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疾風の如く?
第九話
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無理な体勢でシュートをした僕は、そのままバランスを崩して、コートの上で尻餅をついた。
(とりあえず、入って良かった~)
マグレでも勝ちは勝ち。
僕は初めて戒兄ちゃんからゴールを奪えたことに、密かに感動していた。
(……あれ?)
自分の世界に入っていたせいで、しばらく気付かなかったが、妙に周りが静かな気がする。
「……戒兄ちゃん?」
不思議に思い、周りを見渡そうとした瞬間、戒兄ちゃんにガバッと抱きつかれた。
あまりの勢いに、そのまま後ろに倒れそうになる。
「いきなり、何するの?戒兄ちゃん!!」
倒れそうになるのをなんとか堪えて、僕は戒兄ちゃんを睨んだ。
「まさか、ああ来るとは思わなかったよ。お前、上手くなったな」
戒兄ちゃんが、僕の頭を撫でてくる。
「……ありがとう」
子供扱いされているのがちょっと引っかかるけど、戒兄ちゃんに誉められたのは素直に嬉しい。
「しかし、戒も普通じゃないと思ってたけど、戒の弟はそれ以上だな……」
「ある意味、化け物だよな」
(……失礼な!!)
声を潜めているつもりなのかもしれないけど、コートの外で戒兄ちゃんの友達が話している声が、ここまで筒抜けだ。
そういうのは、本人のいない所で言って欲しい。
それに戒兄ちゃんは化け物かもしれないけど、僕は至って普通の人間だから!!
「……化け物か。確かにそうかもな」
その言葉がツボにハマったらしく、戒兄ちゃんが笑い出す。
「その台詞、兄ちゃんにだけは言われたくないよ!!」
僕は、兄ちゃんみたいに規格外じゃないし!!
あまりの言われように、僕は完全に臍を曲げてしまった。
「まぁまぁ、要は非凡ってことだろ?いいことじゃないか」
(いいこと?)
非凡っていうのは、普通じゃないってことだよね……。
(それって……)
「そもそも、俺達の弟なんだから、普通なわけないだろ」
(……確かに)
性格は家庭環境がものをいうらしい。
ということは……。
兄ちゃん達を思い出して、僕はちょっと落ち込んだ。
(とりあえず、入って良かった~)
マグレでも勝ちは勝ち。
僕は初めて戒兄ちゃんからゴールを奪えたことに、密かに感動していた。
(……あれ?)
自分の世界に入っていたせいで、しばらく気付かなかったが、妙に周りが静かな気がする。
「……戒兄ちゃん?」
不思議に思い、周りを見渡そうとした瞬間、戒兄ちゃんにガバッと抱きつかれた。
あまりの勢いに、そのまま後ろに倒れそうになる。
「いきなり、何するの?戒兄ちゃん!!」
倒れそうになるのをなんとか堪えて、僕は戒兄ちゃんを睨んだ。
「まさか、ああ来るとは思わなかったよ。お前、上手くなったな」
戒兄ちゃんが、僕の頭を撫でてくる。
「……ありがとう」
子供扱いされているのがちょっと引っかかるけど、戒兄ちゃんに誉められたのは素直に嬉しい。
「しかし、戒も普通じゃないと思ってたけど、戒の弟はそれ以上だな……」
「ある意味、化け物だよな」
(……失礼な!!)
声を潜めているつもりなのかもしれないけど、コートの外で戒兄ちゃんの友達が話している声が、ここまで筒抜けだ。
そういうのは、本人のいない所で言って欲しい。
それに戒兄ちゃんは化け物かもしれないけど、僕は至って普通の人間だから!!
「……化け物か。確かにそうかもな」
その言葉がツボにハマったらしく、戒兄ちゃんが笑い出す。
「その台詞、兄ちゃんにだけは言われたくないよ!!」
僕は、兄ちゃんみたいに規格外じゃないし!!
あまりの言われように、僕は完全に臍を曲げてしまった。
「まぁまぁ、要は非凡ってことだろ?いいことじゃないか」
(いいこと?)
非凡っていうのは、普通じゃないってことだよね……。
(それって……)
「そもそも、俺達の弟なんだから、普通なわけないだろ」
(……確かに)
性格は家庭環境がものをいうらしい。
ということは……。
兄ちゃん達を思い出して、僕はちょっと落ち込んだ。
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