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26. 華麗なる脱走
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リリアーナは、ぐったりしたままベッドに身を横たえていた。この監禁生活がいつまで続くのか全く目途が立たない。最初のうちは焦燥感にさいなまれることもあったが、長期化してくるとひたすら無気力になるしかなかった。外で何が起きているかも一切分からない。家族は「リリアーナを守るため」と言ったが、彼女の顔を見に来たのは今まで数えるほどだった。
食事は使用人がきっちり一日三回持って来て、定期的に洗濯物を交換し、掃除も入り、自室にバスルームも備えてある。衣食住さえ満たされればいつまでもここに閉じ込めておけると思っているらしい。
(もう一ヶ月……ルーク殿下が眠りから覚めないと言ってたけど、あれから進展はしないのかしら)
リリアーナは首にかけたネックレスを無意識に弄びながら、ぼんやりとした頭で考えた。ビクトールが護身用に作ってくれた、魔術が込められているネックレスだ。部屋に閉じ込められている間も肌身離さず着けていた。今の彼女にとっては、護身用と言うよりも精神的な支柱という意味合いが強い。
いくら気丈な彼女でもこんな生活が続けば、精神が摩耗していくのは避けられない。食事の量もだんだん減っていき、ほとんど食べない日も出て来た。当然体力も低下するが、今の生活を続ける以上どうすることもできなかった。
最初のうちは、何度か部屋から出ようと試みたこともあった。使用人がドアを開ける隙を狙ったり、部屋の窓から飛び降りようとしたり。しかし、いずれも見えない壁に阻まれて脱出することはできなかった。魔法で結界を解こうと思っても彼女の魔力では太刀打ちできない。そもそも結界内では魔力も無効化されていることに後になって気付いた。ここではネックレスに込められた魔力も使えない。全ての策が尽きた彼女はなす術がなかった。
その時、階下から物音が聞こえた。誰かがこちらに上がって来るのだろうか。使用人は先ほど来たばかりだから、珍しく家族の誰かが顔でも見に来るのだろうか。しかし、こちらに近づいて来る様子はない。耳を澄ますと、何やら下の階が騒がしくなっているようだ。
(誰か客人でも来たの?)
部屋から出られないリリアーナは知る由がなかった。その客人というのがビクトールであることを。
**********
所々ほつれた色あせた魔法学校のローブに身を包んだその訪問者はリリアーナの友人と名乗った。このうさん臭い奴には見覚えがある。一度、妹が変な動きをしているので馬車で待ち伏せしたことがあったが、その時に一緒にいた奴だ。手を切れと言っておいたはずなのにまだ繋がっていたのか。本当にどうしようもない妹だ。ナイジェルは苛立ちを隠せずため息をついた。
「あいにくだが、妹は今不在なんだ。また後で来てくれ」
「具合が悪いと聞いたんですが、まだ学校に戻って来ないので心配して様子を見に来ました。今度は会えますか?」
適当にあしらおうとしたら、相手は一切信用していないらしく、警戒した視線をぶつけられた。
「どこの誰とも分からぬ者に教えることはできない。すぐに帰ってくれ」
「もう一ヶ月も姿を見てないんです、そろそろ会わせてくれたっていいでしょう」
しつこい奴だと、ナイジェルが手を焼いていると、奥から長兄のジョシュが出て来た。
「リリアーナに用事があると言ってるんですが、何を言っても帰ってくれなくて……」
「お前、どこの家の者だ? 見知らぬ顔だが」
ジョシュが前に出て来てビクトールに質問すると、ビクトールはハッと薄く笑いながら答えた。
「名乗るほどの者でもありません。俺は貴族ですらありませんから。平民から奨学金を貰って魔法学校に入った特待生です」
それを聞いた2人の兄は顔をしかめた。汚いものを触ってしまったというような顔が面白くて、ビクトールはつい調子に乗ってしまった。
「それならもっとお教えしましょうか? 生まれも育ちも最下層のスラム街で、家はお宅の朝食室くらいの広さしかありません。父は飲んでばかりで仕事もしないし、母は男と一緒に逃げました」
