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第9章 いつもより羽目を外した気がするの
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しおりを挟む到着したのにも関わらず実は未だに馬車のなかである。
本当は俺が最初に下りるべきなんだろうけど、どうしてなのか身に覚えがない訳でもないけど、どちらかと言えば記憶に新しい。
でもなんでだろう……。認めたくないんだよね。
実際、現代から持ち込んだ薬のおかげなわけだし、でもそのお陰でたくさんの人を救ったらしい俺は見ず知らずの不特定多数の人たちに命を狙われているようだ。
ここへ戻る道すがら、多数で襲ってきた暗殺者達を先に牢獄へ連れていくことになったようだ。
なのですべてが終わるまで従者のゼノさんによる注意事項の話を聞きながら馬車で待機。
ユリアンも話を聞いていて「王子様って職業も楽ではないんですねぇ」と言って俺を見て笑いだした。
もう! なんか失礼! 養子とはいえ王子に対して不敬じゃね? ユリアンにそういうと「お? とうとう王子ということを認めましたね?」と言うので口をとっさに閉じて頭を左右に振った。
そりゃもう必死にブンブンと振りましたよ!
俺が王子だなんて認めたくはない!
ゼノさんが先に下りて騎士達と安全を確認してやっと待機解除になりました。
ここまでやらないと安全を確保できないとか不自由だわ!
どちらかと言えば攻撃は最大の防御なのでは?
そんなことを思いつつもゼノさんに促されてパパが待っているであろう謁見の間へゆっくりと向かった。
謁見の間と言うと仰々しいが謂わばダンスホールみたいな場所を改装したのかな?
そこへ向かう廊下では先程のパパが無理矢理言わせようとしてるんじゃないかという話を振り返したところ、ゼノさんも徐々にあり得ると思ったのか苦い顔をしていた。
うーむ。個人としては否定してほしかったんだけどなぁ。
そして警備をしていた騎士に促されて中に入れば侯爵も含めたお偉いさんが一同に集まっていた。
しかもパパとママが高い段に置いてある高そうな椅子に座ってる。
あー、やだなぁ、ほんとに嫌な予感しかしないよ?
「ルカ。流行り病を最小限に食い止め、更には侯爵を病の縁から救ってくれたことを心から感謝すると共に息子とはいえ功績として何か恩賞を渡したいのだが希望するものはあるだろうか?」
え、これって断れないの?
ゼノさんをチラッとみたらダメだと言われた。
欲しいものなぁ……。ほしいもの。欲しいものかぁ……。
「うーん、何でもよろしいのですか? ──では国の子供達が文字と簡単な計算を学べる学校の設立をお願いします」
レシピもそうだし、薬云々、様々なものは学校もしくは寺子屋作らないと話にならねぇのよ。
パパに理由を聞かれ説明を求められたので色々と伏せて説明をすることにした。
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