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6. 禁じられた遊び
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あのリリアーナのことだから、いつかは有言実行するんじゃないかとは頭の片隅で思っていたが、こんなに早く行動に移すとは想像できなかった。ビクトールは自分の考えが甘かったと認めざるを得なかった。数日後、家に戻った彼を待っていたのは、弟や妹たちと一緒に遊ぶリリアーナだった。
「お兄ちゃん、お帰り! 今日は早かったんだね! お友達が遊びに来ているよ! いい匂いのするきれいなお姉さん! お土産も持って来てくれたんだ!」
8歳になる弟のトトがビクトールのもとに駆け寄って来て言った。
「ばかっ! 知らない人を家に上げちゃいけないと言っただろう! 父さんはどうしたんだ!?」
「またお酒飲みにどっか行っちゃった。お兄ちゃんと同じローブを着ているし、それに家の防御魔法が解除されたから大丈夫だと思ったんだ」
どうして防御魔法が勝手に解除されたのだろう。慌てて奥の部屋に行くと、リリアーナが杖を振って、色とりどりの魔法の花をぽんぽん出しては、トトや妹のジュジュを楽しませていた。
「ねえ! こんな子供だましみたいな魔法、普通は笑われるけど、この子たちは喜んでくれるのよ! 私でも魔法を褒められる日が来るとは思わなかったわ!」
リリアーナは青い目をキラキラ輝かせながら純粋に喜んでいた。こんな無邪気な彼女は初めて見る。弟たちも大喜びだ。平民にとって魔法は珍しいものだから、リリアーナの魔法でも驚いてくれるのだ。
「いいからこっちに来い!」
ビクトールは、リリアーナの腕を引っ張ってトトたちから見えないように、別の部屋に彼女を連れドアをバタンと閉めた。
「どうやって防御魔法を解いたんだ? 弟たちにも解けないようにしてあるのに?」
「別に何にもしてないわよ? ただここに来るとき誰かに追いかけられたの」
「追いかけられた!?」
「逃げてるうちにあなたの家にたどり着いて慌ててドアを開けようとしたら入れちゃったのよ」
ビクトールはその話を聞いてしばし考え込んだ。彼女の話が本当なら、家の防御魔法は彼女には効かなかったことになる。例外はないはずなのにどういうことだ?
(まさか、リリアーナが襲われそうになっていたから防御魔法が自動的に一時解除になったってことか!?一体どういうことだ?)
ごく稀にだが、非常事態の時、魔法が自分の意思を持ったかのように勝手に作用することがあると言われている。その意思とは術者の考えと一致しているとのことだ。つまり、ここから分かることは——
(その時リリアーナが本当に危機的な状況だったということと……)
ビクトールが彼女を守りたいと思ったということだ。ビクトールは顔が真っ赤になりながら、その考えを打ち消すようにぶんぶんと頭を振った。
「どうしてここに来た? あれだけやめろと言っておいただろう?」
ビクトールは動揺した心を隠すために、わざと怖い顔をして声を低くして言った。
「来たいから来た、それだけよ」
けろっと答える彼女が憎たらしく思えて、ビクトールは怒りがこみ上げた。防御魔法が一時解除にならなければどんな目に遭っていたかも分からないのに、余りにも能天気すぎる。彼は思わずリリアーナを壁際まで追いつめ、壁に手をかけて逃げられないようにした。
「他人の家に押しかけてまで、俺を犯罪者にしたいのか。それにしては、見返りが多額の金だけなんて余りにもショボすぎじゃないか? 第一あんた自身は何一つ身を削ってない、金だって親からいくらでも貰えるだろう。あんた自身は何を差し出してくれる? 人を殺すからには自分も返り血を浴びる覚悟はあるんだろうな? その覚悟がどれほどのものかここで見せてみろよ?」
かっとなって口走ったが、自分は何を言ってるんだろうと頭の片隅では思っていた。それでもなぜか歯止めが利かなかった。リリアーナの方もしばらく呆気に取られてビクトールの鬼気迫る顔を凝視していたが、やがて何かを悟ったように唇を引き締めた。