「なんでそんな奴が妹と知り合い……?」
「双子の弟と妹がいますが、父親は違うかもしれません。それでも大事な兄弟には変わりありませんが」
兄たちの表情がだんだんと嫌悪感で歪むのが楽しくて、ビクトールは更に話し続けた。
「13歳の時親に売り飛ばされそうになったんですよ。幸い近所の人が連れ戻してくれました」
「もういい!」
ジョシュは大声で怒鳴った。こんな底辺と仲良くしていたなんて、やはりどうしようもない妹だ。
「そんな奴が妹の知り合いだなんて信じられない。本当の目的は何だ?」
そこへ父のオズワルド公爵がやって来た。ビクトールは公爵を見て、不敵な笑みを深くした。
「リリアーナをこちらに渡せ」
ビクトールはそう言うと、懐から杖を取り出し構えの姿勢に入った。
「何だって!?」
「ずっと閉じ込めておいても何も変わらないだろう? でもこっちはその解決方法を知っている。5年前の因縁を解いてやると言ってるんだよ。王室には不埒な輩に娘をさらわれましたとでも言っておけ」
「貴様……何を……!」
ナイジェルは、ビクトールに食って掛かろうとしたが、父のオズワルド公爵が手で制した。
「お父様……なぜ……」
オズワルド公爵が口を開きかけた時、2階から何かが爆発するような音が聞こえた。
「何だ、今のは!?」
彼らは慌てて2階に駆け上がった。その途中で、もう一回同じような爆発音がした。音はリリアーナの部屋から聞こえるようだ。
「結界が破られたんだ!」
急いでリリアーナの部屋の扉を開けると、バルコニーに面した窓が開け放たれていた。バルコニーの向こうには、空飛ぶ絨毯に乗ったカイルがいた。
「お久しぶりです、オズワルド公爵。先日は失礼いたしました。二人のお兄様にはお初にお目にかかります。カイル・ギャレットと申します。リリアーナ嬢とは友人として親しくさせていただいております。以後お見知りおきを」
貴族の挨拶としては何ら変わったところはない、宙に浮かぶ絨毯の上からという条件でなければ。
「なんだと……? この状況は一体?」
父と兄たちは、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたまま、余りの急展開に言葉を失った。
「やっぱり役割は逆の方がよかったんじゃないか? お姫様を助ける王子の役やりたかっただろう?」
「やなこった。俺は空飛ぶ絨毯から魔法なんて使えないよ。足場が不安定すぎる。お前は乗り慣れてるんだろう?」
「子供の頃遊びで何度か乗せてもらったことがあるくらいで、別に慣れちゃいないよ。こんなおもちゃでも役に立つんだな」
カイルとビクトールがのんきに会話するのを、他の者たちは黙って聞くしかできなかった。当のリリアーナはというと、窓の傍でへたり込んでいる。爆発騒ぎの中で脇腹を痛めたらしく、手で患部を押さえていた。
「結界が何重にも張り巡らされていて、何度かやってみたけど、まだ完全に解除できてないんだ。そっちからも試してくれる?」
「よし、分かった。みんな後ろに下がって。リリアーナも窓から離れて」
ビクトールはそう言うと、杖を前に掲げ結界破りの呪文を唱えた。するとさっきより一際大きな音を立てて結界が完全に解除された。
ビクトールはそのままぐんぐんと部屋に入っていくと、床に座ったままのリリアーナの手を取って立たせた。
「ここから出よう。安全な場所に連れて行くから」
リリアーナは何かを言おうとしたが、余りに事態が急展開なのと、しばらく声を出していなかったせいで、頭が真っ白になって言葉が出てこなかった。呆然としたまま、ビクトールの手を借りて立ち上がり、ふらふらした足取りでバルコニーへと向かう。
「待て! リリアーナ! 外は危険だぞ!」
ナイジェルが叫んだが、オズワルド公爵が「いい、行かせろ」と止めた。
ジョシュとナイジェルは信じられないという表情で父を凝視したが、公爵は表情一つ変えず静かな声でビクトールに呼びかけた。
「あれだけ大口を叩いたのだから絶対にへまはするなよ。君はどうなってもいいが、娘の命は大事だ」
