皇子と王女は珍道中!

三条

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兄王からの命令

閑話 手紙

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拝啓
   レオン兄上、私は先日まで、オアシス都市アイーシャで、旅の資金がつきそうだったので、運送のアルバイトをしておりました。
   
   私はそこで、思いがけない再会をしたのです。

   覚えておいでですか?

   なんと、曹帝国の皇子、晴凱皇子と会ったのです。

   そこまでは良かったのですが、私が共を一人もつけていなかったこともあり、それを心配した晴凱皇子は、私の旅に同行すると言いだしたのです。

   それは彼のなかで決定しているようで、これから曹帝国へ向かいます。

   なので、兄上からもあちらの皇帝へ一筆書いていただくのと、晴凱皇子と共に旅をする許可を下さい。


                                                       敬具
                      アナスタシオより


ーーー


   「………。取り敢えず許可をこうだけマシか…………。あちらの皇子もまったくだな。」


   ガリヤード王国国王、レオンは、さて文をしたためるか、と紙を二組とペンを取り出した。

   (まったく何と書けばよいのやら………。)

 
   その手紙は曹の皇帝と帝国へ到着したアナスタシオのもとへ届くことになるのはまだ少し先のこと。
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