「言ったでしょう? 私にあるのは家柄とプライドだけ。私自身は何も持ってないの。あなたにあげられるものはこんなものしかない。そんなに見たけりゃ見せてあげる」
そう言うと、制服のローブを脱いで襟元のリボンを紐解いた。そしてブラウスのボタンに恐る恐る手をかけ、一つずつ外し始めたのだ。ビクトールは、そうじゃないそうじゃないと頭の中で必死に否定しながらも、目の前の光景から目が離せないでいた。彼女の一挙手一投足がスローモーションのように見える。ごみ溜めの底にへばりつく今にも崩れそうな家の中で、彼女の周りだけが白く輝いているような感じがした。この状況はまずいと思う一方で、石になったように身体が動かず、ただごくりとつばを飲み込む。次第に普段服に覆われている部分の、磨き上げられたように白い肌が見えて来た。彼女が3つ目のボタンに手をかけた時、しびれを切らしたトトがドアの向こうから声をかけた。
「お兄ちゃん、いつまで何やってんの? 早く来てよう」
その声でビクトールとリリアーナは、はっと我に返った。慌ててビクトールは顔を背け、リリアーナはボタンをはめ直す。二人とも無言のまま、リリアーナが服を着終わったところで、ドアを開け弟たちのところへ戻って行った。
「ごめん、ちょっと用事があって。もう大丈夫だよ」
ビクトールは平静を装って言ったが、実際のところ息は上がっていたし、声も上ずっていた。リリアーナも何事もなかったかのように微笑みかけたが、心臓の鼓動はまだ治まらなかった。
「お姉ちゃんすごいんだよ。さっきは、部屋中をお花畑にしてくれたの。お兄ちゃんよりも魔法が上手なの!」
「お兄ちゃんはあんな魔法できないでしょ! 見せてくれたことないもん!」
トトとジュジュは本気でリリアーナの魔法に心酔しているようだった。天才魔法使いの卵と言われているビクトールだが、弟たちには魔法を見せてやったことはない。むしろ、彼らの前では極力魔法の話題をしないように努めていた。
「あと、お土産も持ってきてくれたの! これこないだお兄ちゃんがくれたのと同じパンだよ。こんなふかふかなの食べたことないよ」
先日「余りは置いていくわ」と言われた人気店のパンは、リリアーナが食べた残りは弟たちの数しか残っていなかったので、家に帰ってから彼らに全部あげた。そんなこともあろうかと、リリアーナは、今度は多めに買ってきておいたのだ。
「そうか、それはよかったな。ちゃんとお礼は言ったか?」
そう答えるビクトールは、兄弟思いの優しい兄の顔をしていた。常に眉間に皺をよせ不機嫌さを隠さない彼に、こんな一面があったなんて考えたこともなかった。
「噂には聞いていたけど、ここは聞きしに勝るひどい場所ね。それなのに、この子たちがまっすぐ育っているのは奇跡的だわ。ご両親が立派なのかしら」
「違うよ。兄ちゃんがうちにお金を入れてくれるからだよ。母ちゃんはもういない。父ちゃんは働かないでお酒ばかり飲んでいるから、代わりに兄ちゃんが働きに出ているの。学校に行きながら働いてるんだよ」
妹のジュジュが口を挟んだ。彼らはまだ幼いから、兄が非合法な形で金銭を得ているとは知る由もなかった。
「まあ、素晴らしいお兄さんね。あなたたちのことが本当にかわいいのね」
そう柔らかく微笑むリリアーナは、青の魔女とは程遠い。どうして自分にはこの表情を見せてくれないのだろうと、ビクトールは不思議でならなかった。
やがて日が傾き、リリアーナが帰る時間となった。別れを惜しむトトとジュジュにまた来るからねとリリアーナは約束をした。ビクトールとしては、来る時に危ないことがあった以上、彼女を一人で帰すわけにはいかない。しばらく二人きりになりたくなかったが、仕方なく、彼女をスラム街から出るまでエスコートすることにした。
家を出て二人きりになったら、再び気まずい空気が流れた。リリアーナは、そんな空気を払拭しようとして思いついたことを言葉にした。
「かわいい子たちね。私もあんな弟や妹が欲しかったわ」
しかし、そんな当たり障りのない話題にもかかわらず、ビクトールの反応は芳しくなく「……うん」という重苦しい返事が返って来ただけだった。