ビクトールも返答しようとしたがその暇はなかった。リリアーナを絨毯に乗せるのを手伝い自分も乗り込んだら、カイルはすぐに出発の準備に取り掛かった。そして家族が見守る中、3人を乗せた空飛ぶ絨毯はバルコニーから離れ空高く飛んで行った。
**********
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リリアーナは首にかけたネックレスを無意識に弄びながら、ぼんやりとした頭で考えた。ビクトールが護身用に作ってくれた、魔術が込められているネックレスだ。部屋に閉じ込められている間も肌身離さず着けていた。今の彼女にとっては、護身用と言うよりも精神的な支柱という意味合いが強い。
いくら気丈な彼女でもこんな生活が続けば、精神が摩耗していくのは避けられない。食事の量もだんだん減っていき、ほとんど食べない日も出て来た。当然体力も低下するが、今の生活を続ける以上どうすることもできなかった。
最初のうちは、何度か部屋から出ようと試みたこともあった。使用人がドアを開ける隙を狙ったり、部屋の窓から飛び降りようとしたり。しかし、いずれも見えない壁に阻まれて脱出することはできなかった。魔法で結界を解こうと思っても彼女の魔力では太刀打ちできない。そもそも結界内では魔力も無効化されていることに後になって気付いた。ここではネックレスに込められた魔力も使えない。全ての策が尽きた彼女はなす術がなかった。
その時、階下から物音が聞こえた。誰かがこちらに上がって来るのだろうか。使用人は先ほど来たばかりだから、珍しく家族の誰かが顔でも見に来るのだろうか。しかし、こちらに近づいて来る様子はない。耳を澄ますと、何やら下の階が騒がしくなっているようだ。
(誰か客人でも来たの?)
部屋から出られないリリアーナは知る由がなかった。その客人というのがビクトールであることを。
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所々ほつれた色あせた魔法学校のローブに身を包んだその訪問者はリリアーナの友人と名乗った。このうさん臭い奴には見覚えがある。一度、妹が変な動きをしているので馬車で待ち伏せしたことがあったが、その時に一緒にいた奴だ。手を切れと言っておいたはずなのにまだ繋がっていたのか。本当にどうしようもない妹だ。ナイジェルは苛立ちを隠せずため息をついた。
「あいにくだが、妹は今不在なんだ。また後で来てくれ」
「具合が悪いと聞いたんですが、まだ学校に戻って来ないので心配して様子を見に来ました。今度は会えますか?」
適当にあしらおうとしたら、相手は一切信用していないらしく、警戒した視線をぶつけられた。
「どこの誰とも分からぬ者に教えることはできない。すぐに帰ってくれ」
「もう一ヶ月も姿を見てないんです、そろそろ会わせてくれたっていいでしょう」
しつこい奴だと、ナイジェルが手を焼いていると、奥から長兄のジョシュが出て来た。
「リリアーナに用事があると言ってるんですが、何を言っても帰ってくれなくて……」
「お前、どこの家の者だ? 見知らぬ顔だが」
ジョシュが前に出て来てビクトールに質問すると、ビクトールはハッと薄く笑いながら答えた。
「名乗るほどの者でもありません。俺は貴族ですらありませんから。平民から奨学金を貰って魔法学校に入った特待生です」
それを聞いた2人の兄は顔をしかめた。汚いものを触ってしまったというような顔が面白くて、ビクトールはつい調子に乗ってしまった。
「それならもっとお教えしましょうか? 生まれも育ちも最下層のスラム街で、家はお宅の朝食室くらいの広さしかありません。父は飲んでばかりで仕事もしないし、母は男と一緒に逃げました」
「なんでそんな奴が妹と知り合い……?」
「双子の弟と妹がいますが、父親は違うかもしれません。それでも大事な兄弟には変わりありませんが」
兄たちの表情がだんだんと嫌悪感で歪むのが楽しくて、ビクトールは更に話し続けた。
「13歳の時親に売り飛ばされそうになったんですよ。幸い近所の人が連れ戻してくれました」
「もういい!」
ジョシュは大声で怒鳴った。こんな底辺と仲良くしていたなんて、やはりどうしようもない妹だ。
「そんな奴が妹の知り合いだなんて信じられない。本当の目的は何だ?」
