顔をしかめた。
 きっと掴まれた所は痣になっているだろう。

(なんで、こんな目に合わなきゃいけないんだ?)
 俺には兄貴がこんなに怒っている理由がわからない。

 制服のボタンを外され、首筋を舐められる。
 ざらりとした舌の感触が気持ち悪い。

「兄貴……。何して……っ!」
 変な感触から逃れようと身を捩ると、首に歯をたてられ、声が裏返った。
 噛まれた場所が、ジンジンした痛みを訴えてくる。

「何って、お仕置きに決まってるだろ?」
 兄貴はにっと笑うと、血の滲んだ首筋を舐め始めた。
 濡れた音が響き、耳を塞ぎたいが、兄貴に押さえつけられた腕はビクともしない。

「何?感じてんの?」
「違う!!」
 からかうように言われ、反射的に否定した。

「……嘘つき」
 唇を耳に寄せられ、直接言葉を吹き込まれた。
 兄貴の体温を近くに感じて、妙に落ち着かない。

(……一体、なんなんだ?)
 いきなり押し倒してくる兄貴の真意もわからないが、自分の気持ちは、もっとわからない。
 なんでこんなにモヤモヤするのか……。
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