「あの……さっきはすまない。どうかしていた」
ビクトールは暗く沈んだ声で言った。今の彼ではこれだけ言うのが精いっぱいだった。
「ううん、いいの……私も何か変だったし……」
リリアーナもうつむいたまま言葉少なに答えた。二人はそれきり黙りこくったまま、とぼとぼと歩いた。次に口を開いたのは、スラム街を抜け安全な場所まで着いてからだった。ビクトールは、リリアーナの背中に向けて呼びかけた。
「でも、考えが変わったわけではない。もう俺のところに来ないでくれ、頼むから。あんただってこんな奴のところに来たくはないだろう? これで全部お終いだ。さようなら」
リリアーナは、それを聞いてはっと弾かれたように振り返ったが、その時にはもう、ビクトールは踵を返して家路へと急いでいた。
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どうして防御魔法が勝手に解除されたのだろう。慌てて奥の部屋に行くと、リリアーナが杖を振って、色とりどりの魔法の花をぽんぽん出しては、トトや妹のジュジュを楽しませていた。
「ねえ! こんな子供だましみたいな魔法、普通は笑われるけど、この子たちは喜んでくれるのよ! 私でも魔法を褒められる日が来るとは思わなかったわ!」
リリアーナは青い目をキラキラ輝かせながら純粋に喜んでいた。こんな無邪気な彼女は初めて見る。弟たちも大喜びだ。平民にとって魔法は珍しいものだから、リリアーナの魔法でも驚いてくれるのだ。
「いいからこっちに来い!」
ビクトールは、リリアーナの腕を引っ張ってトトたちから見えないように、別の部屋に彼女を連れドアをバタンと閉めた。
「どうやって防御魔法を解いたんだ? 弟たちにも解けないようにしてあるのに?」
「別に何にもしてないわよ? ただここに来るとき誰かに追いかけられたの」
「追いかけられた!?」
「逃げてるうちにあなたの家にたどり着いて慌ててドアを開けようとしたら入れちゃったのよ」
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(まさか、リリアーナが襲われそうになっていたから防御魔法が自動的に一時解除になったってことか!?一体どういうことだ?)
ごく稀にだが、非常事態の時、魔法が自分の意思を持ったかのように勝手に作用することがあると言われている。その意思とは術者の考えと一致しているとのことだ。つまり、ここから分かることは——
(その時リリアーナが本当に危機的な状況だったということと……)
ビクトールが彼女を守りたいと思ったということだ。ビクトールは顔が真っ赤になりながら、その考えを打ち消すようにぶんぶんと頭を振った。
「どうしてここに来た? あれだけやめろと言っておいただろう?」
ビクトールは動揺した心を隠すために、わざと怖い顔をして声を低くして言った。
「来たいから来た、それだけよ」
けろっと答える彼女が憎たらしく思えて、ビクトールは怒りがこみ上げた。防御魔法が一時解除にならなければどんな目に遭っていたかも分からないのに、余りにも能天気すぎる。彼は思わずリリアーナを壁際まで追いつめ、壁に手をかけて逃げられないようにした。
「他人の家に押しかけてまで、俺を犯罪者にしたいのか。それにしては、見返りが多額の金だけなんて余りにもショボすぎじゃないか? 第一あんた自身は何一つ身を削ってない、金だって親からいくらでも貰えるだろう。あんた自身は何を差し出してくれる? 人を殺すからには自分も返り血を浴びる覚悟はあるんだろうな? その覚悟がどれほどのものかここで見せてみろよ?」
かっとなって口走ったが、自分は何を言ってるんだろうと頭の片隅では思っていた。それでもなぜか歯止めが利かなかった。リリアーナの方もしばらく呆気に取られてビクトールの鬼気迫る顔を凝視していたが、やがて何かを悟ったように唇を引き締めた。
「言ったでしょう? 私にあるのは家柄とプライドだけ。私自身は何も持ってないの。あなたにあげられるものはこんなものしかない。そんなに見たけりゃ見せてあげる」
