秘密の関係

椎奈風音

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疾風の如く?

第四話

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「塔哉!」
 僕達二人の勝負を面白がっているのか、再び戒兄ちゃんからパスが来る。

(今度はどうしようかな?)
 僕はパスを受け取り、少し考える。
 体格がいい人は、基本的に素早さに欠けることが多い。
 左右に揺さぶれば抜けないこともないだろうけど……。

 僕はチラッと男の方を見た。
 ……流石に今度は簡単に抜かせてはもらえないよね……。
 ふぅと小さく息を吐く。

(まぁ、いいや。ごちゃごちゃ考えるのも面倒臭いし……。とりあえず行こ)
 男に視線を向けると、一瞬相手が怯んだ。
「左側、ガラ空きだね」
 男が見せた一瞬の隙を逃さず、一気に抜きに行く。
 だが今度は簡単には抜くことが出来ず、ゴールの前で追い付かれてしまう。
「今度こそ、抜かれないぞ!!」
 男が勝ち誇ったように、僕とゴールの間に立った。

「……甘いね」
 僕は後ろに飛びながら、シュートを打った。
 これならいくら相手がでかくても、シュートコースを邪魔されることはない。
 僕の手から離れたボールは、ゴールネットに吸い込まれていく。
 その時、勢い余って、男の手が僕の顔にあたり、眼鏡を吹き飛ばした。

「痛っ!」
 僕は小さく叫んで顔を上げた。
 目の前の男と間近で目が合う。
「えっ?お前……」
「はい?」
 目の前の男は、妙に驚いた顔をしている。
 僕はなんで男がこんな反応をするのかわからず、首を傾げた。

「お前!!結城塔哉!」
「……はぁ?」
 僕は男の勢いに唖然とする。
(なんでこの人、僕の名前知ってるの?)
 僕とこの男は初対面のはずだ。

「お前、去年全中で優勝した聖中ひじりちゅうのキャプテンだろ?」
「そうですけど……」
 確かに男が言っていることは、全部合っているけど、僕はそんなに有名じゃないよ?

「どうりで強いはずだよ。あの結城なら……」
「……強い?」
 自分でいうのはなんだけど、僕はそんなにバスケが上手いわけじゃない。
 あそこにはもっと上手い奴が沢山いたし。
 しかも……、僕がキャプテンだったのは、ジャンケンで負けたからだよ?
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