そこへ父のオズワルド公爵がやって来た。ビクトールは公爵を見て、不敵な笑みを深くした。
「リリアーナをこちらに渡せ」
ビクトールはそう言うと、懐から杖を取り出し構えの姿勢に入った。
「何だって!?」
「ずっと閉じ込めておいても何も変わらないだろう? でもこっちはその解決方法を知っている。5年前の因縁を解いてやると言ってるんだよ。王室には不埒な輩に娘をさらわれましたとでも言っておけ」
「貴様……何を……!」
ナイジェルは、ビクトールに食って掛かろうとしたが、父のオズワルド公爵が手で制した。
「お父様……なぜ……」
オズワルド公爵が口を開きかけた時、2階から何かが爆発するような音が聞こえた。
「何だ、今のは!?」
彼らは慌てて2階に駆け上がった。その途中で、もう一回同じような爆発音がした。音はリリアーナの部屋から聞こえるようだ。
「結界が破られたんだ!」
急いでリリアーナの部屋の扉を開けると、バルコニーに面した窓が開け放たれていた。バルコニーの向こうには、空飛ぶ絨毯に乗ったカイルがいた。
「お久しぶりです、オズワルド公爵。先日は失礼いたしました。二人のお兄様にはお初にお目にかかります。カイル・ギャレットと申します。リリアーナ嬢とは友人として親しくさせていただいております。以後お見知りおきを」
貴族の挨拶としては何ら変わったところはない、宙に浮かぶ絨毯の上からという条件でなければ。
「なんだと……? この状況は一体?」
父と兄たちは、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたまま、余りの急展開に言葉を失った。
「やっぱり役割は逆の方がよかったんじゃないか? お姫様を助ける王子の役やりたかっただろう?」
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「子供の頃遊びで何度か乗せてもらったことがあるくらいで、別に慣れちゃいないよ。こんなおもちゃでも役に立つんだな」
カイルとビクトールがのんきに会話するのを、他の者たちは黙って聞くしかできなかった。当のリリアーナはというと、窓の傍でへたり込んでいる。爆発騒ぎの中で脇腹を痛めたらしく、手で患部を押さえていた。
「結界が何重にも張り巡らされていて、何度かやってみたけど、まだ完全に解除できてないんだ。そっちからも試してくれる?」
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ビクトールはそう言うと、杖を前に掲げ結界破りの呪文を唱えた。するとさっきより一際大きな音を立てて結界が完全に解除された。
ビクトールはそのままぐんぐんと部屋に入っていくと、床に座ったままのリリアーナの手を取って立たせた。
「ここから出よう。安全な場所に連れて行くから」
リリアーナは何かを言おうとしたが、余りに事態が急展開なのと、しばらく声を出していなかったせいで、頭が真っ白になって言葉が出てこなかった。呆然としたまま、ビクトールの手を借りて立ち上がり、ふらふらした足取りでバルコニーへと向かう。
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ジョシュとナイジェルは信じられないという表情で父を凝視したが、公爵は表情一つ変えず静かな声でビクトールに呼びかけた。
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ビクトールも返答しようとしたがその暇はなかった。リリアーナを絨毯に乗せるのを手伝い自分も乗り込んだら、カイルはすぐに出発の準備に取り掛かった。そして家族が見守る中、3人を乗せた空飛ぶ絨毯はバルコニーから離れ空高く飛んで行った。
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アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
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