そう言うと、制服のローブを脱いで襟元のリボンを紐解いた。そしてブラウスのボタンに恐る恐る手をかけ、一つずつ外し始めたのだ。ビクトールは、そうじゃないそうじゃないと頭の中で必死に否定しながらも、目の前の光景から目が離せないでいた。彼女の一挙手一投足がスローモーションのように見える。ごみ溜めの底にへばりつく今にも崩れそうな家の中で、彼女の周りだけが白く輝いているような感じがした。この状況はまずいと思う一方で、石になったように身体が動かず、ただごくりとつばを飲み込む。次第に普段服に覆われている部分の、磨き上げられたように白い肌が見えて来た。彼女が3つ目のボタンに手をかけた時、しびれを切らしたトトがドアの向こうから声をかけた。
「お兄ちゃん、いつまで何やってんの? 早く来てよう」
その声でビクトールとリリアーナは、はっと我に返った。慌ててビクトールは顔を背け、リリアーナはボタンをはめ直す。二人とも無言のまま、リリアーナが服を着終わったところで、ドアを開け弟たちのところへ戻って行った。
「ごめん、ちょっと用事があって。もう大丈夫だよ」
ビクトールは平静を装って言ったが、実際のところ息は上がっていたし、声も上ずっていた。リリアーナも何事もなかったかのように微笑みかけたが、心臓の鼓動はまだ治まらなかった。
「お姉ちゃんすごいんだよ。さっきは、部屋中をお花畑にしてくれたの。お兄ちゃんよりも魔法が上手なの!」
「お兄ちゃんはあんな魔法できないでしょ! 見せてくれたことないもん!」
トトとジュジュは本気でリリアーナの魔法に心酔しているようだった。天才魔法使いの卵と言われているビクトールだが、弟たちには魔法を見せてやったことはない。むしろ、彼らの前では極力魔法の話題をしないように努めていた。
「あと、お土産も持ってきてくれたの! これこないだお兄ちゃんがくれたのと同じパンだよ。こんなふかふかなの食べたことないよ」
先日「余りは置いていくわ」と言われた人気店のパンは、リリアーナが食べた残りは弟たちの数しか残っていなかったので、家に帰ってから彼らに全部あげた。そんなこともあろうかと、リリアーナは、今度は多めに買ってきておいたのだ。
「そうか、それはよかったな。ちゃんとお礼は言ったか?」
そう答えるビクトールは、兄弟思いの優しい兄の顔をしていた。常に眉間に皺をよせ不機嫌さを隠さない彼に、こんな一面があったなんて考えたこともなかった。
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やがて日が傾き、リリアーナが帰る時間となった。別れを惜しむトトとジュジュにまた来るからねとリリアーナは約束をした。ビクトールとしては、来る時に危ないことがあった以上、彼女を一人で帰すわけにはいかない。しばらく二人きりになりたくなかったが、仕方なく、彼女をスラム街から出るまでエスコートすることにした。
家を出て二人きりになったら、再び気まずい空気が流れた。リリアーナは、そんな空気を払拭しようとして思いついたことを言葉にした。
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しかし、そんな当たり障りのない話題にもかかわらず、ビクトールの反応は芳しくなく「……うん」という重苦しい返事が返って来ただけだった。
「あの……さっきはすまない。どうかしていた」
ビクトールは暗く沈んだ声で言った。今の彼ではこれだけ言うのが精いっぱいだった。
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リリアーナもうつむいたまま言葉少なに答えた。二人はそれきり黙りこくったまま、とぼとぼと歩いた。次に口を開いたのは、スラム街を抜け安全な場所まで着いてからだった。ビクトールは、リリアーナの背中に向けて呼びかけた。
「でも、考えが変わったわけではない。もう俺のところに来ないでくれ、頼むから。あんただってこんな奴のところに来たくはないだろう? これで全部お終いだ。さようなら」
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