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第4章 街道は続くよ何処までも
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しおりを挟む「………………わぁーい、お尻にフィットして快適~♪」
「なら俺も……。あ、なるほど。振動を吸収する感じか…………。フフ、兄さんたちも要ります? やらかし商品ですよ? さぁ、どうします? 使うとしたら一蓮托生。パパさんに一緒に怒られてくださいね」
あ、兄ったら意地悪さん! でも3人とも「いる」との返事でした。
俺たちよりも慣れてるはずなのに実は辛かったんだね……。
うんうん、でこぼこ道に殺意湧いちゃうよね!
「仕方ない。休憩の時に全ての馬車に敷いてくるか……」
「父上と母上がその前に拗ねますけどね……」
グレン兄さんに言われて俺と兄は嫌そうな顔をしたことにより、ゼノさんとアンドレアさんは大笑いしていた。
なるほど。パパ達も苦痛なのか……。
そうなると、このちゃんとした馬車で苦痛なのだから幌馬車にいる人たちは大丈夫だろうか……。
「あ、そうだ!」
辞書る~っ!
【…………ん? なに?】
冷たくない? 何かの作業中なの?
【作業……。いや、それよりもどうかしたの?】
えーっとね、トランプが欲しい! 材料は木とかどうだろう?
【はぁ……。ルカ? ム・ゲンのアイテムリストの下の方。一番上の赤のはてなマークを開示しな?】
何故だか今日は大人っぽい辞書るに困惑しつつもム・ゲンさんのリストを見つめた。
あぁ、これかな?
【開示すれば手に入るから。でも開示するのに魔力を使うから1日の回数を決めなね? 今日はちょっとやることあるから頼み事とか、もし何かあったら今日だけはキュキュにお願いしてくれるかな?】
あー、うん。わかったよ。でも辞書る、無理しちゃダメだよ?
そうだ! 疲れたらム・ゲンさんに預けてあるプリン食べていいからね?
【ふふ、ありがとう。ねぇ、ルカ? 大好きだよ?】
わぁ、ありがとう?
通信っぽいものは切られましたが、友達と思ってくれてると言うことなのかな? 大好きと言われました。ちょっと嬉しいです。
ふっふーん♪ よし、開けてみよう…………ん?
体から何やら力が少し抜けました。
なるほど、エリアヒールみたいな大きめの魔法を使った感触に似ているので使いすぎは良くないかもしれない。
よし、2個だけにしよう! 回復魔法を多用する旅だもんね!
「るー? どうした?」
「兄~……。トランプとオセロをゲットだぜ! って言ったらどうする?」
その瞬間、兄は綺麗な顔で無言で瞬きをしていました。
そしてすぐにトランプを見せろと言ってきました。
「「「とらんぷ? おせろ?」」」
グレン兄さん達は申し訳ないがスルーして、兄にそっとトランプを手渡すと兄は全て揃っているのかチェックしてました。
「ちゃんと揃ってるな……。とりあえず複写しておけ」
「あい……。でも僕は何だか眠いので兄に預けとくです……」
オセロも手渡すと兄は無言でしまい、そして俺のために布団を出してくれた。
「ゼノ、少し横にずれてもらえますか? 移動します」
グレン兄さんが席を譲ってくれたので俺は兄に膝枕をされてスヤスヤと眠りについた。
酔い止め薬って飲むと確かに酔わなくなるけど、なんでか眠くなるんだよね……。
あれだけはどうにかして欲しいんだけど、仕方ないのかなぁ……。
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