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小話《時系列関係なし突発短編》
隠蔽2
しおりを挟むソレからというもの、仕事が片付くまで執事の膝の上で行った。
実はこの机、父上の背丈に合わせて作られているから妾にはすごく大きく、椅子に妾専用の小さな椅子を置いていつも作業をしている。だから素直に言えば誰かの膝の上で作業するのは高さがあっていて、尚且つ柔らかくて暖かいので落ち着くのだ。仕事を無事終えると執事が拘束を解いてくれたものの、流石に書類が多いと疲れたなぁ……と思いつつも部屋の方へ歩き出すと今度はメイド長に捕まって数人のメイドにお風呂を入れられ、全身マッサージが始まった。
いや、気持ちいい。気持ちいいけれど……。今までやられたことがないサービスで……。いたせりつくせりで逆に引いてしまう。しかも母上ならともかく、妾の体をオイルマッサージとか意味なくないか?
妾の肌、子供じゃからピッチピチじゃよ? しかも子供特有のプニップニ。
ピッチピチでプニップニ…………。年齢を考えると凹むわぁ……。なんと言うべきなのか……。うん、兎にも角にも凹むのじゃぁ……。
「あら、クリスタリア様。お疲れなのですね。肩が凝ってらっしゃいますよ」
まさかの肩凝り……。肩凝りって子供でもなるのか……。
そんなことを思いながらマッサージを受けていると気持ちいいのでいつのまにかスヤスヤと台の上で眠ってしまった。
そして朝というよりも早朝。いつもならそろそろ寝る時間に目が覚め、起き上がろうとするとなぜか体が重くて起き上がれなかった。
「え……」
「ん……? リアちゃん、起きたの? ……まだまだ寝ないとダメでしょ?」
目を覚ますと何故か父上が隣で妾の体をガッチリとホールドして寝てました。
「ふあぁ……。お祈りに行かなきゃな……」
眠そうに起き上がると何故か妾を抱っこし始めた父上はそのままお城に転移した。
え……。まだ寝ろと言うわりに城へ連れ去るとか何気に酷くないじゃろか……。それに妾、寝室の片付けしないとジェイルに怒られーーいや、討伐の時にお留守番させられてしまうんじゃけど……。
え、てか! 父上ーーッ!!
「父上! わ、妾の目の前で着替えをしにゃいでくだしゃれ!」
「……ぷっ! 可愛い!!」
うぅ……。動転してしまって噛んだ……。そして更に動揺したら笑われた。
所在なさげにオロオロしていたら上半身裸の父上に抱っこされて宥められたーーが! 抱っこよりも宥めるよりも先に服を着て欲しい。妾、こんなんでもお年頃なのじゃ。通常ならば結婚して子供がいてもおかしくないのでお年頃と言うのも変な気もする。
父上は寝起きも相まって色気が凄いんじゃよ! 肉食獣の女性じゃったら確実に襲われてると思うの。しまって! その駄々漏れの色気をしまって!
「ごめんごめん。パパ、うっかりしちゃった。リアちゃん、ゴメンね? あと、褒めてくれたのかな? ありがとうね?」
頬にチューをされた。
「ん? 褒め……?」
「え、だって色気が凄いって……。女の人に襲われるからしまってって……。無意識でもそう呟いてたじゃない」
どうやら心の声が喉や口を通ってお外に駄々漏れていたらしい……。妾、穴掘って入って、さらに奥へ潜ってそして消えたい……。恥ずかしい……。
いつものように父上にグリグリ頭を擦り付けようとしたら父上は上半身裸と言うのに気がついてさらに恥ずかしくなった。うぅ……。妾、女の子なのに父上とはいえ異性の素肌にすり寄ってしまった。
なんなんじゃ! 昨日から何なのじゃ! 妾、何でこんなに辱しめにあってるのじゃ!! 何なのじゃーーっ!
