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第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る
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しおりを挟むやっぱり破壊と言えば大きな木槌と言うか、ハンマーだよね!
うんうん、スッゴク大きくてぇ~……、でも出来ればスッゴク軽く感じる破壊力抜群のハンマーが良いね!
色はそうだなぁ、中二的なゴールデンハンマーとかどうだろうか(笑)。
よしきた! いでよ、ゴールデンハンマ~っ!
脳内でアホなことを呟いてみたらそれなりに重みのある大きなハンマーが出現した。
うんうん、イメージ通りのピカピカなゴールデンハンマー。
破壊力抜群そうな打撃部分が尖ったゴールデンハンマー。
どっからどう見ても中二っぽいゴールデンハンマー。
素に戻ればなんかどことなくハ、ズ、カ、シ、イ!
「ところでなんでお前の手には魔法で作ったらしい大きな槌を持ってるんだ? 確実に国一番の美少女なルルには不似合いだぞ?」
「こんな平たい顔した子がお世辞にしても国一番な訳がないでしょ。逆にバカにされてる気がするから止めて! うーんとね、このハンマーはそろそろ中庭の雪だるまを破壊しようと思ってね……」
そう言うと部屋はピシッとなにかが裂けるような音が聞こえた気がした。
え、空間にヒビが入ったの? え、スゴくね?
あ、そう言えばこの二人はそれなりに風の魔法か使えるんだったか……。
なんてうらやましい。
俺の聖属性と交換して──いや、俺自身の体力が皆無と言ってもいいくらいにないから聖魔法は大事か……。
なら地属性──と思ったけど地属性以上に簡易的な安全地帯を作るのに適した属性はないからなぁ……。
無理か。諦めるしかないか。
まぁ、いいや。それよりも早く中庭に移動して壊そう。
ふんふふーん♪ 雪だるまこわーそ~♪ ドアを開けてぇ~♪ 中庭に移動し、雪だるまを一思いにぃ~♪
とある歌を変えて脳内で歌を楽しんでいると視界の片隅で真っ青な顔をしたミリアムがいた。
あれ? いつの間にそんな顔をして……。
あ、そうか。少しだけでも休憩をとらせてあげるべきかな?
「ル、ル、ル……ルル様。私の雪だるまも壊すんですか? 私を殺すんですか?」
そんな真っ青な顔をしたミリアムがショックを隠さずにフラフラと近くに来た。
「え……。雪だるまは雪だるまでミリアムはミリアムでしょ? なに言ってんの?」
「違います! あの雪だるまは私なんです! 一心同体とは言わないですが、私なんです!」
一心同体とは言わないんだ? なら壊しても別によくないか?
首をコテンと倒して見つめているとミリアムがどうやら拗ねたらしい。
美人は特だな。拗ねててもやっぱり可愛かったので今日は壊すのをやめることにする。
魔法で作ったハンマーだったので一瞬で消すとなぜかミリアムの他にゼノさんからもホッとしたような安堵のため息が聞こえた。
──なんか本気で暇だし、殺人とかではなく面白そうな事件とか起こらないかなぁ……。
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