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姉物語・これが俗に言うプロローグ?
しおりを挟む「アレックス。すまないが、とりあえずと言うか早急に彼らの素性を隠すためにもマントかローブの手配を……いや、すぐにここへ持ってきてくれないか。そして貴殿達も話したいことはたくさんあると思うが一先ずお茶をしながらにしましょう。ここに長くいると貴殿達に不利に働くことは明確なので……」
「不利──か……。うん、確かにここの場所が貴方達の言う召喚の間であるとするならば王子達が長居すればするほど、立ち会っていなかった人からしたら何かあったのかと勘ぐる可能性が増えそうだね。樹里、愛、とりあえず彼の言うとおりここを出てお茶をする。それでいいかな?」
「そうね。私はお茶に変な細工さえしなければそれで構わないわ」
我が家の疑り深い性格せいなのかしら……。
お父さんと私の会話で彼らは驚いたような顔をして居た。
なんだ、その顔は……。鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔しやがって……。
大声で笑いそうになったじゃないのよ。
「おや、なにか問題でも?」
「いえ、ただ先程……。あなた方が現れる前に一人の少女が現れましてね? 彼女に同じ説明をしたところ考えることもなく『私、やります!』と元気に答えた姿とは真逆でしたので驚いただけですよ。あ、この場で先に謝罪をさせてください。私はこの国の魔法師団という魔法専門の部隊で師団長をさせていただいております、サーシャ・アルタンと申します。王からの命とはいえあなた方をこちらへ呼び寄せたのは私です。本当に申し訳ない」
つまりは呼び寄せたのは召喚の術を発動したのはコイツ……じゃなくてサーシャだっけか? この人だけども、実際にやれといったのはこの国の王様ってことよね? つまりはコイツも被害者だと言いたいのか……。
ついでに言えば目の前の王子は拉致しろといったヤツの息子ってことだよね?
精神的に痛め付けてやろうかな……。
サーシャに関してはお父さん達と要相談した方がいいかしらね。
とりあえず今言えることは「私、やります!」と即答したらしい、私達より先に到着したっぽい見も知らぬ彼女に、私達がここへ呼ばれた役目全てを擦り付ける!
一瞬にしてその方向に何故か私含めてお父さんとお母さんもシフトチェンジしたことはさすが家族なのだと思った。
コレが俗に言う以心伝心って奴なのかしらね……。
そして先程出ていった彼が駆け足で持ってきてくれた服──。
いやマントと言うかローブって言うのかな? 某魔法使い映画の少年が着ていそうな上着を着て、頭には服についたフードを深々と被って私達は俯きながら移動した。
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