床に下ろされると一目散に以前父上のために作ったライオンの像に抱きついていじけた。妾、嫌われてるんじゃろか……。それともーー。
「うぅ……。ライオン~……。妾、このちっさい体で厄年なのじゃろか……」
返事が来るわけもなくペシペシと熱魔法により温かくなっているライオンの像を叩いていると着替えが終わったのか父上に抱っこされた。
「さてと。ゴメンね? パパはお祈りしないといけないからその後ご飯食べて一緒に寝ようね?」
「父上……。妾、やることが……」
「ん? やること? あぁ、リシャールが言ってたお部屋の片付けならリアちゃんがなんと言うか夢遊病患者みたいにボーッとしながらポシェットにせっせとしまってたじゃない」
「ーーーーえ?」
今、なんか父上がさらりと怖いことを言った気がする。えっと? 夢遊病みたいに妾がせっせとお片付けしていた? え、なにそれ、怖いんじゃけどっ!
思い出そうと頑張ったが妾の記憶はマッサージで寝落ち。そして父上にガッチガチにホールドされた状態で目が覚めたところだけなんじゃけどな……。うーん、うーん……と唸りながら考え事と言うよりも思い出そうとしているといつのまにか父上のお祈りは終わっていた。
うわぁ……。本気か……。全く思い出せない。
そして朝食を食べようと移動すると何故か自分の分も用意されていた。
「父上……。誰にも会ってないのに何で妾の分が用意されとるんじゃよ……」
「え? いや、お祈り行く途中の廊下で侍従とすれ違ったでしょ? ……もう、リアちゃん? 考え事しても構わないけれど、自分の世界に入り込まないの! そんな状態の時に襲われたらどうするの! 魔物以外にも人だって色んな意味合いを含めて人を襲うんだからね?」
怒られた。本気で怒られた……。素直に「はい」「ごめんなさい」と言うと頭を優しく撫でられ、そのまま妾の席……じゃろかーーに座らされた。
そして話をしながらゆっくりと食事を楽しみ、そしてサロンでお茶を飲みつつ家族3人で話をしていたら暖炉のお陰で妾がウトウトし始め、コロンとソファーに倒れた瞬間に父上に抱っこされた。
「うにゃぁ……。ちちうえ~……」
「はいはい、ここに居ますよ~? うん。眠いねぇ……。はい、良い子良い子。大きくなれないからもう寝ようねぇ」
小さいときの様に寝るまで背中をポンポンされた。なんか、今日はよくわからない1日じゃったなぁ……。しみじみとそんな感想を心の日記帳に書き綴ると完全に眠りについた。
「向こうはなかなか、大がかりみたいだね」
「当たり前ですわよ。すべて家具を揃い直すらしいですもの……。旦那様に連れて行ってもらって向こうのリアちゃんのお部屋を見たら私、愕然としましたわ……。女の子らしいものが何一つないだなんて……。旦那様が差し上げたぬいぐるみとはいっても可愛さゼロのリアルすぎるクマですし……。やっぱり幼い頃に離ればなれになって会う機会もあまりないままだったからなのかしら……。物凄く責任を感じますわっ」
そもそもな話、教育係が男な時点で女の子らしさはかなりなくなると思われるのだが……。過ぎ去った過去の話など一言も漏らさずに飲み込んだフローライトは微笑むだけで後は愛娘を可愛がるだけだった。まぁ、教育係を決めたのはフローライトなので女の子らしさがなくなったのは父親のせいとも言うーー。しかもお目付け役に強い奴が良いだろうと結局教育係が兼任し、その護衛をしていた女騎士も付き添うためにお目付け役に魔力特化と武力特化の最強とも言える男女2人がつくと言うかなりの溺愛っぷりを領民に無意識にアピールしていたのだった。
そしてクリスタリアは昼間に起きると色んな人の策略なのか妨害によりしばらく王都での生活を余儀なくされたのであった。
END
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